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2014年5月31日土曜日

Sony CyberShot RX100 Mark3 ファーストレビュー、噂通り究極の全部機能入りコンデジだった


ソニーサイバーショット RX100 Mark III。数週間前にそのリリースがなされた時には目を疑った。ズーム・レンズは最も汎用性が高いレンジの広角24mm〜望遠70mm で、しかも明るさが f1.8 - f2.8のカールツァイス・バリオ・ソナー、T* コーティング。この辺りでもう、レンズ・スペックがわかる人にはグッと来るはず。コンデジでズーム望遠端迄、この明るさが実現。


そして外観で目立つ部分は、装備重量 290g のコンデジ・ボディ・サイズに、従来型の外付けではなく、ポップアップ式の EVF (電子ビューファインダー)が埋め込まれている事。コンデジでは常時 EVF を利用する訳ではないが、直射日光が強い日には、背面液晶だけでは反射が強く被写体の色味がわからなくなってしまう事も多い。そんな時には EVF が活躍。ライバル Panasonic Lumix のコンデジ・シリーズでは、既に超小型 EVF が採用されている機種も複数あるが、いかんせん解像度が低かった。RX100 Mark III 採用の EVF は、144万画素の有機 EL ファインダーに、T* コーティングまで奢られている。EVF ポップアップでスイッチオン、収納でスイッチオフになってしまう部分は、すぐに背面液晶撮影に移りにくいのではと評判が悪かったが、まあこれは慣れの問題か。このコンパクト・サイズで、クリアで見やすい EVF が内蔵されている点は非常に嬉しい。このボディ・サイズに、よくまあ実装出来たものだ、と拍手を送りたい高性能。


背面液晶はフレキシブルに動き、180度ひっくり返せば、自分撮りも容易に可能。充電は RX100 シリーズ伝統で、通常の microUSB 経由で可能な為、旅行時にも特別な充電器携行は不要。もうともかく、文句のつけようが無い程に、日常携行する小型カメラに欲しい機能が「全部入り」なのである。


凝縮感がある、小型ながら重みを感じる筐体だが、表面はツルツルなので、オプションの AG-R2 グリップを装着すると、ホールド性が抜群に上がる。これは値段も高く無いので、同時購入がおすすめ。

日常持ち歩くカメラが iPhone5s になる中で、それに加えてもう1台、カメラを携行するとなると、iPhone5s のカメラ機能を上回る付加価値機能は必須。RX100 MK3 は、その要請に完璧に応え切る最初のコンデジ、と呼べるかもしれない。

CMOS サイズが1インチ前後のミラーレス・カメラに、交換可能な小型レンズを数本持って出かける機会がこれまで多かったが、小型と言っても数本レンズを持つとかさばる為、いつしかフルサイズ 24-80mm 相当の f2.8 レンズを装着した Olympus OM-D E-M1 を持ち歩く事が増えた。しかしそこまでレンズ・ボディを集約しても、全体重量は 879g は必要となる。気軽に毎日持って行ける重さとは言いづらかった。

f1.8 - f2.8 で背景をしっかりぼかせる明るさを持ったレンズが、この大きさに収まってしまったというのは感動ですらある。まずは以下の flickr album の作例を御覧頂きたい。今後持ち歩く、日常のメインカメラは RX100 mk3 で良いかな、と思わせるだけの描写力を備えている事がおわかり頂けるはず。フォトウォークのエースとして、この夏活躍してくれる一台になってくれそうだ。




2014年5月30日金曜日

Casio Pro Trek という、究極のアウトドア用デジタルウォッチで、都会の荒野を歩く

CASIO のデジタル時計を集め始めて、もう何年経っただろう。20代の頃は、カッコつけたいという気持ちもあって給料の一ヶ月分もする様な時計に手を出した事もあったが、30代になるともう、実用一辺倒。CASIO 製時計装着率が高まって行く事に。G-Shock から始まって、アウトドア向けの Pro Trek が発売されてからはこちらにも目が行く様に。

最近の ProTrek の進化は特筆出来る。高度・方位・気圧計の3種を薄いケースに納めた PRW-3000 あたりから、その流れが顕著に。ケースサイズが従来の約半分になったことで、その装着感は飛躍的に向上した。

これまでずっと、ガジェットに関しては「超小型は正義」主義を貫いている本電脳熊ブログではあるが、Pro Trek もこのモデルから超小型・スリム化が進み始めた。これ以前は、Pro Trek の売れ筋はやや大き目サイズでセンサー搭載が目立つデザインのものが多かったが、PRW-3000 から良く見ないと複数のセンサーが埋め込まれているとは気づかない程の一体デザインになっている。

