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2016年12月11日日曜日

[Review] Panasonic Lumix G8 のカメラボディに、万能 M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO レンズを装着してみた

久しぶりのブログ投稿、久しぶりのレビュー。

Panasonic Lumix G8 のカメラボディに、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO レンズを装着。コラボさせると小型軽量システムでオールマイティ&完全フィールド対応の防塵・防滴。マグネシウムボディもかっちり。

もうすぐ登場する Olympus EM-1 Mark II ほどの画面が消失しない連写能力は無いものの、静かな電磁シャッターで9コマ/秒連写が可能、4K フォトなら 30コマ/秒で連写を続けられる(この場合、8百万画素のファイルサイズにはなるが)。

Lumix GH シリーズの陰に隠れていつの間にか進化していた Lumix G シリーズと、これ1本あれば交換レンズ持ち歩かなくても大抵の撮影は大丈夫感の高い mZuiko 12-100mm レンズの組み合わせはメリットが高し。まだ利用は正味1日だが、以下雑感。

<レンズ・ボディ利用雑感>

・mZuiko レンズは、フルサイズ換算 24-200mm の広いズーム領域にもかかわらず、マクロ設定などすることなくレンズ先端から 1.5 cm、CMOS 面から 15cm まで寄れるレンズは素晴らしい。

・レンズコーティングも流石プロレンズ、太陽が反射したガラスのあるビル壁面の撮影でもしっかり描写。

・Olympus PRO レンズの特色である、先端のフォーカスリングを手前に引くだけで AF が MF(マニュアルフォーカス)になる、MF クラッチ機能は、マクロ撮影時も、望遠で合わせにくい被写体の微妙なピント合わせをする際にも非常に便利。

・Panasonic お得意の、EVF を覗きながらピント位置を指で変更できるタッチパッド AF 機能はやはり便利。近接撮影時に特に威力を発揮。

・5軸手ブレ補正のカメラは起動に少し時間がかかる印象があったが、G8 は EVF でも背面液晶利用でも即立ち上がり、撮影可能。この速写性はスナップ派の当方にはとても嬉しい。

・236万ドットの有機 EL 電子ビューファインダー (EVF) はとても見やすい。色調も素直で撮影に集中できる。EM-1 Mark II は、オリンパスプラザで試した際、蛍光灯・白壁の室内でやや緑がかって EVF が見えることがあった。最終製品ではどうなっているか注目。

・露出補正は、デフォルトでは Fn1 キーを押してからでないと動作しない。これはダイヤル設定から「露出補正のダイヤル割当」で前または後方ダイヤルに設定するとダイレクトに操作できる様になる。これにより使い勝手が非常に良くなった。EVF では露出補正結果をリアルタイムに撮影しながら確認出来るので便利。

・表示が無いので最初は気づかなかったが、後方ダイヤルの中心にある黒ボタンを押すと、後方ダイヤルで ISO、前ダイヤルで WB をすぐに補正できる。露出補正と並んでいじる事が多い機能なので、EVF を覗きながら操作出来て便利。(ちなみに ISO/WB は背面の4方向キーにも設定がある。)

・近景から遠景まで、一度の撮影で多くの場所にピントを合わせるフォーカスセレクトは、ピントが微妙なマクロ撮影には便利。一方、それを合成して近景・遠景全てにフォーカスが合うというフォーカス合成機能は、マクロ撮影では輪郭がボケてしまったりするので、まだ発展途上か。面白い機能ではある。

・EM-1 Mark II で評判が高い、遅いシャッター速度での手持ち夜間撮影、G8 では2秒は苦しいが、1秒なら撮影可能であった。これはレンズ-ボディの手ブレ補正が連動しない Olympus レンズ - Panasonic ボディの組み合わせもあり、純正 Pana レンズにすると、Dual I.S. 2 の5段分の手ブレ補正効果を使える事になるのだが。

・残念な点を言えば、これはGシリーズだから仕方無いのだろうが、これが1600万でなく2千万画素 CMOS だったら、もっと高精細な写真を撮影出来たかもしれない、という事。拡大するとちょっと悲しい。もちろん m4/3 の限界もあるが、これは GX8 の様なフラッグシップで無い故か。次の GH5 には動画機能を含め大きく期待出来るはず。まあ、パソコンで扱うには丁度良いファイルサイズになるのは 1600万画素の利点。

まだ利用1日だが、機能も含めすっかり手に馴染み始めた。中野・大手町でロケした写真は以下でどうぞ。作例写真は、こちらに貯めて行きます。





2016年6月20日月曜日

[Review] HUAWEI P9 は LEICA アナログレンズのソフトウェア化を進める尖兵スマホだった

いつかは来るだろう、と想像していたカメラの近未来が、予想よりも少し早く到来してしまった。その突然の登場は、カメラ好きにとっては、Google に買収された DeepMind 社の人工知能囲碁プログラム AlphaGo が囲碁名人に勝ってしまった時に近い衝撃、と言っても過言では無いのかもしれない。

