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2017年12月30日土曜日

Digitalbear's Gadget of the Year 2017 (7)ベスト・ガジェット・オブ・ジ・イヤー 2017 は SIGMA 14mm f1.8 DG Art レンズに!!


年末休みを利用し、7回に分けて発表して来たデジクマ的ガジェット・オブ・ジ・イヤー。遂に孤高のベスト・ガジェット・オブ・ジ・イヤー2017の発表の時が。相当悩んだ結果、そのずば抜けて高い光学性能に敬意を表して、SIGMA 14mm f1.8 DG HSM Art レンズに最終決定。SIGMA 社自ら「異次元の視覚体験を可能にする真のハイスピードレンズ」と銘打っている通り、CMOS に焼き付けられる映像は、撮影者の情緒にダイレクトに訴えかける様な、美しい背景ボケと、魚眼レンズ並みの焦点距離なのに歪まない直線。まさに奇跡の様な映像美。

ともかく全てが新鮮で、驚きの連続を生み出すレンズなのでありました。これこそ、現在のスマホ・カメラ技術では絶対に実現出来ない、フルサイズ・デジイチ(当方は Canon EOS 6D を利用)ならではの表現世界。デジカメ市場・レッド・オーシャンでの差別化も明確。

レンズ購入のきっかけはやはり、中野フジヤカメラで実施された、SIGMA 社のレンズお試し会。

尊敬するぶらぶら散歩カメラマンの三井氏が絶賛する135mm f1.8 DG HSM Art レンズ(三井氏の Nikon D850 + SIGMA135mm レンズ・レビューは、こちらの記事ご参照)とともに(当方の 135mm レンズ作例写真はこちらの flickr set を御参照ください)中野の裏路地でテスト撮影を行い、その性能に驚愕。

早速中野フジヤカメラで 14mm f1.8 レンズを買い求め、その後東京駅前の朝、夜景も撮影し、本レンズが創造する新しい映像世界に感動することしきり。本レンズの作例写真は、こちらの flickr セットをぜひご覧頂きたく。唯一無二の超広角で美しい背景ボケを楽しめる撮影は、狭い東京の街角を徘徊する路地裏散歩写真家の当方にもピタリ。撮影結果の写真を見る度に感動する、という、最近では珍しい程の表現力を誇る、ハイスピード超広角レンズなのでありました。

しかし、当方的にはベストなレンズでも、冷静に考えると大きく重く(最大径 95mm、重量はレンズだけで 1,120g)「あなたにとってベストなガジェット」では無いかもしれません。本レンズの購入を検討される際には、ぜひ実物を店頭で試してみることをおすすめする次第。でもやっぱり最高なんです、このレンズ。

2017年のデジクマ的ガジェット・オブ・ジ・イヤーは、これにて終了です。当方の駄文をここまでお読み頂き、ありがとうございました。

皆さん、素晴らしい最新ガジェットの登場が控える2018年も、健康に、そして楽しみにお迎え下さい。(2017年12月30日深夜、自宅にて、デジクマこと南)

Digitalbear's Gadget of the Year 2017 (6)デジタルカメラ本体編

2017年、デジクマ的ガジェット・オブ・ジ・イヤー、いよいよフィナーレへ。近年のガジェット・レッド・オーシャンは間違い無くデジタル・カメラ本体。激しい戦いのフィールド。レッド・オーシャンは二つの戦場で展開されている。一つは、スマホ・カメラからの突き上げが激しい、コンパクト・デジカメ市場。iPhoneX の様な、小型だが液晶画面が大きく、二眼レンズでズームが出来、背景ボケのデジタル生成まで可能なスマホ・カメラが登場した事で、コンデジ市場は瀕死状態。カメラ店の店頭を見回しても明らかに、製品数が大幅に減少している。カメラ・メーカー的には 1-1.5インチサイズの大型 CMOS の搭載で差別化を図ろうとしているが、高倍率ズームの採用など、スマホ・カメラとの明らかな違いを示す必要性がより高まった2017年だった。そして二つ目の戦いは勿論、中〜上級デジイチの市場。Nikon D850、Sony α7R III、α9、Canon 5D MarkIV 等、30−40万円以上もする価格帯で高級デジイチがしのぎを削る。二つ目の上級デジイチの市場については、次のエントリーで触れるとしよう。

ルーキー iPhoneX の潜在能力の高さを知って、デジタル・ベアーズ・デジカメ1軍チームからも、高級コンデジと呼ばれたジャンルが姿を消しつつある。GRII が消え、G9X MarkII が去り...やや寂しい状態の中で、テコ入れを図った分野が、小型ミラーレス。コンデジほど小さく軽くは無いが、デジイチより軽く、レンズを2−3本携行しても、持ち出しが苦にならない。そして映像エンジンのブラッシュ・アップや交換レンズの圧倒的な光学パワーで、スマホ・カメラとの仁義なき戦いを勝ち抜こうとしている。昨年はマイクロ・フォーサーズ中心としていたが、今年は FUJIFILM から X-E3 という小型・軽量機種が登場。使い勝手は背面に AF ポイントを自由に変えられるジョイスティックを採用、上級機種と同じ CMOS・映像エンジン採用で強力にアピールした。23mm f2 レンズ(フルサイズ換算 35mm)の高性能・コンパクトさも有り、ミッドフィルダー的役割を担う万能選手として活躍している。詳しくは、当方ブログの10月のエントリー、「[REVIEW] FUJIFILM X-E3 は現行機種最高レベルの小型ミラーレス・デジカメだった」をお読み頂き度い。ミラーレスカメラ、色々あるがどれにしよう、と悩んで居られたら、FUJIFILM らしい映像エンジンの色再現性の美しさもあり、ビギナーから中級ユーザー迄、強くオススメ出来る1台だ。

