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2014年10月14日火曜日

ライカ・ズミルックスレンズ専用のカメラ、Leica X type 113 ファースト・レビュー

「あなたが一番好きなレンズは?」と聞かれたら、迷わず「ズミルックス (Summilux)」と答える程、電脳熊デジカメチーム1軍にはズミルックスの名前を背負った選手が常に在籍する。ここ数ヶ月気に入って使っている SIGMA の 50mm f1.4 も相当優秀なレンズではあるが、登板回数ではまだズミルックスを越えてはいない。

f1.4 - f1.7 ぐらいのハイスピード、つまり明るいズミルックス・レンズをいつもどこかのポジションに配している。Leica 純正レンズを M マウントのアナログカメラや m4/3 カメラにマウントアダプターを介して装着してみたり、4/3 用・m4/3 用の Pana-Leica 25mm f1.4 ズミルックスも何度も手に入れている。最近では、Lumix GM 用に、小型で使い易い Pana-Leica 15mm f1.7 レンズを組み合わせて愛用していた。

すると先日のフォトキナで、Summilux 固定レンズのカメラ、LEICA X type 113 を発売するとの知らせ。しかも APS-C と大きな CMOS を備え、明るさも f1.7。これなら、ズミルックス本来のボケ味も期待出来そうだ。10月初旬発売となり、早速いつもの某カメラ店で、3:1の選手トレードを実行。西ドイツ出身の選手は、契約金もそれなりにかかる。しかし、重く高価な Leica M シリーズと比べると、X type 113 の価格は 1/3 - 1/4、重量も 500g 未満で、大きさの割には軽く感じられ、かといって外装はしっかり高品質に仕上げられていて好印象。スナップシューターとして、ベストなバランスに仕上げられている。以前利用していた Leica X1 と比較するとやや大きくなったが、その分ホールディングがし易くなった印象。

X シリーズ的過剰包装の、重箱スタイルの一番上の箱に、本体が収められている。レンズはさすが大きめだが、ブラック塗装の仕上げも美しく、ライカフォントの黄文字で、「35」と記されている(実際の焦点距離は 23mm だが、フルサイズ換算で 35mm という事)。レンズ上の距離数字がこの手のカメラにしてはちゃんと入っているので、35mm 表記は少し横にずれた所に。「LEICA X」の刻印は、軍艦部に白いフォントで。フラッシュは丸形のリトラクタブル。ポップアップしても、ステーに安定感があって、華奢に出来ていないところがさすが Leica 品質。背面液晶上には、「LEICA CAMERA WETZLAR GERMANY」の白刻印も。久しぶりに Leica カメラを手に入れた嬉しさがジワジワと感じられる仕上げ。

機能面でも、X シリーズらしくシンプルに良く出来ている。上面右側に 1/2000 - 1 秒〜のシャッターダイヤル、そして右隅に f1.7 - 16 の絞りを設定する小型のダイヤル。更に背面右上に、露出補正やオートブラケット、フラッシュ光量補正を行うダイヤルが備えられている。WB / ISO も背面左手に独立ボタンがあり、必要な設定はアナログ操作で十分行える仕様になっている。

そして嬉しいのは MF、つまりマニュアル・フォーカスが行い易いレンズ設計。距離メモリの無限遠の先に AF 表示があり、普段はこれをロック状態にして AF で利用。少し強めにフォーカシングリングを回すと、ロックが外れて MF 操作に切り替わり、画面中央に焦点を合わせる部分が拡大表示される。この移行操作が非常に自然でシームレス。AF/MF 設定を常時切り替えて使いたいハイアマチュア以上のカメラマンには有り難い仕様と言える。そして古いズミルックスレンズとは異なり、またカメラ側でマクロボタン等を押す必要も無く、被写体に 20cm まで寄れるので、気軽に寄った撮影も可能である。

背面液晶に表示されるメニューの構成は非常に標準的なものでシンプルだが、その分迷いも無い。不必要なものは切り捨てて、撮影に集中出来る。まずは、台風19号が近づく地元の何気ない風景を撮影。作例写真は、こちらの flickr album を参照頂きたい。

まだ利用は24時間程度でそのポテンシャルを使い切っては居ないが、何気なく撮影した写真が実にズミルックス・レンズらしく、フォーカスした被写体はあくまでシャープに、そして背景は美しくボケて仕上がっている様子を御覧頂けるはずである。

今後ズミルックスの進化系として、11月中旬に発売される Panasonic Lumix LX100 で明るいズームレンズ Vario-Summilux も登場するので、こちらもかなり楽しみだが、LX 100 は m4/3 の CMOS サイズになる為、ボケ量ということでは APS-C の Leica X type 113 の方が大きいと思われる。ズミルックス愛好家としては、LX 100 の 35mm 相当の焦点距離の撮影結果と、Leica X の作例を、是非比べてみたいと考えている。

Leica のカメラ・レンズクオリティを気軽に活用出来る X シリーズ。より小型の LEICA X-E も同時発売となっているが、ズミルックス・ファンは多少のプラス出費を覚悟しても、是非この Leica X type 113 をお試し頂きたい。後悔しないと思いますよ。








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