LEICA の伝統的な人気アナログ・レンズ、SUMMARIT (ズマリット)の LEICA らしいボケ味を、ソフトウェア的に実現してしまった。いつか LEICA の著名レンズ(SUMMARIT、SUMMILUX、ELMAR、SUMMICRON、NOCTILUX.....)の光学的特徴を、デジタルでリアルタイムに模倣するソフトウェアが開発され、「LEICA レンズがソフトウェア化する」未来が訪れる様な気がしていたが、それを LEICA 自身が先へ進めてしまったのだ。

HUAWEI P9 は、中国の HUAWEI 社とドイツの LEICA 社共同技術開発の、LEICA SUMMARIT 27mm f2.2 レンズが搭載され、カメラ機能が洗練された 5.2 インチ Android スマホである。

発表時に Dual Lens を備えた本端末を初めてメディアで目にした時には、てっきり 3D 撮影機能でもあるのだろうか、と思い込んでいたが、違った。二つのレンズは、正確な測距目的と、RGB のカラー CMOS センターが取り込む色の情報と、白黒専用 CMOS センサーが取り込む光と影の情報を分離するところに目的があったのだ。

この二眼の仕組みにより、焦点が合った部分の正確な把握が出来る様になり、それを利用して合焦されていない部分を人工的にぼかして、デジタル一眼レフの様な写真の仕上がりを可能としたのである。

カメラ以外にも、背面からの液晶操作機能まで備えた指紋センサーや指関節のタップ やジェスチャーを利用した操作機能など、各種先進機能を備えた最新スマホであるが、デジクマ・ガジェットレビュー的にはあくまで、カメラ機能に 限って見ていく事にしたい。

P9 という超薄型カメラ(あえてスマホとは呼ばない)は、購入時から LEICA との共同開発をアピールする。固めの 紙で成型された純白の箱の表面には、赤い LEICA ロゴと金色の製品ロゴが踊る。中に入っているのは本体と、USB Type-C の充電器とケーブル、そしてプラスチック製のクリアケース。まだあまりケースの種類が多く無い P9 なので、ケース付きで提供されるというのは有難い。

起動すると、まずはカメラ性能のチェック。マニュアルを読まずとも、複雑な機能を直感的に操作できるユーザーインターフェースには、カメラとスマホの専門2社のハイブリッド技術開発による工夫が感じられる。重要なのは、カメラとしての操作がカメラ中上級者でも満足出来る様に、充実している点。

液晶画面を上下左右にスライドすると、必要な機能が全て出てくる。その中でも重要なのが、画面を下から上にスライドすることで現れる Pro メニュー。測光モード、ISO、シャッタースピード、露出補正、AF 切り替え、ホワイトバランスを細かく設定出来る。そして、その操作もリアルタイムでサクサクなのである。スマホでここまで細かくカメラ設定出来る機種は Panasonic Lumix CM1や Nikon など一部のデジカメハイブリッドモデルにしか無かったのだが、ついに LEICA がそれを実現した。そしてその実現の仕方にかなりの本気が感じられて、驚いたのである。

HDR、白黒撮影、パノラマなどの撮影モードは、左から右へスワイプするとメニューが現れる。そしてさらに細かく、フィルムシミュレーションや解像度、RAW設定、水準器設定などを行う時には、右から左へスワイプすると設定メニューになる。

そして、本機で一番特徴的な擬似絞り設定機能「ワイドアパーチャ」は、Pro メニューではなく、通常の撮影画面上部左から二番目、に絞りマークのアイコンとして置かれている。頻繁に利用される機能ということで常時表示されているのだろう。実際、本日の作例写真撮影で最も多用したのは、この機能であった。

以下の作例では、最初の写真は f16 相当で全体にピントが合い、次の写真では f0.95 相当としてデジタル的にピントが合う範囲が狭い、撮影対象をくっきりと浮き上がらせる写真となっている。このカメラの実力は、これらの写真の対比から知る事が出来る。

尚、以下の写真以外にも多数、白黒写真を含め作例写真は flickr album に撮り溜めたので、こちらを参照頂きたい。デジタル化するレンズの実力を理解頂けるはずだ。

<f16 相当>



















<f0.95 相当>





















<f16 相当>
















<f0.95 相当>

















<f16 相当>




















<f0.95 相当>











































2016年5月22日日曜日

[Review] Panasonic Lumix GX7 Mark II、L. Monochrome の誘惑

Panasonic から Lumix GX7 Mark II (mk2)  が発表された時には衝撃を受けた。

Olympus PEN-F を導入してしまったばかりで、そのライバル機を後出しで、しかもコンパクトにまとめた良機を出して来たからだ。本体重量は実はあまり変わらないのだが、PEN-F には無い握りやすいグリップを装備し、背面液晶もシンプルな縦チルトのみ。(当方は、光軸とズレる、横に開くタイプのバリアングル式があまり好きでは無い。)そして、小さいながらもフラッシュを内蔵している点もグッド。