そして、デジイチのジャンルの中で、もうひとつ当方の心の琴線に触れた1台は、ネオ一眼と呼ばれる、交換レンズを不要とする高倍率固定レンズカメラのジャンルから、Sony CyberShot RX10 Mark IV(RX10M4)。最近の Sony は1インチ・デジカメの市場で毎年の様に新モデルを送り出して居るが、RX10M4 には、かなり響くものがあった。前機種から比較し、AF 合焦速度がデジイチのαシリーズ最新機種並にスピードアップされたのだ。そして、最大ズーム焦点距離は 600mm。野鳥の撮影を行う時、300mm 望遠ではちょっと不足感がある。やはり 600 - 800mm 程度は「最低でも」欲しい。そして明るいレンズでないと、高速移動・動作する野鳥撮影ではブレが生じる。だがデジイチで明るいレンズを装着すると、かなり長く、重いレンズになってしまうのだ。RX10M4 はレンズ・ボディ合わせた重量は約 1.1キロと軽くは無いが、f2.4-4 の 24-600mm 広角〜超望遠ズームレンズを装着していると考えると、野外に持ち出す気持ちにさせるカメラなのだ。

詳細は当方の11月のブログ・レビュー「[Review] ネオ一眼 Sony CyberShot RX10 Mark IV は iPhoneX を補完する万能デジタルカメラ」を参照頂きたいが、 iPhoneX に無い部分を補い、一台でほぼ全ての撮影シーンをカバーする、万能感の高いリベロ的役割のカメラである。特に超望遠領域での威力は素晴らしい。

コンデジ新製品ではスマホに勝る魅力を備えたパンチ力のあるデジカメ登場が無かったのは残念。しかし、海外市場を見渡すと Light L16 の様に新規性があり、カメラ好きする機能と小型軽量を兼ね備えた新ジャンルのカメラも開発されている。カメラメーカーは、知恵を振り絞り、クラウドサービスを組み合わせた形で、新しい開発提案を行って行かないと、あっという間に時代に取り残されてしまうだろう。

もちろん、利ざやが大きい中・上級機種の戦いのフィールドで、生き残りを図るという考えもあるだろう。しかし、重く大きいカメラは、決して万人のものではない。スマホの厚みと処理能力で実現できる技術を十分理解した上で、独創的なカメラ創りを目指して頂きたい。

Digitalbear's Gadget of the Year 2017 (5)デジタルカメラ用品、交換レンズ編

デジクマ・ブログ恒例の年末ガジェットの祭典、そろそろ終盤へ。お待たせしました、当ブログの熱心な読者の皆さま待望の(!?)デジタル・カメラ用品、交換レンズ部門。デジクマ・ガジェット・オブ・ジ・イヤー 2017 中のいぶし銀の製品群。ベスト・オブ・ガジェット 2017 の発表も近づいているので、しばしお待ちを。

今年から利用頻度が急激に増えたカメラ用品は、米 PeakDesign 社関連製品カメラ・ストラップから、機能性に優れたカメラ・バッグまで、もはや同社製品なくして当方のカメラ・ライフは成り立たない程に同社製品漬けになってしまった2017年であった。同社がアンカーリンクと呼ぶ、丸いプラスチックに強力なストリングを閉じ込めたフックをカメラ本体側に装着するだけで、簡単にカメラ・ストラップを脱着出来る様になる。当方の様に複数のカメラを用途に応じて使う場合、カメラ毎にストラップを用意する必要が無くなり、大変便利。脱着は丸いプラスチックを上から親指で押してスライドさせるだけ。一瞬だ。それでいて強度もあり、一度使うと虜になる。カメラ本体、レンズ、そして iPad まで効率的に収納出来、海外での盗難対策までジッパーに施しているスリング・バッグ、Everyday Sling 10L も手放せない。これら製品の詳細は、当方の1月のブログ・エントリー「[Review] Peak Design 製のカメラ用品は、カメラマン視点から全て実用性重視で作られている」でじっくりお読み頂きたい。

この分野は製品数が多いので、もっと書きたい事はあるが、次へ。いよいよレンズ部門。当方が厳選した2本のレンズは、フルサイズ CMOS の EOS 6D でも活用出来る SIGMA 24-70mm f2.8 DG Art と、Canon EF 70-300mm f4-5.6 IS II USM。