通常の樹脂よりも装着感が優しいソフトウレタンバンドも、この時計をつけて日々出かけたい、という気持ちを高めてくれる。デジタル表示も大型で、老眼が始まりつつある年代に配慮した設計になっている。その他にも多くの機能が設定されているが、それに関しては CASIO の商品説明ページを御覧頂くのが良かろう。

PRW-3000 を日常使う様になってしばらくすると、しかし CASIO は更にその先を考えていた事を知る。PRW-3000 と比較すると少しゴツく、厚みも増すが、その分アナログ・デジタル表示のハイブリッドで、操作性を高めた電子竜頭スイッチ、スマートアクセスも備えた PRW-6000 を投入して来たのである。

トリプルセンサーを始めとするデジタル機能は PRW-3000 と重なる部分も多く、当初は必要ないか、と思っていたのだが、実機に振れるとこれがまたカチっとした仕上がりで、モノとしての魅力も十分。機能的にも細かい所まで、「カシオ技術者によるおもてなし」かと思える様な配慮がなされている。

たとえば、下部の液晶表示窓を見やすくする「針退避機能」。左下のボタンと下部のライトボタン同時押しで、液晶を邪魔する針は2時の位置に動いて液晶表示を見やすくしてくれる。これまで CASIO のコンビネーション・アナログ・デジタル時計の欠点だった、デジタル表示の見にくさ、を見事に解消してくれているのである。

右上の方位ボタンを押すと、12時方向の方位を表示してくれるとともに、秒針のオレンジの針は常に北を示してくれる。スマホ地図の方位が正しいかどうかをチェックする上でも、便利な機能である。こちらも機能豊富なので、詳しくは CASIO の図解説明ページをじっくり御覧頂き度い。

両機に共通で、山好きの人には響く、「ネパール・カトマンズ」時間表示が可能なワールドタイム機能迄備わっている。

当方はそれほど山登りを頻繁に行う訳ではないが、週末になると「さあ、また山へ戻ろう」と時計がささやく。いつしか、車を長野の山へ走らせる、そんな週末がここのところ続いている。頼もしいウェアラブルな相棒、である。









2014年5月24日土曜日

Ultra-light な万能カメラバッグ、Lowepro Photo Hatchback (16L)

腰が強く無い当方としては、重いものを背負う場合には、両肩掛けのリュックサックは必須で、重心が左右に振れない様に注意せざるを得ない。重めの一眼レフ+レンズ携行時に良いカメラ用リュックサックは無いかと探す事数ヶ月、辿り着いたのが Lowepro Photo Hatchback (16L)

まずはリュックサック自体の重さが、900g と極めて軽量なのが素晴らしい。その割に、収納能力はしっかり。リュック下部の、背中側にあるクッションがしっかりしたジッパーを開けると、カメラとレンズをウレタンバンパーで自由に収納出来る場所が。

しかもこの収納場所、巾着袋の様なフタと取手がついていて、リュックサックからの取り出しも可能!アウトドアでの防水性を高めるとともに、収納の柔軟性を実現。
リュックサック上のジッパーを開けると、更にもう一台ミラーレスカメラを収納可能な空間が。勿論ここには、小物類など何でも収納可能。更に、手前のジッパーを開くと、iPad Air や薄型の PC など、端末を収納可能な場所も完備。
両側面には、伸縮可能な素材で作られたポケットが二つ。ここには水筒やペットボトル、ミニ三脚等を入れて、必要な時にさっと出す事が出来る。撮影時頻繁に付け替えるレンズは、ここに入れて置くのも良いだろう。(ただし、この側面ポケットはクッション素材が薄いので、壁などにぶつけない様に注意が必要。)
蓋の内側に、SD カード収納ポケットを設けているのも細かい気配り。
山を知る Lowepro らしく、底部には豪雨時にリュックサック全体を雨から防ぐカバーも潜ませている。

この夏は Photo Hatchback のおかげで、カメラを多めに持って移動出来そうです。ウルトラライトなカメラライフを楽しみたい方、是非チェックしてみて下さい。


2014年5月13日火曜日

御家庭のカレー、を越えるマスコット「印度の味」中辛カレーペーストを食べてみた!