小型機になるとフラッシュを内蔵するスペースをデザインし切れ無いせいか、同梱の超小型付属品にするケースが多い(PEN-F もそうだ)のだが、まず持ち歩かないし、持ち歩いてもどこぞのカメラケースのポケットに入れて忘れてしまう事が多い。

高感度が強くなった昨今のデジカメではフラッシュは要らない、という人もいるかもしれないが、逆光の時や、アイキャッチの光を入れたい時、そして非常に暗い室内ではフラッシュが欲しい時がある。小さいながらも内蔵してくれている GX7 Mark II はその点でも嬉しいのである。PEN-F より先にコレが発表されていたら待っていたのに、と悔しがったのだった。

そして5月半ばとなり、遂に GX7 Mark II 正式発売。まずは機能詳細を理解したい、と思っていたら、近所のカメラ店で恒例のタッチ&トライのセミナーが開かれるとの事。講師は論理的な解説を得意とされる塙(はなわ)真一先生という事で、事前予約して本日日曜午後参加。

直前にカメラ店店頭で GX7 MarkII を触り、コンパクトさ、シンプルなボタン配置等にも惹かれたのだが、右手親指で操作する起動ボタンがやや固めで突起が小さく操作しにくい点、そして PEN-F と比較してややピントの山を見つけにくい EVF が気になり、購入するかどうか微妙な気持ちを抱きつつ、セミナーに参加した。しかし、本日のセミナー参加で、気づいていなかった本機の良さにも気づかされ、結局は GX7 MK2 をデジタル・ベアーズ1軍カメラ・チームに迎え入れる決断をしたのだった。


今回、セミナー後半のポートレート撮影を実践しながら、その効果を実感したのが、「顔・瞳認識 AF」。ピント範囲が薄い、大口径の明るいレンズを使った場合など、右・左どちらの瞳にピントを合わせるか、かなりシビアな選択になるのだが、本機では顔認識と同時に、どちらの瞳にピントが合っているか、顔認識の四角の中に縦横の線が現れ、視覚的にわかりやすくピントが合っている方の目を教えてくれる。そして、ピントを左右の目で変えたい時にも、背面液晶から目の上をなぞるだけで簡単にピントを合わせたい方の目に合わせてくれるのだ。これはポートレート撮影では効果を発揮する強力な仕組み。

更に、当方のカメラ愛を直撃した新機能はやはり、本機から採用の階調豊かな白黒写真表現が可能となる L. モノクローム。撮影メニューの一番最初にある「フォトスタイル」で、デフォルトの「スタンダード」から数えて右に5番目にこのメニューがある。この「L」については、Leica の L ではないか、など、諸説ある様だが、実際に作例をいくつか撮影してみると、陰影の出方にやはり味がある。作例写真に、中野の夕刻街角風景を中心に、多数の L. モノクロームでの撮影結果を入れてみたので、まずはこちらの flickr album をご覧頂き度い。白黒なので写真への好みは分かれるかもしれないが、当方はかなり気に入った。


そして、セミナーの最後で、その便利さを再認識させられたのが、Lumix TX1 でも採用されている 4K Photo 機能の 4K プリ連写。普通の 4K Photo 機能は使っていたのだが、実はこのプリ連写機能はあまり、使った事が無かった。シャッターの前後1秒を 4K ムービーで記録し、8百万画素・2秒で合計60コマの静止画をムービーの中から切り出して写真として記録出来る。忙しく動き回る被写体や意外な動きをする被写体の場合、例えば犬・猫・鳥の飛翔の瞬間撮影などでは、便利に使える機能だろう。こちらの作例写真は、当日モデルを務められた、片岡ミカさんが髪を跳ね上げられた瞬間前後のプリ連写の1枚。使ってみると、特に画面追随のスピードが光学ファインダーより遅い EVF (電子ビューファインダー)内蔵カメラでは便利な機能だと実感出来た。

塙先生の説明の通り、GX7 Mark II はボタンやダイヤルの設定を変えやすい点も特筆出来る。ファンクションボタンは長押しすることで、設定機能を直接変える事が出来るのである。また、押し込む事で露出補正を変更できる背面右上のダイヤルも、Menu から「カスタム - ダイヤル設定 - 露出補正のダイヤル割当」、で背面ダイヤルを選ぶと、押し込まずとも普通にダイヤルを左右に回すだけで露出補正を変える事が可能となった。通常撮影時は最も設定をいじる部分が露出補正なので、ワンプッシュが無いだけでも操作が楽になる。こういうショートカットはセミナーで教えてもらわないと自分では気づきにくいので大変有難い内容だった。

ということで本日のセミナーで GX7 Mark II の良さを実感、ずっと悩んでいた導入の決断に踏み切れたのでありました。主催のフジヤの皆様、協賛のパナソニックの皆様、お疲れ様でした。