まずは、7月に発売されたSIGMA 社製の明るい標準ズーム。詳細は、当方のブログ・エントリー「[レビュー] 七夕の日発売の SIGMA 謹製「彦星」レンズ、24-70mm f2.8 DG Art」で御確認頂きたいが、全焦点域で美しいボケを楽しめるレンズだ。1kg 強と少々重さもあるレンズだが、最短撮影距離も全焦点域で 37cm を確保し、被写体に寄っての撮影も可能。万能なレンズで、失敗出来ない重要な仕事の撮影の際に欠かせない。2017 年を代表するレンズの1本として、デジタル・ベアーズ・デジカメ1軍チームのトップに定着。

もう1本の望遠ズーム Canon EF 70-300mm は、同じ焦点域のレンズの改良版。Nano USM 駆動で AF がグッと速くなり、狙った獲物を逃さない。気軽に使える望遠レンズとして、アウトドアの撮影で威力を発揮。詳細は、本年1月の当方ブログ・エントリー「[Review] Canon EF 70-300mm f4-5.6 IS II USM を井の頭公園で試写レビュー」をご覧頂き度い。価格コムでも、2017年のプロダクトアワード金賞を受賞する程の、人気のレンズとなっている。実売5万円ちょっとで、これだけ使えるコストパフォーマンスは、注目して良いだろう。暗所に強くシャッター音が静かなフルサイズ・カメラ、Canon EOS 6D シリーズと組み合わせると、カンファレンス会場での撮影等でも、レンズ内手ブレ補正効果もあり実用になる。

デジカメ用のレンズというのは、これ程までに光学的、デジタル的な技術革新をし得るのか、というファクトが、実際に使ってみることで良くわかる2017年であった。何度か店頭で試写をお願いしても快く対応してもらえた近所のカメラ店、中野フジヤカメラ、そしてフジヤでレンズ試用フェアを数度開催してくれた SIGMA の営業さんのおかげで良いレンズに巡り逢えた事を付記しておきたい。

2017年12月29日金曜日

Digitalbear's Gadget of the Year 2017 (4)Apple iOS 端末編

このジャンルはもはや、スマホでもタブレットでもなく、Apple 社の iOS 端末製品一色、となった1年でありました。今回はもう Apple 関連製品が多すぎるので商品分類にも加えなかった Note PC 領域では、OSX の MacBook Pro 13インチも仕事用に追加、仕事で使う端末はオフィスの Windows PC 以外、文字通り Apple 製品だらけに。林檎教信者としては清く正しく過ごした 2017年と言えましょう。

iOS 端末としては、順当に iPad Pro 10.5 インチを6月、iPhoneX を少し発売日から遅れて11月に導入。(詳細は当方のブログエントリー「苦難の iPhoneX レア店頭在庫入手までの道のり」ご参照)iPad Pro 10.5 インチはこれまでの iPad の中で最高と言える性能とバランスの良さで、ついに海外出張では(内蔵 SIM が使える利便性もあり)MacBook を持たず iPad と iPhone だけで出かける迄に。なぜか SIM 内蔵可能な MacBook を小型製品であっても投入しない Apple 社は、屋外・移動中は iOS 製品を使って欲しい、というメッセージを投げかけているのだろうか。

iPhoneX は、小型筐体ながら背景ボケ写真を撮影可能で、カメラ性能を重視するが故にiPhone6s Plus、7 Plus といった筐体が大きな iOS 端末を使わざるを得なかった我々スマホ写真カメラマンには福音(詳細は当方のブログ・エントリー、「[Review] iPhoneX 内蔵カメラで撮影する秋景色(作例写真多数)」ご参照)となった。今見えているアプリの範囲内では Face ID 機能は指紋で解錠する Touch ID と比較し冗長だが、将来はきっと AniMoji 以外にも True Depth のセンサーを活用可能なアプリが更に登場して、便利さに気づかせてくれると信じたい。

教祖 Steve Jobs 没後6年が経過し、気になるのは革新的なテクノロジーをスピーディに採り入れるという、かつての挑戦するエンジニア達の姿勢がやや見えにくくなり、技術的安定志向へと、米アップル社としてのリソースがより多く振り向けられている様に感じられる事。スマート・スピーカー HomePod の発売も2017年末の予定が来年に延期され、iPhoneX 発売も iPhone7 と機能が近い iPhone8 シリーズとの併売になるなど、ユーザーの目から鱗が落ちる様な大胆な技術革新が減り、大企業然とした姿勢が目立つ様になっている。大企業故に失敗すると大きな訴訟を受けるリスクはもちろんあるので慎重になっているのかもしれないが、以前からの林檎教信者たちは、それだけではない、大企業でありながら驚くほど大胆な Apple の再来を待っている。

Apple 社のドーナツ状の新社屋、アップル・パーク関連の仕事に注力していた CDO (チーフ・デザイン・オフィサー)のジョナサン・アイブが、製品デザインチームのリーダーに復帰する、というニュースは、2018年の尖った Apple 製品復活を期待させる、とまあいろいろ言いたい事もあるのだが、iPad Pro 10.5インチ、そして iPhoneX は良い製品でした、という 2017年のアップル製品総括。