ネタフル・ブログのコグレさんのグルメエントリを読んで即ネット購入してから、いつか食べようと思いつつすっかり忘れていた「印度の味」。ついに本日、頂きました。付け合わせは、カットした柔らかい牛肉。表面にしっかり焦げ目をつけて、塩胡椒で軽くあわせてから、この印度の味中辛カレーペーストと混ぜて煮込むだけ。
いや、これが!!申し訳無いが、先日食べたレトルトの中村屋のインドカレーの数倍美味しい!!。肉が焼きたてで旨いのは勿論ですが、このカレーペーストの程よい辛さと酸味。普通のカレールゥに比べて、部屋中にカレースパイスがしみ込む様な、本格的な匂いが調理後も周囲にしばらく漂い、帰宅した長男が玄関から「何この旨そうな匂いは!?」と叫ぶほどの威力であります。

美味しさの秘密は、無化調に10種のスパイス。マスコット社の社長自らが世界を歩いて集めたもの、との事。茹でたジャガイモや、茹で卵を加えて頂くと尚良し。某カレー店を真似て、小さくカットした冷たいトマトを乗せるとまたこれがっ!!(絶句)

いやもうこれは、食べて実感して頂くしかありません。自宅が本格インドカレー店に早変わり。是非お試しを。



2014年5月11日日曜日

スマホ時代の付加価値コンデジ考:Canon PowerShot SX 700HS レビュー

日常のスナップ写真は、ほぼ iPhone5s で撮影する様になった。以前は通勤の時にでも、コンデジを常備していたが、手ぶら通勤派になって普通のコンデジを持たなくなってしまった。iPhone5s のカメラ機能は侮れない。f2.2 の明るさ、フルサイズ換算 30mm のスナップ好適画角、暗所に強い裏面照射型8百万画素 CMOS センサー。ビデオ機能は勿論 Full HD。光学ズームは備えていないが、画面を二本指で拡大、縮小するデジタルズームは利用可能。相当暗い場所ではノイズが気になる事もあるし、デジタルズームでは輪郭がぼやける事もあるが、かなり寄っての撮影も可能で、日常の撮影はほぼ iPhone5s で済ませる事が可能だ。


スマホでは出来ない事、を持たせないと、コンデジ(コンパクト・デジタルカメラ)ジャンルではもう生き残れない。絶滅危惧種である。実際、カメラメーカー側でも特徴の薄い「普通のコンデジ」生産を止めて、より付加価値の高いデジイチ(デジタル一眼レフ)やミラーレスにその軸足を移す傾向も顕著になりつつある。さて、そういうスマホ時代のコンデジ(コンパクトデジタルカメラ)選びは、どうあるべきだろう。

Canon PowerShot HS 700SX も、そういう時代に、コンデジとして出来得る最大限の付加価値を追求した1台である。当方はたまたま年初の CP+ で新製品として出品されているのを見かけて気に入り、発売直後に購入したが、「スマホでは撮影出来ないシーン」が想定されるけれども、デジイチやミラーレスを持って行く程では無い時に本機を携行している。

本機の特徴で重要なのは3点。「5軸手ぶれ補正」と「光学30倍ズームレンズ」、そして「映像エンジン DIGIC 6」。それぞれの特徴を理解するには、Canon が制作しているこのスペシャルサイトのムービーがまず、わかり易いので御覧あれ。


まずは「5軸手ぶれ補正」。前機種の SX 280HS でもそのパワーは実証済みだったが、歩きながら動画を撮影しても手ぶれが低減される、その実力は確かなもの。iPhone5s に大きなやじろべえの様な撮影器具を装着することで手ぶれを軽減する事も可能だが、総重量はこちらの方が随分軽い(SX 700HS の装備重量は 269g のみ)。しかも秒間60コマ (60fps) の Full HD 撮影が可能となったので、動画の仕上がりも滑らかだ。SX 280HS では電池持ちがかなり悪く、動画を撮影すると電池が即終了する有様だったが、SX 700HS ではもう少し実用的になった。とはいえ、真面目に動画撮影するなら、予備電池は持っていたい。Full HD で最大撮影時間は4GB迄、という事なので、長時間の動画撮影には向かないが、数十秒〜数分の動画を繰り返し撮影するには適している。


そして、「光学30倍ズームレンズ」。以下の flickr アルバムに暗いカンファレンス会場での撮影作例がいくつか含まれているので御覧頂き度いが、暗い場所で手持ちでも30倍でここまで寄る事が出来る。前述の「5軸手振れ補正」そして後述の高性能な映像エンジンとの合わせ技が効いている。



映像エンジンは、最新型の「DIGIC6」。当方が所有するフルサイズデジイチの EOS 6D の映像エンジンは DIGIC 5+ なので、それよりも新しいエンジンがコンデジにもかかわらず奢られている。ちなみに当方がもう一台所有する PowerShot S120 も明るいレンズで秀逸な仕上がりを見せるカメラだが、こちらも DIGIC6 だ。暗所でのノイズ除去には、最新映像エンジンの効果が抜群だ。