2016年5月6日金曜日

[Review] Pentax K-1 研究5日目、実は工夫すると DA 18-55mm f3.5-5.6 AL レンズも利用可能

さて、フルサイズデジタル一眼、Pentax K-1 に各種レンズを装着しつつそのポテンシャルを地道に探る GW 期間集中プロダクトレビュー・シリーズも、本日で五回目。かなりカメラの操作にも慣れて、手に馴染んできた。途中3日ほど、長野に出かけてフルサイズ対応 FA 24-105mm f4-5.6 IF アナログカメラ用レンズで撮影し、Pentax K-1 の撮影能力の高さに驚いたが、再び DA レンズ・レビューに戻る今回、装着したレンズは安価な APS-C 標準レンズ、DA 18-55mm f3.5-5.6 AL

下取り価格も非常に安価なレンズなので、これは売らずに置こうと引き出しの奥にひっそり眠らせていたレンズだが、今朝、辛口カメラ評論家 田中希美男氏の CP+ 2016 Pentax K-1 徹底解剖セミナー動画(ちなみにこの動画、K-1 開発秘話から DA レンズの使いこなしまで、見所満載で必見です)を視聴していて、実は「制限付き」ながら、この安価な APS-C レンズもフルサイズの K-1 で使いこなしが可能と知った。そこで早速引き出しから取り出し装着、撮影テストを実施。

<18mm>
田中氏によると、18 - 24mm あたりでは APS-C レンズの広角端で見られるケラレも顕著で、実用にはやや厳しいと。撮影してみると、確かに広角では厳しい。こちらの作例も、ご覧頂き度い。最初のコマが 18mm の作例、次が 24mm の作例である。開放付近で撮影しているが、これはさすがに実用には厳しい。




<24mm>
18mm では円形に、そして 24mm では4隅が光量低下というより、かなり黒くつぶれてしまう様子が、作例写真からもおわかり頂けると思う。しかしそれが、28mm を超えたところから、35mm, 45mm, 55mm と撮影すると、四隅の光量低下も目立たなくなってくる。もちろん青空や白い壁をバックにすると、28mm 以上でも四隅の光量低下は顕著になるが、普通に撮影する分には、この 28 - 55mm のレンジは実用になりそうな撮影結果、である。

<28mm>













<35mm>













<45mm>













<55mm>














Pentax デジイチのユーザーであれば、この軽量 (225g) 標準ズーム・レンズを所有している人も多いと思われるので、軽装で出かけたい夏の散歩には、28-55mm f4-5.6 レンズ(28mm では開放値が f4 になる) と割り切って持ち歩くと便利かもしれない。上記田中氏の動画では、さらに軽量 (124g)・安価な DA 35mm f2.4 AL レンズ もほぼ問題無く Pentax K-1 で使える、との事で、気軽なスナップ派にはこのレンズが実は最適解なのかもしれない。うーん、35mm f2.4 を利用した撮影作例が気になるぞ、と。

Pentax K-1 と DA 18-55mm f3.5-5.6 AL レンズ作例写真は、こちらの flickr アルバムにまとめているのでどうぞ。各種撮影シーンでの、光量低下度合いがよくおわかり頂けるはず。














2016年5月2日月曜日

[Review] Pentax K-1 研究 4日目、中野フジヤカメラで FA 28-105mm f4-5.6 IF 中古レンズが超特価

ゴールデンウィーク Pentax K-1 研究もいよいよ中盤。Pentax DA レンズSIGMA DC レンズと、本来は APS-C 用のレンズをフルサイズに装着して使う、という変則的な使い方ばかりをしてきたので、そろそろフルサイズ用レンズで決めたい。連日近所のカメラ店のウィンドーの定期巡回をしていたところ、ついにノーマークだったレンズを発見。smc Pentax FA 28-105mm f4-5.6 IF 。すでに販売終了した、アナログ 35mm 銀塩カメラ時代の小型軽量 (305g) ズームレンズだ。

外観に傷はそれほど無いのだが、多少ホコリがレンズ内に侵入しているということで 中古品 B グレード、税込3,780 円の激安価格。新品時は 45,000円だったので、中古レンズとしては掘り出し物と言って良いだろう。シルバーの外装も価格に響いたのかもしれないが、それには目をつぶる、ということで。K-1 のセット推奨レンズとしてデジタル用の Pentax-D FA 28-105mm ED DC WR(ただし絞りは f3.5-5.6) レンズが有り、同じズーム焦点距離となっているが、今回の中古は WR (防水・防滴)機能が無いために、多少小型で、重量も少なめになっている。

IF (インナーフォーカス)なので、フォーカス時に全長が変わらないレンズ。もちろん、ズーム時には全長は変化する。4倍近いズーム倍率があるので、旅行の時などには便利に使えそうだ。注意点としては、FA レンズでフルサイズ用ではあるが、古い設計のせいか、白い背景で撮影すると、四隅に周辺減光が確認される。広角・望遠端、どちらでもそれは確認出来た。明るい空をバックにしたり、白い壁を撮影した時には目立つので、注意が必要かもしれない。

