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2016年1月16日土曜日

夢のフラッグシップ・アナログ一眼レフ Canon New F-1、30数年の月日を経て我が手に

遡ること30数年前。中学生の頃、近所から鰻の蒲焼の香りが漂うカメラ店、中野フジヤカメラでアナログ一眼レフのベストセラー、「連写一眼」Canon AE-1 を父に買ってもらった。嬉しくて、どこにでも連れて行った。数年後、貯金で 上級機の「カメラロボット」Canon A-1 へと進むが、その頃からの憧れがフラッグシップ・プロモデルの Canon F-1




高校生の頃、1981年に登場した New F-1 は電子化も進み、プロ用らしい堅牢性を備えた極めてタフなカメラだった。しかしカメラ本体だけで 149,000 円。高校生には文字どおりの高嶺の花で、フジヤのショーウインドウ越しに羨望の眼差しを送る日々だった。

圧倒的にクールで、プロのみがその利用を許される、手が届かない至高の存在。中高生時代に脳内で固められたそのイメージは、デジカメ全盛となった21世紀になっても自分を支配し続けた。

中古の F-1 良品を見かける度に、手に入れようかと考え込むが、「このカメラはお前が使うにはまだ早い。更に修行を積むべし。」そんな心の声がいつも聞こえて来てためらってしまうのだった。

不覚にも気づかなかったが、昨年からアナログ一眼レフの販売コーナーはフジヤ二階に移転。1階にあったはずの F-1 中古品を見かけず寂しく思っていたら、本日になって二階で F-1 に再会。何故かいつもの心の声も聞こえない。

勇気を振り絞ってまずは新品同様と珍しい保存状態のアイレベル・ファインダーを見せてもらう。神カメラ F-1 とともに。なんというファインダーの明るさであろう。更に専用ワインダーを3つの丸い回転キャップを外して底部に装着。

カシュン、カシュン!単三電池4本で、軽快に作動する。フィルムを巻き上げるそれだけのシンプルなオプションだが、そのアナログな無駄さ加減が、機械の懐かしい動作音がたまらない。

フジヤカメラ・スタッフの皆様がその音を聞いて集まり、中古カメラ店らしいプロ知識を全開にして、やや複雑な F-1 のボタン操作を手取り足取り伝授してくれる。この英知の中ではマニュアルは不要だ。


散々いじって F-1 の思い出話を一通り終えると、憧れだったはずのカメラが、すっかり愛おしい様に手に馴染んでいる。これは連れて帰らざるを得なかろう。



新品時価格の 1/6 ほどで程度の良い中古を手に入れ、店を出る。「夢を有難う」そんな言葉が恥ずかしげもなく、笑みとともに自然にこぼれ出た。30数年、通い続けたフジヤのショウウインドウ越しにあった夢がまた一つ、紙袋に収まった。

夢はいつか叶う。そしてアナログカメラの夢に終わりは無い。

[2016.3.13 追記] 映画「エヴェレスト 神々の山嶺」の主人公、岡田准一が演じたカメラマンの深町が手にしていたのも、Canon F-1 でした。




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