以上3点の実力のほどは、こちらの flickr set の作例写真でじっくり御覧頂き度い。


本コンデジから採用された面白機能としては、左側面に設定された、フレーミングアシスト・ボタン。高倍率望遠ズームで撮影中にフレームから被写体が外れても、このボタンを押せば一旦ズームアウトして広角に戻り、被写体探しが簡単に。被写体が人物であれば、顔を探して自動的に再ズーミング、という事も可能。あるいは、近づく人の顔を同じ大きさで追い続けて自動でズームアウト、AF 追尾する機能も。徒競走を正面から撮影する場合などにはかなり使える機能であろう。

以上の通り、スマホとの差別化を意識した高機能が、「これでもか!」とてんこ盛りなのが最新コンデジの進化動向。スマホとの戦いが意識されているが故に、以前のコンデジよりも開発に力が入っている、とも考えられる。強力なライバルが存在する故に、機能競争に拍車がかかり、これ迄は上級機にしか採用されなかった様な機能が2−3万円のコンデジに奢られる様になった点は、ユーザーとして歓迎したい。


スマホとの連携機能も、昨今のコンデジでは皆そうである様に、充実している。本機でも背面右上にスマホ連携専用ボタンが装備され、電源オフからでも長押しでいきなりスマホとの WiFi 接続が始まる。iPhone 5s 側で専用アプリの Canon CW (Camera Window) を立ち上げると、カメラ側画像のiPhone 5s への吸い上げを簡単に行う事が出来、また iPhone5s 側から SX 700HS のズームやシャッターをリモートコントロールする撮影も可能となる。新世代のコンデジは、スマホをライバルでなく、力を合わせると1+1が2以上となる、強力なバディに変えるのである。

欠点は少ないカメラだが、あえて挙げるなら、電池の持ち、だろうか。前機種よりかなり持つ様になったものの、一日しっかり動画を撮影しようとすると途中でヘタる。動画デジカメとして売るなら、もう少し大容量バッテリを入れても良い気がする。多少グリップを大きくして、少し重たくなっても、このカメラを買う層にはそれが歓迎される事だろう。

もうひとつ欲しい機能は可動背面液晶。これまた重量・コストアップにつながるので入れにくい機能かもしれないが、スマホとの差別化の為には是非とも欲しい。さらに内蔵 EVF が将来機種で導入されればかなり完璧になる。(その点では、この大きさで内蔵 EVF を導入した Lumix シリーズは先を行く。最新機種の TZ-60 は、EVF に GPS まで備えていて、気になるコンデジである。)高倍率ズーム化する程に、両手に加えて顔面、という3点支持は手ぶれ防止にも助けになるはずだ。

金属外装のボディの質感も高く、ボタン類も大きめで押し易くなっている。動画機能も充実の高倍率ズーム、メーカー毎に様々な特徴があるが、PowerShot SX 700HS は時代を先取りした機能満載の、デジクマ研として推薦出来る一台、である。勿論、研究所長も愛用中。







2014年5月7日水曜日

VoiceTra4U、スマホ用無料同時通訳アプリはここまで来た!対応外国語が多いのも Good!

日本製のスマホ用の同時通訳アプリ。スマホに向かってしゃべるだけで、即翻訳、音声と文字で表示する。ダウンロードして iPhone5s で使ってみたが、これは凄い。音声認識の精度は 100% では無いので認識違いも勿論あるが、実用可能なレベル。これが無料で使えるとは!!

「独立行政法人の情報通信研究機構の「VoiceTra4U」(ボイストラフォーユー)。14か国語の音声に対応し、日本語を英語に翻訳した場合、そのレベルはTOEIC600点に相当するということです。無料で公開され、以前のバージョンと合わせて、これまでに100万人近くがダウンロード」(NHK)

ISS からの Ustream 映像で、宇宙から地球を眺める21世紀

NASA がやってくれました。Ustream による宇宙ステーションからのライブストリーム映像と、リアルタイムの場所表示。視聴はこちらからどうぞ。ネットもだけど、宇宙も広大だわ。(by 素子)


2014年5月6日火曜日

Digitalbear デジカメ研究所ツートップ EOS 6D と SIGMA 50mm f1.4 そして Olympus E-M1 と M.ZUIKO 12-40mm f2.8、その選出理由とは。