それにしても、なにしろ4千円もしないレンズなので、目くじらをたてるほどでは無いだろう。気軽に散歩レンズとして使う、といった用途が向いている。古いレンズだが、勿論 AF (オートフォーカス)はしっかり駆動する。今時のデジタル専用レンズほど速くは無いが、十分実用になるフォーカシング・スピードである。こういうレンズを見つけてしまえるのが、中古カメラ店巡りの楽しさだ。オンラインでも、このあたりで見つけられるので、ご興味の向きはどうぞ。

描写性能は勿論単焦点の明るいレンズが優っているが、気楽に、総重量を軽くして出かけたい時にはこういうズームも良いだろう。アナログ時代の FA レンズ中古は、今後ともチェックして行きたい。

本レンズでの作例は、これまで同様、flickr のアルバムに貯めて行く事にする。Petax K-1 フルサイズ・デジタル一眼の楽しみは、こうして新旧多くの K マウント対応レンズを試す事が可能な点。K-1 レンズ沼は、まだまだ深い。

(追記)作例写真にも追加したが、連休で出かけた軽井沢、遅い春を迎えた避暑地の新緑の眩しさ、そして遠くに望む浅間山への奥行き感、4千円もしない旧い FA レンズで巧みに描写されている。この懐の深さが K-1 たる所以か。撮影結果を眺めて驚いた次第。



[Review] Pentax K-1 研究3日目、SIGMA 30mm f1.4 DC ART レンズを装着して新宿 NEWoMan へ

ゴールデンウィーク期間ならではの、本来週末ブロガーの私がブログ連投でレビューする Pentax K-1 関連記事第三弾は、SIGMA 30mm f1.4 DC ART レンズ装着。あれ、これも APS-C 対応レンズ。この前記事の DA 40mm f2.8 XS レンズ同様、本来はフルサイズ対応はしないはず。しかし装着してみると、妙に Pentax K-1 との重量、そしてデザインバランスが良い。ええいまずは使ってみようと、本レンズを K-1 ボディに装着して本日は新宿へ。

ちなみに先に書いておくと、前出の 40mm よりも、30mm と画角が広がる本レンズ、良い子の利用はオススメせず。明るい空を背景にしたり、白い壁を撮影すると、確実にケラレ、周辺減光という事態に陥る事必至。作例写真にもそれが顕著に出現。しかし、暗い場所や、うまく四隅を隠すと、それなりに写る事も。あくまで「既に本レンズを持っている人」とか、「SIGMA レンズを K-1 に合わせたいのだけど、f1.4 の DG 系単焦点レンズはちょっと大きくて重いので...」という、非常に特殊な用途向けになるので、その点は御理解の上、自己責任のトライの記録、として以下はお読み頂ければ、と。

それにしても、Pentax K-1 に組み合わせると、まるでこれが標準レンズかと思うほどのデザイン・マッチ。SIGMA のフルサイズ用 DG レンズがこの大きさであれば、と悔やまれるが、空を背景にすると、四隅のケラレはやはり厳しい。周辺減光だけにとどまらない。しかし気を取り直して、まずは街中の写真をパシャパシャと。撮影を進めると、本レンズでの構図作りのコツも見えて来る。周辺減光も、本レンズの味の一部、と割り切ると俄然、面白くなるのである。レンズ中央の解像はなかなかだし、オールド・レンズを使っている様な風情を、特殊な後編集必要無しで作り出せる、と思えば楽しいレンズになるから不思議だ。

Pentax K-1 では、DA 40mm f2.8 XS レンズ装着時にもその様に設定したのだが、クロップモードを auto から FF (フルサイズ) に設定することで、APS-C レンズを装着しても、自動的に画面中心を切り出すクロップモードには移行しなくなる。この自由度は Pentax らしくて有難い。かくして、Pentax DA シリーズや、SIGMA DC シリーズの APS-C 用レンズを(オススメはし無いが)無理やりフルサイズで使う事も可能になる訳だ。

本日は映画を見て、その後ずっと気になって居た新宿・新南口のバスターミナルへ。バスタ新宿と、ショッピング施設 NEWoMan (ニュウマン)の見学。ずっと工事が続いていた新宿駅、久しぶりに新南口に来ると白を基調とした明るいデザインの素晴らしい複合ターミナルになっていて、これが同じ場所かと驚くやら感心するやら。ゴールデンウィークの人波はあるものの、午後8時を過ぎるとそれも緩やかに。

ショッピングの場所は女性向けのお店が圧倒的に多いが、どれもお洒落で、開放的。午前4時まで開いているレストラン街は、大人の社交場的クール・モダンな、落ち着いた雰囲気で好感。これはぜひ、遅い時間にまた来てみたい。

本日の Pentax K-1 と SIGMA 30mm f1.4 DC ART による作例写真は、こちらの flickr アルバムにアップロードしたので、よろしければ御参考のほど。