Digitalbear's Gadget of the Year 2017 (3)Smart Audio 編

さあ、輝く 2017年デジクマ・ガジェット大賞もいよいよ中盤。ガジェットと言えば外せないオーディオジャンルから、今年はスマート・オーディオを選定。

まずは、前出のスマート・ウォッチ、Apple Watch Series3 とペアで使うのに最適で、今年11月に発売された、BOSE の Bluetooth ステレオ・イヤホン、SoundSport Free Wireless を秀逸なガジェットとして選出。


詳細なレビューはこちらの当方ブログ・エントリー、「[Review] BOSE SoundSport Free Wireless は耳から外れない左右独立型 BT ステレオイヤホン」を参照頂きたいが、Apple 純正の AirPods と比較し、外形はやや大きくなるが、スポーツでの利用を想定していることで、激しく動いても、耳からの外れにくさは群を抜いている。特に、当方の耳の形状は、AirPods に合わないらしく、運動をせずに座っている時でも、自然にイヤホンが抜けてしまう。

しかし、内耳に引っ掛ける構造を持つ BOSE のイヤホンはそんな当方でも安心して使える抜群の安定感。通勤の友、スポーツジムの友は、最近は BOSE で固定された。Apple Watch3 と直接 Bluetooth 接続出来るので、音楽はスマホでなく腕時計から無線で聴く、そのスタイルが iPhone を携行している時でも身についてしまった。

屋内でも屋外でも、音楽を無線でフリースタイルで着こなす、本格的な手ぶらオーディオ時代が、2017年後半から始まったのである。ケースがやや大きいのが気になるが、1充電で5時間再生が可能なので、通勤にはケースすら持ち歩かなくなってしまった。電車の中で聴くだけなら、ケース無しでも十分使いこなせる。Apple Watch3 の画面でプレイリストや曲名を選択、音量調整も Watch のクラウン(リューズ)を回す事で楽々。外出時に手放せない組み合わせに。

スマートな AV 機器、というと、今年後半にやっと日本でもAI をクラウド側で活用可能なスマート・スピーカーが発売となった。同音異義語が多い日本語は、音声認識、入力された命令の意味解析が大変だったからだろうとは思うのだが、米国市場での英語版の発売からかなり遅れての登場となった。米国市場では Amazon Echo / Alexa の評判が高いので試そうと思っているのだが、Amazon サイトから招待リクエストが必要。

まずは手に入れやすい Google Home mini から試してみることに。詳細は当方11月のブログ・エントリー「[Review] スマートスピーカー Google Home Mini をまずは設定してみる」からご覧頂き度い。最近は目覚まし機能、朝起きてすぐの天気予報確認、ラジオがわりの音声ニュースはすっかりこの Home Mini に頼っている。小型なので机の上でも邪魔にならず、便利に使っている。

クラウド側が日々賢くなっている印象があり、何もせずとも使い勝手が向上して行くというのは、都度アップデートが必要なスマホよりも利用者視点での技術的難易度が格段に低い。IT が苦手なユーザーに対するネットの接点として、本ジャンルは独自の発展を遂げそうだ。今後 Apple から競合製品の HomePod が発売になる(音質の良さは Apple だけに期待できそうだ)事もあり、2018年の関連 AI 技術の飛躍的向上が最も期待される製品領域である。

Digitalbear's Gadget of the Year 2017 (2)ガジェット腕時計編

面白玩具編に続き、次のデジクマ的優秀製品表彰はガジェット腕時計部門。なんだか量販店のフロア毎の製品発表の様になってしまっているが、それは置いておくとして。

小型で精緻な電子部品が内蔵されたリストウォッチに心惹かれる昨今、まず購入したのは海外出張好適 GPS 内蔵腕時計の SEIKO ASTRON。

SEIKO創業 135周年、ASTRON 誕生 5周年記念の2500本限定モデルの SBXB117。シンプルに美しく、5周年をフィーチャーする5つの天然ブルーサファイアが文字盤に。腕時計コレクターながら、比較的スマホ連携機能優先の腕時計が昨今多くなる中で、仕事でも使い易くケース外観も美しい腕時計ということで、デザイン選択肢が増えた ASTRON の各モデルを2週間程吟味した上で決定。ケース、バンドともにチタン製で、装着していても違和感が無く軽量。GPS 補足に必要な時間も短くて済み、日々の時刻合わせもスマートセンサー機能で楽々。これは良い買い物だった。

一方、ガジェット時計の老舗 CASIO からも魅力的な GPS 腕時計が。これまで GPS + 電波の時刻合わせが主流だった本ジャンルに、更に Bluetooth による時刻合わせ機能をプラスした CASIO G-Shock GPW-2000 を5月発売。海外旅行の際に、空港に着くなり SIM Lock Free のスマホを起動し、現地時刻にスマホが合うやいなや、空港施設を出る前に腕時計の時刻合わせも出来るというのは大変便利。(Bluetooth の無い通常のGPS 時計では、複数の GPS 衛星を補足して時刻合わせが必要で、空が開けた屋外でしばらく時刻合わせに時間をかける必要がある。)しかも20気圧防水で耐ショック。アクティブな旅行にも好適なアウトドア・ウォッチだ。メカを詰め込んでいるので多少大柄だが、それがまた G-Shock らしくてガジェット心をくすぐる。Bluetooth をひっかけた青のデザインもクールである。