GW 期間中は混雑を避け都内を徘徊していたのだが、実はその間に相当数の最新デジタルカメラ、レンズの組み合わせをカメラ店店頭で調査していた。その結果いくつかのボディとレンズを手に入れたのだが、現場での撮影という実戦経験を通じて、いつしかそれは本当に必要な筐体とガラス玉のみに収斂する。「2014年5月現在の」(注:この但し書きが当研究所では極めて重要)デジクマ研究所のツートップは、結果、2選手に定まった。

一人目は Canon EOS 6D と SIGMA 50mm f1.4 DG HSM ART の組み合わせ。重量級トップだが、ナイトゲームや屋内スタジアムでも安定した活躍が期待出来る。もう一人は OLYMPUS OM-D E-M1 と M.ZUIKO ED 12-40mm f2.8 PRO の組み合わせ。小柄だが機動性が高く、クリエイティブなワザを備え、中・長距離遠征や雨天時のゲームにも強い選手である。さて、その詳しい選出理由は以下。


最近各メーカーのデジカメ、レンズはそれぞれに個性が強く打ち出されて居り、長所も分かれるので選択には相当な迷いと時間を要したが、連休で久しぶりにじっくりと各メーカーの最新機材を触った上で、今後使い続けるべき一軍選手たちの結論を導き出す事が出来た。


まずは EOS 6D ボディと SIGMA の最新 50mm f1.4 レンズの重量級フォワード。その大きさ・重さ故に試合登板回数も限られるが、ここぞという時には心強い、完璧主義を絵に描いた様な選手である。重さ故に室内撮影では多用され、また夕刻〜夜の撮影ではその明るさから力を発揮する。近距離撮影で開放絞りにすれば紙一枚ほどの合焦範囲となり、シュートには正確さを要するが、少し距離を置いたミドル、ロングシュートではカリッとした美しいゴールをたたき出す。この選手を使いこなすと他のレンズに手を出しにくくなるほど、強い魅力を持った選手である。6D は重いレンズとのバランスで出来るだけ軽量なボディを、という選択肢となるが、その使い勝手は光学ファインダーを利用している限りは悪く無い。背面液晶を使った撮影では、AF が前世代技術で致命的に遅い為、あまり使い物にはならないが、このレンズはじっくり作画しシュートする為のものなので、まあ良しとする。重量的には、ボディ装備重量が 755g、レンズは 815g と完全にフロント・ヘビーな配分になるが、撮影時に気になる程ではない。長めのレンズなので、左手保持で安定する。開放 f1.4 絞りでの描写がボケ・カリの両方なので、殆どモードダイヤルは Av (絞り優先)での撮影になる組み合わせだ。より詳細なレビューと作例は、当方のブログエントリーを参照頂きたい。


そして、新規加入の OLYMPUS E-M1 と 12-40mm f2.8 通しレンズの軽量ストライカー。重量フォワードがカヴァーしきれない守備位置を軽やかに埋める万能選手として活躍する。ボディ装備重量は 497g、レンズ重量は 382g。両方合わせても 879g。ミラーレスカメラの組み合わせとしては軽い方では無いが、フルサイズボディでこれに近いスペックのズームレンズを組み合わせるとなると相当な重量になる(例えば Canon 24-70mm f2.8 II USM はレンズのみで 805g)事を考え併せると、本選手の機動性の高さが理解出来る。

更に、レンズ・ボディともに防塵防滴構造。突然の雨に見舞われるアウトドア・シューティングでも心強い。フルサイズ換算 24-80mm と、街中スナップに適したかなりの広角ニアポストシュートから、ポートレイト〜風景切り取りのミドル〜ロングレンジ迄、日常の撮影シーンには必要十分な焦点距離をカバーする。

どちらかと言うと明るく高品質な単焦点レンズが好きで、ここ数年ズームレンズ系にはあまり投資せずに来たのだが、このレンズを活用してみて、最近は小型ズームも侮れないと見直した。あらゆるシーンで及第点のシュートを決める実力を備えている。フォトウォークでの遠征にも気軽に連れ出せるサイズなので、夏に向けて更に活躍してくれそうである。ファーストレビューのエントリは、こちらを御参照。