2016年5月1日日曜日

[Review] Pentax K-1 研究2日目、DA 40mm f2.8 XS ビスケットレンズを装着して六本木へ連れ出す(作例写真有り)

連休中の Pentax K-1 自腹研究 Day 2。まだフルサイズ K マウント用手持ちレンズが無いので、とりあえずはフルサイズでも使える DA レンズの中から、一番薄くて軽い DA 40mm f2.8 XS ビスケットレンズを装着、更にグリップ撮影用のハンドストラップを取り付けて、街中スナップ・スタイルに仕上げ、六本木の国立新美術館で開催中のルノワール展へ。52g と超軽量レンズなので、ほぼ本体重量の 1kg ちょっとで、フルサイズ撮影可能なデジタル一眼スナップシステムが出来上がった。ちなみに、Pentax では随時、K-1 とこれまで発売されたレンズの相性を作例写真込みでオフィシャルサイトで公開しているので、こちらも参考にされると良いかもしれない。

本日の撮影は、スナップ中心ということで、ほぼカメラ任せで撮影可能な緑色の Auto、シーンアナライズ・オートモードを左肩のダイヤルで選択。すると、RICOH が開発したという、Deep Learning 技術を応用した画像認識アルゴリズムのアシストで、適切な撮影制御が行われる、との事。おおぅ、遂にデジイチも A.I. 技術応用開始ですか。ただ、さすがの Auto モードでも、HDR 迄は自動生成してくれないので、まずはスマートファンクションダイヤルで HDR を選択、オンにして撮影してみる。1シャッターで複数回の撮影が行われ、ものの数秒で HDR 画像を合成。うむ、なかなかスムーズ。作例写真の鯉のぼりが風にはためく画像などでは、動きが激しいので複数画像のゴーストも残ってしまうのだが、これも一つの撮影技法と考えて意図的に実践してみると、ダイナミックで面白い残像効果が得られる。

六本木と乃木坂の間にある国立新美術館は、大きなガラス壁面を採用した近代的な建築なので、建物内でも光と影のコントラストが強いのだが、Auto モードはそれを上手に認識して適正露出を探り出してくれている様だ。Pentax K-1 を始め、Pentax のデジイチはシャッターボタンまわりに電源スイッチがあるので、スナップ写真の撮影には非常に具合が良い。被写体を見つけると、グリップにハンドストラップで固定した右手人差し指ですぐに電源オン。その次の瞬間には撮影に移れる。

電源スイッチをシャッターから離れた場所に設定しているメーカーが多い中で、Pentax のデザインは一貫して居り、シャッターチャンスを逃さない。久しぶりに Pentax のデジイチに戻って、その良さを再確認出来た。アナログなボタンやダイヤルのデザインが、全て良く考え抜かれている印象だ。重要な撮影設定の殆どを、アナログ UI から実行することが出来る。デジタルなメニュー階層の奥に複雑にしまわれている機能だと、せっかく有用な機能なのに一度も使わず、というケースが多いが、Pentax K-1 では積極的に本機のフル機能をユーザーに使わせるべく働きかける UI になっているのである。

本日撮影した作例写真は、こちらの flickr アルバムにまとめたので参考にして頂き度い。最高画質の JPEG で、3.1 - 8.8MB 程度のファイルサイズだ。フルサイズ撮影可能なデジタル一眼だが、RAW 撮影でなく JPEG で撮影すると、Mac / PC でも扱いやすいファイルサイズに収まる。

まずは DA レンズで撮影したが、こうなるとフルサイズ用のレンズも1本は欲しくなる。D FA 28-105mm f3.5 - 5.6 レンズは辛口プロ写真家の評判も良い様なので、やはりこれを手に入れるとするか...。しかし、海外のサイトなども見ながら1点気になったのは、内外価格差。Pentax K-1 ボディは発売当初で日本国内価格税込25万円強だが、米国での販売価格は約 US$ 1,800。D FA 28-105mm レンズも、日本では7万円弱のところが US$ 500 程度。連休で為替が US$ 1 = 106円程度にまで円高に動いているので、海外で買うのもアリかな、と思ってしまった次第。ううむ、アップルの様に為替に敏感になってほしいぞ RICOH - Pentax。




2016年4月30日土曜日

[Review] Pentax K-1 研究1日目、APS-C の K-01、フルサイズの Canon EOS 6D と比較してみる

世の中どうも、風の噂ではタダで製品を配って口コミに載せるマーケティング手法もいまだに横行している様ではあるが、苦しみつつもあくまで「自腹レビュー」にこだわるデジタルベアー・デジカメ研究所、ゴールデンウィークお休み期間中の研究材料として新たに Pentax K-1 を導入した。 

充電作業をしながら、まずは既に持っている複数のデジカメと比較してみる。装着レンズは当方手持ちレンズでは数少ない Pentax K マウント対応の DA 40mm f2.8 XS。極薄パンケーキレンズだが、実はフルサイズでも使えるとのこと。(デジカメ info に、DA 単焦点の中でフルサイズ対応可能なレンズリスト有り。DA ズームレンズはクロップ対応なのでご注意を。)