腕時計当たり年の2017年は、究極のスマートウォッチ、Apple Watch Series3 も9月に発売された。iPhone と接続せずとも、直接セルラーネットワークに接続。ランニングやワークアウトの際に、iPhone 携行無しで出かけることが出来る様になった。本体の処理速度アップで、動作も前モデルより快適に。SUICA 情報を転送できるので、最近はコンビニや自動販売機の買い物では、SUICA/PASMO カードを出さずに Apple Watch3 で決済する機会が増えた。大変便利。

利用時の気分や用途に合わせて3本の時計を着替えるというのが、2017年のデジクマ・スタイルになったが、普段は Apple Watch3、出張時は SEIKO ASTRON、気軽な旅行や週末は Casio G-Shock という使い分けになる事が多い。どれも世代を経た製品で、完成度が高く、使い勝手は申し分無い。

2017年は、多機能腕時計が世帯交代を果たし、更なる進化を遂げた年であった。2018年は、Apple Watch3 の心拍測定機能がより進化して、病気の事前予測なども出来る様になりそうだ。命を守るスマート・リストウォッチの進化は、今最も未来に近づいているガジェットと言えるのかもしれない。

Digitalbear's Gadget of the Year 2017 (1)面白玩具編

さて、2017年のデジクマ的ガジェット・オブ・ジ・イヤー発表、まずは面白玩具ガジェット部門から。

スターウォーズ・最後のジェダイが封切りとなった年末、注目されたのはやはり関連グッズ。新キャラクター含め多くのスターウォーズ製品が発売される中で、当方が実際に購入したのは、本物そっくりの R2-D2 の動きを再現、スマホで無線コントロールが可能な、Sphero 社製 R2-D2 。

細部まで精巧に作られたモデルが、自在に動き回り、ワガママになったり怒ったり倒れてみたり、映画の R2-D2 と同じサウンドを発しつつ細やかに動き出す様子は、古くからのスターウォーズ・ファンも感涙必至。グッと❤️を掴まれます。

そして、R2-D2 右横の火星人ブリキ玩具、"Martian Invader" は、中野ブロードウェイ4階の「まんだらけ変や」で入手した限定品。同製品が、2017年も世界で「最も美しい顔100人」に5年連続で選出された女優の石原さとみさん の人気 TV CM "Find My Tokyo" シリーズ中野編で気に入られ、「血管くん」と名付けられたという貴重な玩具ということでデジクマ・ガジェット・チームの一員に。

詳細は、こちらの当方1月ブログエントリー「石原さとみさんが中野の街にやって来た!ブロードウェイ4階に棲む謎の異星人、「血管くん」とは!?」ご参照。

そして最後にこの部門に選ばれたのは、今夏導入した 超小型ドローン DJI SPARK 。玩具部門に入れるのは憚られるほどに機能満載。小型ながら、内蔵カメラとセンサーで操縦者を認識、様々なジェスチャーで上昇、下降、横移動、そして写真撮影を行う事が出来る。本体下部のセンサーで、手のひらからの離着陸も可能。

200g を越える重量のドローンなので、日本国内では飛ばせる場所がかなり制限されてしまうのが難点だが、2軸ジンバルとスタビライザー、1300万画素、25mm f2.6 のカメラ搭載で、美しい映像を気軽に撮影出来るのは素晴らしい。

小型故に電池の持ちも 16分と短いが、予備電池を携行するとそれなりに楽しめる。比較的入手し易い価格の入門用のドローンとして、多くの人を満足させられる秀逸なドローンは、発売から半年が過ぎても十分その優位性を保っている。

以上、ロボット玩具にドローンと、いくつか選出したデジクマ好みの玩具。ドローンは初日の出の撮影にも好適かもしれません。

ただ、より気軽に国内でも風景撮影飛行が出来る様に、200g 以下で安定した撮影が可能なトイ・ドローンを、2018年は探していきたいと思った次第。


Digitalbear's Gadget of the Year 2017、いよいよ発表です!

2017年も残すところあと数日。今年も時々恒例の(苦笑)、デジクマ的ガジェットの年末総決算、"Digitalbear's Gadget of the Year 2017" の季節が巡って参りました。ルールはシンプル。2017年の一年間で、利用頻度が高く、年末現在で当方が使用し続けている秀逸なガジェットを、製品部門別に表彰。過去に当ブログで採り上げてレビューした製品が中心となるものの、新しい製品ではレビューしていないものも有り。

順位を付けるのは、最も気に入った Best of Digitalbear's Gadget of the Year 賞のみ。

それ以外はフラットにどれも気に入った製品、と御理解を頂き度く。まずは、面白玩具編からどうぞ。ちなみに表彰式なので掃除をしながらトロフィーらしきものを探したところ、高校時代の学内マラソン大会でもらったものぐらいだったので、星のクリスマスオーナメントでカヴァー、お許し頂きたく。さあ、2017年、最も輝いた製品は!?(続く)