今回惜しくもツートップ入りしなかったものの、メキメキと力をつけているのは Nikon1 V3 と 1NIKKOR 32mm f1.2 の組み合わせ。超小型ながら EVF も利用出来、オプションのグリップを取り付けると安定したスナップ・シューターになる。ナノクリ採用で、ゴーストやフレアにも強く、描写はレンズの大きさからはびっくりする程緻密で、背景ボケも美しくとろける。今回この組み合わせがトップ入りしなかった理由は、撮影時のいくつかの小さな問題の集積にあった気がする。たとえばシャッター・フィーリング。高速デジタル・シャッターで 1/16,000 秒迄切れる点は素晴らしいのだが、OM-D シリーズの様な、押すタイミングに忠実で、かつ軽快なシャッターフィール、それが V3 では得られない。デジタルで前後の映像を記録している為か、シャッターを押し下げても若干のタイムラグを感じる時もある。

EVF は小型ながら見易いのだが、EVF を覗きながら写すと、シャッター時の色味と記録された再生画像の色味が微妙に異なる時がある。White バランスが変化してしまうのだろうか。このあたりが積み重なって、今回惜しくもツートップ入りを逃したが、ボディ・レンズともに小型に収まるこのシステムには未来を感じる。本組み合わせのレビュー詳細は、こちらのエントリー御参照。

ということで、「2014年5月時点では」、上記2選手が当研究所の看板プレイヤーとして毎試合にどちらかが登場する事になる。初夏迄にはおそらく SIGMA dp2 Quattro という異能なルーキーも加入すると思われるが、それまでは不動のツートップとしての活躍が期待される、今日このごろである。



Olympus OM-D E-M1 と M.ZUIKO 12-40mm f2.8 PRO でシングルレンズ・ウォーキング

一昨日の築地・月島 B-Walk の Bグルメはかなりの充実度であったが、撮影中気になった事が。Nikon1 V3 システムはレンズが小型軽量な為ついつい多くのレンズを持って行くのだが、被写体のシチュエーションによりレンズを変える頻度が高く、手間取ってシャッターチャンスを逃す事もしばしば。単焦点レンズの描写力が高い(特に 1NIKKOR 32mm f1.2)のでついついそれを装着するのだが、街のショットではより広角が必要になり、遠くの水上船を追うには望遠レンズが必須。その度にレンズ交換の手間がかかってしまった。

現状の Nikon1 システムに全域で明るいズームレンズが無い為、どうしても明るい単焦点を基本に、必要な時だけズームレンズに移行、そしてまた単焦点に戻る、という交換作業の繰り返しになる。それも効率が悪いな、という事で、全域で明るいズームレンズが有り、ボディの機能もしっかり、という組み合わせで探すと、半年前に発売された Olympus OM-D E-M1M.ZUIKO 12-40mm f2.8 PRO レンズ(フルサイズ換算 24-80mm) にたどり着いた。前機種の E-M5 を利用していたので発売後すぐに飛びつかなかったカメラだが、各種機能を比較対象すると E-M5 からの進化部分も多い。まずはこれを使ってみよう。


早速いつもの夜間撮影テストでカメラとレンズの組み合わせをレビュー、という事で新宿副都心の摩天楼へ。コクーンタワーからビックカメラ新宿西口店に続く回廊付近は良い案配の暗さで、暗所撮影機能のテスト場所として優れている。


肉眼ではかなり暗いコクーンタワー裏の歩道が、この通り5軸手ぶれ補正機能もあって三脚等無しでも普通に撮影可能。カメラボディ側の手ぶれ補正、高感度対応機能も勿論だが、f2.8 通し、というレンズの明るさも暗所撮影に寄与している。


西口排気塔の緑も、夜間撮影で葉の一枚一枚がきちんと描写される。これも肉眼で見るよりも明るい位である。望遠側にズームしての撮影だが、f2.8 通しの安心感で、撮影にも不安が無い。


そして数メートル移動して、広角側で陸橋から撮影。このレンズ交換が必要なくサクサク撮れる感覚が嬉しい。しかもあくまでも描写は夜でも精密に。明るいズームは、夜の街を自由自在に切り取る。


縦位置の作例。ネオンが多い夜の街では、明るい部分と暗い部分それぞれの描写を同時に行う事が難しいのだが、明るいレンズはネオンで浮かび上がる暗闇の反射光を上手に拾い上げる。絞りが暗いズームレンズでは暗所が暗く沈み込んでしまうケースも多いが、このレンズではそうした問題は無い。


「思い出横町」の仲通り、肉眼でもかなり暗い小路での撮影で、明るい提灯と、それに照らし出される暗い舗道のコントラストが良く表現されているのが、作例写真からおわかり頂けるはず。


中央線で移動。いつもの中野の裏道作例も。フジヤカメラ裏の居酒屋ウロコ前は、24mm 広角端の描写を探る上でいつも活用させてもらう場所。


そして同じく、BAR Harah's 前。こちらの木目を生かした店構えも、ついつい撮影してしまう、フジヤカメラ近所スポットだ。看板の細かい文字がどこまで読めるか、が描写力の指標になる。