まずは、本パンケーキレンズがデフォルトで装着されていた、Pentax K-01 との比較。Marc Newson 氏デザインの未来志向デジカメは、カメラ業界でも珍しい APS-C CMOS を備えたミラーレス機。型番に 0 がひとつ入るだけで、トラディショナルな一眼レフデザインの K-1 とは全く違った趣の外観になっている。K-01 やその後発売した K-S1 で従来とは全く違う未来的なデザインを試した結果、再びフラッグシップのフルサイズ機 K-1 ではアナログ機に連なるオーセンティックなデザインに回帰。利用するユーザーの方が、これぞデジイチ、という概念を捨てきれていないから、なのかもしれない。

個人的には、Apple Watch もデザインした Marc Newson が手がけた、ボックス型でポップな K-01 デザインも大好きなのだが、K-1 のどっしりとしたフラッグシップ的威厳が漂うデザインも良いと思う。ペンタ部の大きさが上から見ても際立っている。一方で握りやすいグリップデザインも秀逸だ。今回、K-1 の特徴的操作 UI として加わったのが、二つのダイヤル操作を基本とする、スマートファンクション。これまで必ず背面メニューで設定していた項目のうち、頻度高く設定を変える項目は、ほぼ中央ペンタ部右側のダイヤルと、右端の親指で操作し易い位置にあるダイヤルの組み合わせで操作が可能になっている。直感的に分かりやすく、練られた操作体系となっている。

そして、フルサイズ・デジタル一眼(デジイチ)同士の比較。当方はこれまで、Canon EOS 6D が電池・メモリー込み重量 755g とフルサイズの中では軽いのでずっと愛用して来た。これからも EOS 6D は SIGMA レンズ資産もあるので使い続ける事になるだろう。

Pentax K-1 は EOS 6D と比較し、重量的には装備重量が 1,010g と若干 1kg を上回る。ずっしりと、塊感のあるボディに仕上がっている。ペンタ部のホットシュー位置などのデザインもあるのかもしれないが、同じ光学ファインダーを備えた機種でも、上から見るとかなり異なるデザインに仕上がっているのがわかる。レンズは双方とも、フルサイズ対応可能な 40mm f2.8 レンズを装着してみた。Canon 製 EF レンズも相当小型だが、DA XS レンズの薄さはありえないレベルに到達している。パンケーキレンズ好きとしては、それぞれ捨てがたい。

高さを比べてみると、総質量では 250g 強重いはずの K-1 の方が低めになっている。そのかわり、厚みはスリムな EOS 6D よりかなりある印象だ。背面のフレキシブルチルト式液晶モニター構造も厚みに貢献しているだろうが、低重心のせいか、持ち上げてみると、「本当に 1kg あるのか?」という実感ではある。しかし、1日持ち歩くと、6D との重量差はじわじわと効いてくるはずだ。これについてはフィールドテストで確かめてみるとしよう。通称「ビスケットレンズ」とも称される、薄型で 52g しかない DA 40mm f2.8 XS 単焦点レンズは、重いボディの総重量を軽減させる効果もあって、フルサイズにも対応する、意外に面白い組み合わせである。

星の撮影を本格的に行える GPS / コンパス / アストロトレーサー機能の内蔵、ISO 204,800 の超高感度対応、なんと5段分の補正効果を持つ5軸手ぶれ補正、などなど、Nikon や Canon のフラッグシップ機と比較するとずっと安価な Pentax の旗艦デジイチは、想像を絶する機能の全部入り、である。研究材料として、これ以上のものは無いだろう。連休を利用して少しずつ、その実力検証を続けてみる事にしたい。






2016年4月25日月曜日

[Review] Canon PowerShot G7X Mark II vs G7X、先代より新機種が激しく進化していて驚かされる

満を持して発売された、Canon PowerShot G7 X Mark II。1インチ CMOS を備えた小型ハイエンド・コンデジの中でも大ヒット製品となった G7 X の二代目が、横浜 CP+ での展示を経て、遂に登場した。以前G7 X ユーザーだった当方としても、非常に気になる新機種、早速近所のカメラ店店頭で、その進化ポイントを現場でチェックしてみることにした。

新旧二台を並べて気づくのは、なんとロゴ位置の変更。G7 X のロゴが、先代ではフロント下部に、新機種 Mark II では上部に。同じ機種名を持つ新旧世代間のロゴ位置変更は珍しいのではないだろうか。一方で、Mark II の文字は前面には見当たらず、天井部に薄く記述されているだけである。控えめといえば控えめな、新機種アピール方法。