2017年12月4日月曜日

丸の内で抜群の信州蕎麦、そして皇居・乾通り一般公開の紅葉写真散歩へ


天気が良い12月初旬の日曜日、吉例の皇居・乾通り一般公開へ。春・秋の公開時には長い待ち列が出来ることが多く、昨日の2日土曜日もかなりの人出だった様だが朝日新聞記事)、最近は宮内庁公式 Web 上に30分毎の待ち時間表示があり便利。朝チェックしてみると、11時半まで15−30分程度の待ち時間なので、これなら大丈夫だろう、と紅葉写真散歩がてら出かけてみた。東京駅前の行幸通りの木々も、もう黄色く色づいている。
紅葉散歩の際にはまずは腹ごなし、ということで、新丸ビル地下の信州蕎麦店、酢重正之 楽、へ。平日昼には長い行列が出来る人気店だが、週末はむしろ入りやすい様だ。お昼近くでも、ほぼ並ばずに店内へ。こちらの蕎麦は、コシの強い麺が特徴。もともとは味噌専門店から出発した軽井沢本店の酢重なので、今回は信州肉味噌蕎麦を注文。
大盛りは無料で麺を増やしてくれるのが嬉しい。蕎麦つゆは冷たいもの、温かいものを選べるが、冬はやはり温かい蕎麦つゆで。ネギ、海苔もたっぷり載っていて、天かすもかけ放題。蕎麦つゆはつけ麺の様に麺とは別に提供され、温かい蕎麦つゆを頼んでも、後で蕎麦湯を頂けるので、身体を暖めて出発することが出来た。
坂下門へのアプローチは、待ち列の整理の都合上からか、行幸通り側から入っても、内堀通りを日比谷方向に少し歩き、二重橋前交差点を右折して、ぐるりと U の字に迂回して到着する事になる。今日は我々のスタートが、昼食後の午後1時と遅く(ちなみに、乾通り公開の坂下門からの入門時間は、午前10時〜午後2時半迄と早いのでご注意を)に来たこともあってか、直前の荷物・ボディチェックのところで少し待った程度で、スムーズに坂下門から入る事が出来た。


宮内庁の建物を左に見て乾通りを北上、途中西桔橋を右折し、皇居東御苑を経て大手門まで。美しい皇居内の緑と紅葉を撮影するうちに、あっという間に時間が過ぎる。紅葉の木々は想像よりは多くは無いが、なかなか入れない場所で撮影出来る機会に、是非訪問されることをおすすめしたい。公開は12月10日(日曜)まで。

本日撮影した当方のその他の写真は、こちらの flickr アルバムでどうぞ。


2017年11月27日月曜日

荻窪写真散歩 大田黒公園の美しい紅葉ライトアップを FUJIFILM X-E3 で

JR 荻窪駅から徒歩で行ける場所に、先日登った高尾山にも負けないぐらいの美しい紅葉の公園がある、と聞いて、早速 JR 中央線快速で荻窪へ。その公園の名前は大田黒公園。何度かテレビで美しい紅葉の園内を見た事がある気がするのだが、訪れた事は無かった。

昼過ぎなので、まずは腹ごしらえ。以前から行きたいと思っていて、昼のみの営業なのでなかなか寄るチャンスが無かった中野大勝軒のルーツ、荻窪駅南口から電車沿いに阿佐ヶ谷方向に歩いた場所にある、「丸長中華そば店」へ。

店正面のシャッターはしまっているのだが、長い行列が出来ている。30分ほど待つと、全入れ替え制になっているのか、まとまって中へ入る事が出来た。ラーメンと迷ったが、まずはチャーシュー入りつけ麺で。辛くて甘くて旨味たっぷりのつけ汁に、細切り焼豚と中太麺がとても良く合う。ニンニクが効いた柔らかい皮の餃子も美味しいので、ついついキリンラガービール小瓶まで。まずは胃が満たされたので、次は紅葉で眼と心を満たさねば。

大田黒公園は、まさにこの丸長の角を曲がり、真っ直ぐ南東方向へ荻窪の閑静な住宅街を進んだ場所にある。紅葉シーズンの週末でもあり、公園が近づくにつれて人が増えて来た。入口の提灯が目印だ。音楽評論家の大田黒元雄氏の屋敷跡を、杉並区が日本庭園として整備し、1981年10月に開園した、という事だった。比較的近くに住んでいながら、全く行った事が無い公園。入口をくぐると、美しい銀杏並木が迎えてくれた。ここから、FUJIFILM X-E3 カメラボディと FUJINON XF 18-55mm f2.8-4 OIS レンズの組み合わせ での園内紅葉写真散歩が始まった。その美しさは、目を見張るばかり。東京23区内では以前、代官山の旧朝倉家住宅の庭の紅葉も楽しんだが、大田黒邸のそれは期待以上の規模だった。

白鷺や鴨が飛来し、錦鯉がゆったり泳ぐ池があり、和装の方々による琴と尺八の演奏も楽しめる。夜は紅葉のライトアップもあって、今年は12月3日まで、平日は午後8時、土日は午後9時の閉園時間まで、美しく光に照らされた紅葉の庭を堪能することが出来る。これで入園無料というのだから、杉並区はなかなか太っ腹である。