その近くの居酒屋前の野菜・果物冷やし場所。近距離撮影時のボケ具合や、野菜の色合いを見る為に好都合。


このお店は知らなかった。新規開店か。撮影には向く大人のワインバーの落ち着いた雰囲気で良い。ここは定点撮影場所に追加するとしよう。


最後はいつもの、背景ボケテストを兼ねた中華料理店前の提灯。24mm でぐっと寄ってみた。明るい単焦点レンズほどのとろける様なはっきりとしたボケでは無いが、徐々にボケが広がる持ち味か。

ということで、いつもの夜間撮影テストは終了。さすが PRO という名前を冠するレンズ、十分満足の行く仕上がりだった。更に多くの撮影作例は、こちらの flickr アルバムでどうぞ。次は昼間の作例写真を追加して行きます。




2014年5月4日日曜日

2014年 Golden Week は、築地・月島からCOREDO 室町を目指す、もんじゃ焼きと寿司 B-Walk

タイトルが長くなったが、要は「観光地が混雑するゴールデンウィークは東京都内を回る」原則で、築地をスタートして月島経由で B グルメをクリアしつつ、日本橋の COREDO 室町を目指す隅田川周遊写真散歩、すなわち「B-Walk」と洒落込んだ次第。今回のカメラ・バディーは新調した Nikon1 V3 と 1NIKKOR レンズ4本(32mm f1.4、18.5mm f1.8、10-30mm f3.5-5.6、30-110mm f3.8-5.6)。


Nikon1 システムは、CMOS が1インチと小型な分、レンズの大きさを小さく出来るメリットが高い。フルサイズ換算には 2.7倍の掛け算が必要、とちと面倒だが、上記4本でそれぞれ約 85mm、50mm、27-80mm、80-300mm と必要十分な焦点距離をカバーし、それでいて小さな鞄に全て収まる小型・軽量さ。フルサイズカメラでしっかり撮影したい時には EOS 6D と SIGMA 50mm f1.4 DG HSM (レビューはこちらのエントリをご参照)を引っ張りだすが、気軽なフォトウォーキングには小型軽量が嬉しい。以下、大江戸線築地市場駅を出発し、銀座線三越前駅に至る B-Walk 詳細。写真作例だけ見たい方は、こちらの flickr アルバムでどうぞ。


築地市場到着はちょうど昼の12時。しかしいきなり最初から誤算が。築地市場がクローズする連休はさぞ人が少ないだろうと出かけてみると、築地場外の方は全く関係無く、観光客で大混雑。B-Walk の入口はなかなか厳しいが、人ごみをかきわけつつ築地場外の旨いもの探し。


早速見つけたのがこの、マグロ串焼き、450円。分厚いマグロを塩焼きで。本当にこの値段で良いですか、というジューシーアツアツの串焼き。いやー、築地ならでは、ですね、これは。たまりません。


そして紀文の練り物屋。こちらも温かい串で頂ける、各種焼きかまぼこ。こんなに多種類から選べる幸せ。この調子で食べているとランチが入らなくなってしまうので、下調べしていた場外の寿司屋へ。


築地場外でもかなり勝鬨橋寄りの通りに位置する「すし富」は、マグロ仲卸直営の寿司屋で、トロが抜群に旨いとの Web の評判を見て初来店。他の店が長蛇の列となっている中で、こちらはひっそりとした場所に有り、混雑する時には有り難い穴場の店、である。


いやもう、写真からでも伝わるこのクオリティ。まさに口の中でとろける大トロと、甘みのある新鮮ウニ、イクラがたっぷりと乗った三重奏の豪華どんぶり、宝石箱。食べ物にうるさくなりつつある長男もこの美しさと旨さに釘付けに。


そしてマグロ仲卸の店といえば、このまぐろづくしの特上鉄火丼。とろける大トロが、どっさりと。長女が感激の声を思わずあげるその旨さ。


ゴールデンウィークのスペシャル握り。色々試してみたい大人の要求にきっちり応えるネタの鮮度。いやー、築地は旨い。平日のランチ限定メニューはさらにお得の様なので、また来てみないと!