そして外見上、誰でも最初に目に入る大きなデザイン変更は、グリップの追加。以前の機種でも、当方は両面テープで装着する小さなゴムグリップを取り付けて利用していたので、この変更は嬉しいところ。更に良く見ると、コーナーの面取りが変わっている。狭い丸型のコーナー・デザインが、広めの面取りに変わり、これも全般的な握り易さに貢献しそうだ。エルゴノミクス・デザインが新機種では多く採り入れられた、ということだろうか。この変化に伴い、ボディ表面の材質も変わっている。先代の方が高級感ある素材にも見えるが、Mark II は滑りにくさ、では上と言えるだろう。ぱっと見では以上の変化が施されている事が、わかるが、詳細に眺めると更に多くの発見が。




上から見ると、いくつかまたデザイン変更点が。上記の面取り変化にあわせて、フラッシュ形状は左上角が丸くなる形に。さらにポップアップしてみると、少しフラッシュ位置が前進している。これは発光時の光の蹴られを防ぐ対策なのだろうか。そして理由は不明だが、軍幹部右手に、マイク部分を少し盛り上げる様に斜めの線が引かれた。指先でその下の電源ボタン位置を探すには、良い導線となっている。

更に、当方的には地味な変更なれど一番注目したのだが、右手のモードダイヤル・露出補正ダイヤル設置位置が、新機種では若干後ろ目になっている。ダイヤルのクリック感も、ややスムーズ目となり、親指の腹での回し易さが著しく改善した。フロント部にグリップを搭載したので、後ろの部分の構造は逆にスリム化し、握り易さアップ。これは是非新機種テスト時に触ってチェック頂きたい重要な変化だ。撮影時、最もハイアマチュア・ユーザーが利用しそうな露出補正ダイヤルの使い勝手に大きな改善が加えられているのは有難い。


Mark II の進化はまだまだ続く。先代では上にしか開かなかった背面液晶が、引き出して、下向きにも動く様になった。ハイアングルからの撮影が、これで非常に実行し易くなっている。この改善を行いながら、レンズ先端部までの厚みで比べると、それほど大きくなっていない点は流石だ。ここまで違うと、Mark II というよりは G8 X と呼びたい位の進化があると言って良いのかもしれない。


新旧本体をいじり回しているうちに、もうひとつ大きな変更に気づいた。レンズ下の、この斜めに切られたボタンは何だろうか!?操作してみてわかったのだが、レンズ周囲にあるコントローラーリングのスムーズ / クリックを切り替えるスイッチだった。フォーカスリング的に使う際にはクリック感をなくしてスムーズに。絞り優先モードで絞りを変える際には、あえてクリック感を持たせて。この操作感変更をシンプルに行える機構は素晴らしい。そして、コントローラーリング周囲のローレット(ギザギザ)も、より細かく、高級感のあるデザインに変更されているのである。各所なかなか、芸が細かい。

大きな変更点は以上でほぼカバーしたが、右側面にもマイナーだがデザイン・チェンジを発見。これは、新機種が USB 充電に対応した(ブラボー!)事にもよるのだろうが、USB 部分の端子だけを開けられる別蓋構造になった。利用頻度が多い蓋部分なので、これも良い変更と言えるだろう。そして、その下の WiFi 起動ボタンのデザインが、スマホ・マークから、電波を模したマークに変更。スマホだけではなく、固定 WiFi 基地局につなぐ事もあるだろうから、この変更が正しいのだろう。側面から見ると、控えめな突起に見えるグリップ部だが、その握り心地は非常に良い。いやしかし、よくまあこれだけの改善を Mark II に与えたものである。全く新しい筐体を作り上げた、と断言しても良いだろう。

進化は外見だけに留まらず、勿論中身にも。夜景撮影に便利な裏面照射型の CMOS に変更され、映像エンジンも DIGIC 6 から DIGIC 7 にアップグレードされている。夜景でのノイズ除去能力が向上し、手振れ補正の効きも3段から4段分に。試しに開放 f1.8 の広角端で、先代と新機種 Mark II を撮り比べてみたが、ボケ味の出方も全く違う。これも映像エンジンによるものなのだろうか。それともレンズに多少の変化が加えられたのだろうか。開放絞りでの新機種のボケ味が、あきらかに味わいの高いものに変わっている。これも店頭チェック時には是非 A モード(絞り優先モード)にセットして、確かめて頂き度い部分だ。

そして、実際に撮影してみると分かるのだが、シャッターボタンにも外見だけではわからない大きな改善が加えられている。比較的弱い圧力でシャッターを押し下げても、パシャっと稼働する。半押しの感覚がその分先代より薄くなっているが、このフェザータッチなシャッターボタンは、スナップを連続撮影するには強い味方だ。シャッターチャンスを逃しにくくなる。AF が高速であるからこそ出来る変更であると言えよう。

以上、まずは店頭で目に付いた変更点を探ってみたが、正直驚くほど良くなっている。発表されたばかりで、まだ税込実売7万円台半ばの値付けだが、7万円を切ったあたりで相当人気が出てきそうな予感がする。PowerShot G7 X Mark II という名前の、実は全くの新機種。これにはCanon 技術者のデザイン魂を感じた次第。買って損は無い感じです。