ライトアップが始まると、園内の雰囲気は厳かなものに変わる。池面に浮かび上がる、赤・黄・橙の紅葉の木々が織り成すグラデーションは、吸い込まれる様に美しい。夜景撮影にも強みを持つ X-E3 のおかげで、三脚が無くとも手ブレを感じる事なく撮影を続ける事が出来た。

本日撮影した紅葉の写真は、こちらの flickr アルバムに作例写真として掲載したので、FUJIFILM X-E3 と 18-55mm レンズの実力はそちらでも確かめて頂きたい。大田黒公園の昼・夜それぞれの紅葉を、80枚ほどの静止画と一部動画に収めている。

荻窪というと、どうしても北口のラーメン屋を訪れる機会が多く、なかなか南口開拓が進んでいなかったのだが、丸長のつけ麺と大田黒公園の紅葉の組み合わせは、写真散歩には最強(当方比)であった。また是非訪れたい。

2017年11月26日日曜日

中野フジヤカメラで、SIGMA 16mm f1.4 DC DN レンズを試用

中野フジヤカメラの SIGMA ミラーレス用レンズ無料お試し会最終日。発売開始されたばかりの新レンズ、SIGMA 16mm f1.4 DC DN レンズを実際にカメラに装着して試せる貴重な機会を逃す手は無い、と早速本店前のお試し会場へ。簡単な手続きで、最新レンズを借り出せるのはいつもながら有難い。どんなにレビュー記事を読んでも、実利用に勝る評価方法は無いから、である。

Sony の APS-C 用ではフルサイズ換算 24mm で使えるレンズが、マイクロフォーサーズ・ミラーレス・デジカメでは 32mm 相当になってしまう点は広角レンズ好きとしては少し惜しい点だが、これはいつもの事なのであきらめるとして。

実売価格が5万円を切ることから Contemporary カテゴリーに分類されるレンズだが、実際手にすると、かなりしっかりとした造りになっている。SIGMA 自ら「Art ラインに匹敵する」と言う 位なので、Art レンズと呼んでも良いのかもしれないが、このあたりの線引きは良くわからない。

レンズの重量は 405g。マイクロフォーサーズにしては重いレンズ、と言えるかもしれないが、大口径でもあり、手にすると、フルサイズ用の Art ライン f1.4 レンズ群と頭の中で比較しているせいか「あれ、思ったより軽い」と感じてしまうのは黒川マジックか。しっかり存在感があるので、「あ、SIGMA の16mm f1.4 を装着しているな」ということが、外観からもすぐにわかるレンズである。

早速中野周辺でのテスト撮影を試みる。できるだけ、開放 f 値の f1.4 で撮影して、その被写界深度を確かめる事にした。利用するカメラは、手元にあるマイクロフォーサーズボディの生き残り、Lumix GX1。ちょうど6年前の秋、2011年11月に発売された旧機種だが、EVF が無い事を除けば、まだまだ現役で使えるスタイリッシュで軽量なミラーレスカメラである。やや年季の入ったボディに装着しても、新レンズの AF は小気味良く決まる。

この組み合わせでも十分実用的だ。美しいボケを背面液晶でも確認しながら撮影を楽しめる。撮影結果の作例写真は、こちらの flickr アルバムで確かめて頂きたい。6年前のカメラでも、性能の良いレンズ次第で十分現役活用出来る事をおわかりいただけるはずだ。

試みに、いくつか同じシーンを最新ミラーレス・デジカメボディの FUJIFILM X-E3 と、画角が近い(こちらはフルサイズ換算 35mm 相当) XF 23mm f2 WR レンズで開放絞り付近を活用しつつ撮影し、こちらの flickr アルバムにその作例写真を載せてみた。メーカーもボディの発売時期も違う上に、マイクロフォーサーズと APS-C で CMOS の画素数まで違う為、直接 の比較は出来ないが、それぞれの特色を感じて頂けると思う。なかなか
マイクロフォーサーズも健闘している。

2017年11月25日土曜日

600mm 超望遠ズーム携行で高尾山頂上へ

久しぶりで高尾山登山、といっても標高 599m だが、を飛び石連休の合間に決行する事にした。ふいに思い立った晴れの日に東京で登れる山として貴重な高尾山は、世界で一番登山者が多い(年間260万人)山になった、との事だ。中央線で高尾駅へ。京王線に乗り換え一駅、高尾山口駅まで。電車がうまくつながると、当方の最寄り駅からは1時間かからずに行けてしまう。

荷物は出来るだけ少なくしたいが、広角から望遠までの撮影チャンスに対応したい、ということで、今回の登山コンパニオンに選択したカメラは、先日導入したばかりの Sony CyberShot RX10 MarkIV。24-600mm で明るいズームは、交換レンズ要らずで、本格撮影をしたいライトな登山には持って来い、だ。

いくつか登山道・コースがあるが、その見所や難易度説明なども見ながら、自然観察が出来そうで山道感をしっかり味わえそうな沢沿いの道、6号路を選択。高尾山口駅からケーブルカーの麓駅に向かい、左手の道をまっすぐに進んで現れる分岐を更に左手に進むと、琵琶滝を経由する6号路登山道だ。アスファルトの道が終了し、しばらくは石と木の根が多い、前日の雨でまだ濡れた土の路面を進む事になる。