築地の海鮮ランチを満喫した後は、東銀座方面へ。まずは築地本願寺見学。1657年の大火事で本堂が焼失、それを再建する為に海を埋め立てたのが、「築地」の地名の由来だったとの事。関東大震災で再び火災で本堂が焼け、昭和初期の再建ではインド様式の石造りに。もう二度と燃え堕ちない様に、という願いなのか。


本願寺から更に銀座方向へ向かうと、新しくなった歌舞伎座が。地下に下りると、観光客目当てのお土産コーナー。五右衛門くまモンの「かぶきモン」と、「デジくまモン」の貴重なツーショットを。そちらからエレベーターで上層階に上がると歌舞伎座の屋根上の庭園に。開業当初は大混雑だったこのあたりも、さすがに人が少なくなってゆっくり見学が可能だった。


開店したばかりの男の着物専門 SAMURAI、なる店を眺めた後は、おぎのやの峠の釜飯を、GW 期間は各日午後3時から臨時販売している群馬総合情報センター「ぐんまちゃん家(ち)」に立ち寄り、神津牧場のジャージー牛乳ソフトを堪能。更にすぐ近くの岩手名産品店「いわて銀河プラザ」では小岩井牧場のソフトクリームを食べ比べて、築地を通り抜けて勝鬨橋(かちどきばし)へ。ちなみにいわて銀河プラザのトイレは大きく、フォトウォーカーの立ち寄りには便利なのでメモ。(ちゃんと飲食もしましょうね。)


勝鬨橋では、松本零士デザインで隅田川を遊泳する宇宙船型水上バス、ヒミコに遭遇。(あとで調べてわかったのだが、その後佃大橋で遭遇した屋上のデッキに上がれるタイプの船は新しいデザインで、ホタルナ、というらしい。いずれも乗船の3日前までにネットで予約可能。)なかなかの勇姿。これはいつか乗ってみたい。32mm f1.2 のシャープさがわかる作例。


そしてしばらく歩き、運河を渡ると月島入り。本日の B-Walk の最大の目的地、もんじゃ焼きのメッカ月島もんじゃストリートへ。前回は「」を訪れたが、今回は「だるま」で。こじんまりとした店だが、入店した午後4時半にはもう全ての机が満席に。


だるまで人気 No.1 の「明太・もち・チーズ」。もちとチーズのねっとり感が、明太の辛さを和らげ、なんともいえないハーモニー。その次に食べた人気 No.3「カレー・コンビーフ・ベビースター」も面白い食感だが、これが一番美味しかった。


親子4人で食べると、大きく広げたもんじゃ焼きもあっという間に無くなる。うまくこしらえないと決壊してしまうので、わいわい言いながらキャベツと具の土手をこしらえる。これがもんじゃ焼き最大の楽しみ。ビールとラムネで乾杯。月島の裏道・下町風情も楽しんで、更に移動。まだ B-Walk は終わっていない。


佃大橋に抜けるには、月島から長い歩道を上がって行く。橋の上からは、南に勝鬨橋、北にはスカイツリー。日没前に来てしまったが、夜景は相当奇麗な場所に違いない。30-110mm 望遠ズームを試すにはもってこいの場所。


佃大橋から下りると、明石町、新富町、京橋と町を抜けて行く。時々あり得ないほど古い家屋や建物が残っていて、ここは本当に東京だろうか、と思わせる楽しい発見がある場所。あまり店は多くない地域だが、時々小洒落たビストロ等があって楽しい。中央区役所って新富町にあったのか、と再認識しつつ、ようやく京橋着。


このあたりで日が暮れた。しかし京橋から日本橋まではあと一息。中央通りの明るい逆 L 字型の街灯の下を、一路日本橋の麒麟像を目指す。


三越本店を過ぎ、午後7時、COREDO 室町着。いやー、想像より長い道のりであった。夕食はもんじゃで済ませているので、明日以降に食べるものを物色しつつ COREDO 室町見学。持ち帰り用お惣菜系の店が多いので、こういうニーズにはピタリ。鹿児島のさつま揚げを購入。長女お目当ての出来立て芋けんぴ、はこの時間では売り切れ。人気の箱根富士屋ホテルのアップルパイもさすがに売り切れ。スイーツの楽しみは次回に持ち越し、と。


開業直後の初めての連休で混んでいるのでは、というのは杞憂で、夜の時間はかなり空いていて GW 期間中は夜は穴場かも。COREDO の仲通りは、提灯型や行灯型のライトが美しい。


以上で総所要時間約8時間の隅田川周遊写真・Bグルメ散歩は無事終了。日本橋のたもとからは、遊覧船も数多く出ているので、いつかはここからスカイツリーまで船にも乗ってみたいぞ、と心に誓って帰路。美味しいものを数多く頂きつつも、長距離ウォーキングでしっかり消化。健康増進の B-Walk、これからも続けないと!