琵琶滝までは、あれ、もう着いたのか、という位、勾配もそれほど厳しくない道を歩いているうちに到着する。その先が段々と道も細くなり、沢沿いに進むので崖の様な場所もあるので、気楽に歩ける登山道では無い。だがそれ故に、コンクリートで固められた1号路を歩くよりも山登り感を強く味わえるし、平日で午後2時までは上りの一方通行規制があることもあって、細い道ながらそれほど混雑が無い点も良い道である。

途中、色々な場所で野鳥の鳴き声が聞こえるのだが、高い木が多いこともあって、なかなかその姿が見えない。一度だけ、シジュウカラが餌をついばんでいる所を発見し、600mm ズームでその姿を捉える事が出来た。野鳥撮影が目的で登ると、撮れ高としては期待通りにいかないのかもしれない。あるいは、野鳥が集まり易い場所がどこかにあるのだろうか。撮影を終えて、また黙々と頂上を目指す。途中途中に14箇所の見所&お休み場所があり、ベンチがある場所もあるので、初めて登っても迷う事は無いだろう。

しばらく眼下に眺めていた小川は、やがてちょろちょろと流れる沢水になり、均等に石が置いてある沢沿いの登山道になる。雨が降った後は滑らない様に注意も必要だが、石のお陰で殆ど濡れずに進む事が出来る。沢沿いの道が終わると、6号路の最後の胸突き八丁が現れる。そう、頂上へ向かう木と土で固めた階段の道だ。

別のルートから登山して薬王院の石段も登るのが大変だが、6号路の階段は手すりもなく、段差も大きいのでこれが運動不足の脚には応える。しばらく登っては休み、を繰り返しつつ、少しずつ頂上へ近づいて行く。低山とはいえ、頂上に近くにつれて気温が下がって行く高尾山だが、沢登りの後の階段は身体中の細胞を活性化させ、代謝を上げてくれるのか、汗が吹き出す。今回はマフラー型のタオルを持ってきていたので、汗を拭き拭き、最後の階段を登って行く。長い長い階段が終わると、平坦になり、やがてコンクリの道と合流して、すぐに頂上の広場に到着する。鮮やかな紅葉と、関東平野のパノラマが眼下に広がる、素晴らしい眺めである。

600mm の超望遠域まで使える CyberShot RX10 MarkIV を持参した効果は、頂上でも発揮された。パノラマの点にしか見えなかった遠くのビル群が、拡大してみると横浜のランドマークタワーだった、という事が判明したのである。手前の多摩ニュータウンから横浜、東京湾とその対岸まで。少しもやがかってはいるがはっきりと見渡す事が出来た。デジタル一眼レフでは 600mm 相当まで使えるレンズを携行するとかなりの重量になるが、ネオ一眼と呼ばれる一体型だからこそ、頂上までそれほどの苦もなく運ぶ事が出来た。身軽に登山するには iPhoneX だけでも良いかな、と出発前は迷ったが、このカメラを携行した甲斐があったと言うものだ。

そして晴れた日の高尾山登山の展望台は、もうひとつプレゼントを用意してくれていた。横浜が見える場所と反対側に行くと、夕陽が沈み行く富士山が綺麗に見えたのだ。これもまた、600mm 超望遠で日が沈むのを待って、富士山の稜線がオレンジ色に染まる様子を撮影する。普段は東京都心部のビル間に見える富士山を撮影していたが、600m の展望台からの邪魔するものが無い富士山は、うっとりする美しさ、であった。筋肉痛になりかけていたことも忘れて、夢中でシャッターを切る。

しかし、日が沈むと、急速に冷気が高尾山を覆い始める。さて、帰路を急がねば。薬王院を過ぎたあたりで相当暗くなって来たので、久しぶりにケーブルカーに乗ってみる事にした。片道切符を480円で購入、待ち列に並ぶ事20分ほどで乗車することが出来た。日本で最大の急勾配を走るという高尾山ケーブルカーは、最終が11月の平日は 17:45 なので、乗り遅れない様に注意が必要だ。鮨詰めの車両は、走り出すとその勾配から前後に強い荷重が。何かに掴まっていないと前後に振られる事必至なので、注意が必要。

午後5時半過ぎに清滝駅(調べるとケーブルカー麓駅の標高は 201m。そうか、この登山の標高差は、実はわずか 400m ほどしか無いのだ!!)に到着すると、駅周辺の店も閉まりつつあるのだが、商店が並ぶ通りの最後に、明治時代から100年続く老舗、高尾まんじゅうの有喜堂本店にまだ灯が。

こちらのおまんじゅうは白と茶色のシンプルな構成だが、柔らかく餡も甘過ぎず、さすが老舗の味わい。6個で6百円。高尾山登山のお土産には、是非買って頂きたい逸品である。

昼過ぎから思い立って実行、午後1時半から開始した登山ではあったが、4時間後には麓に戻っていた事になる。そして高尾山口から高尾経由で自宅最寄り駅に到着したのは、まんじゅうを購入してから1時間後。小学生の頃に遠足で行ってからしばらく間が開いてしまったが、定期的に登りたくなる魅力が大人になってわかる、そういう高尾山半日写真散歩登山、だった。