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2017年12月30日土曜日

Digitalbear's Gadget of the Year 2017 (6)デジタルカメラ本体編

2017年、デジクマ的ガジェット・オブ・ジ・イヤー、いよいよフィナーレへ。近年のガジェット・レッド・オーシャンは間違い無くデジタル・カメラ本体。激しい戦いのフィールド。レッド・オーシャンは二つの戦場で展開されている。一つは、スマホ・カメラからの突き上げが激しい、コンパクト・デジカメ市場。iPhoneX の様な、小型だが液晶画面が大きく、二眼レンズでズームが出来、背景ボケのデジタル生成まで可能なスマホ・カメラが登場した事で、コンデジ市場は瀕死状態。カメラ店の店頭を見回しても明らかに、製品数が大幅に減少している。カメラ・メーカー的には 1-1.5インチサイズの大型 CMOS の搭載で差別化を図ろうとしているが、高倍率ズームの採用など、スマホ・カメラとの明らかな違いを示す必要性がより高まった2017年だった。そして二つ目の戦いは勿論、中〜上級デジイチの市場。Nikon D850、Sony α7R III、α9、Canon 5D MarkIV 等、30−40万円以上もする価格帯で高級デジイチがしのぎを削る。二つ目の上級デジイチの市場については、次のエントリーで触れるとしよう。

ルーキー iPhoneX の潜在能力の高さを知って、デジタル・ベアーズ・デジカメ1軍チームからも、高級コンデジと呼ばれたジャンルが姿を消しつつある。GRII が消え、G9X MarkII が去り...やや寂しい状態の中で、テコ入れを図った分野が、小型ミラーレス。コンデジほど小さく軽くは無いが、デジイチより軽く、レンズを2−3本携行しても、持ち出しが苦にならない。そして映像エンジンのブラッシュ・アップや交換レンズの圧倒的な光学パワーで、スマホ・カメラとの仁義なき戦いを勝ち抜こうとしている。昨年はマイクロ・フォーサーズ中心としていたが、今年は FUJIFILM から X-E3 という小型・軽量機種が登場。使い勝手は背面に AF ポイントを自由に変えられるジョイスティックを採用、上級機種と同じ CMOS・映像エンジン採用で強力にアピールした。23mm f2 レンズ(フルサイズ換算 35mm)の高性能・コンパクトさも有り、ミッドフィルダー的役割を担う万能選手として活躍している。詳しくは、当方ブログの10月のエントリー、「[REVIEW] FUJIFILM X-E3 は現行機種最高レベルの小型ミラーレス・デジカメだった」をお読み頂き度い。ミラーレスカメラ、色々あるがどれにしよう、と悩んで居られたら、FUJIFILM らしい映像エンジンの色再現性の美しさもあり、ビギナーから中級ユーザー迄、強くオススメ出来る1台だ。

そして、デジイチのジャンルの中で、もうひとつ当方の心の琴線に触れた1台は、ネオ一眼と呼ばれる、交換レンズを不要とする高倍率固定レンズカメラのジャンルから、Sony CyberShot RX10 Mark IV(RX10M4)。最近の Sony は1インチ・デジカメの市場で毎年の様に新モデルを送り出して居るが、RX10M4 には、かなり響くものがあった。前機種から比較し、AF 合焦速度がデジイチのαシリーズ最新機種並にスピードアップされたのだ。そして、最大ズーム焦点距離は 600mm。野鳥の撮影を行う時、300mm 望遠ではちょっと不足感がある。やはり 600 - 800mm 程度は「最低でも」欲しい。そして明るいレンズでないと、高速移動・動作する野鳥撮影ではブレが生じる。だがデジイチで明るいレンズを装着すると、かなり長く、重いレンズになってしまうのだ。RX10M4 はレンズ・ボディ合わせた重量は約 1.1キロと軽くは無いが、f2.4-4 の 24-600mm 広角〜超望遠ズームレンズを装着していると考えると、野外に持ち出す気持ちにさせるカメラなのだ。

詳細は当方の11月のブログ・レビュー「[Review] ネオ一眼 Sony CyberShot RX10 Mark IV は iPhoneX を補完する万能デジタルカメラ」を参照頂きたいが、 iPhoneX に無い部分を補い、一台でほぼ全ての撮影シーンをカバーする、万能感の高いリベロ的役割のカメラである。特に超望遠領域での威力は素晴らしい。

コンデジ新製品ではスマホに勝る魅力を備えたパンチ力のあるデジカメ登場が無かったのは残念。しかし、海外市場を見渡すと Light L16 の様に新規性があり、カメラ好きする機能と小型軽量を兼ね備えた新ジャンルのカメラも開発されている。カメラメーカーは、知恵を振り絞り、クラウドサービスを組み合わせた形で、新しい開発提案を行って行かないと、あっという間に時代に取り残されてしまうだろう。

もちろん、利ざやが大きい中・上級機種の戦いのフィールドで、生き残りを図るという考えもあるだろう。しかし、重く大きいカメラは、決して万人のものではない。スマホの厚みと処理能力で実現できる技術を十分理解した上で、独創的なカメラ創りを目指して頂きたい。

2017年11月27日月曜日

荻窪写真散歩 大田黒公園の美しい紅葉ライトアップを FUJIFILM X-E3 で

JR 荻窪駅から徒歩で行ける場所に、先日登った高尾山にも負けないぐらいの美しい紅葉の公園がある、と聞いて、早速 JR 中央線快速で荻窪へ。その公園の名前は大田黒公園。何度かテレビで美しい紅葉の園内を見た事がある気がするのだが、訪れた事は無かった。

昼過ぎなので、まずは腹ごしらえ。以前から行きたいと思っていて、昼のみの営業なのでなかなか寄るチャンスが無かった中野大勝軒のルーツ、荻窪駅南口から電車沿いに阿佐ヶ谷方向に歩いた場所にある、「丸長中華そば店」へ。

店正面のシャッターはしまっているのだが、長い行列が出来ている。30分ほど待つと、全入れ替え制になっているのか、まとまって中へ入る事が出来た。ラーメンと迷ったが、まずはチャーシュー入りつけ麺で。辛くて甘くて旨味たっぷりのつけ汁に、細切り焼豚と中太麺がとても良く合う。ニンニクが効いた柔らかい皮の餃子も美味しいので、ついついキリンラガービール小瓶まで。まずは胃が満たされたので、次は紅葉で眼と心を満たさねば。

大田黒公園は、まさにこの丸長の角を曲がり、真っ直ぐ南東方向へ荻窪の閑静な住宅街を進んだ場所にある。紅葉シーズンの週末でもあり、公園が近づくにつれて人が増えて来た。入口の提灯が目印だ。音楽評論家の大田黒元雄氏の屋敷跡を、杉並区が日本庭園として整備し、1981年10月に開園した、という事だった。比較的近くに住んでいながら、全く行った事が無い公園。入口をくぐると、美しい銀杏並木が迎えてくれた。ここから、FUJIFILM X-E3 カメラボディと FUJINON XF 18-55mm f2.8-4 OIS レンズの組み合わせ での園内紅葉写真散歩が始まった。その美しさは、目を見張るばかり。東京23区内では以前、代官山の旧朝倉家住宅の庭の紅葉も楽しんだが、大田黒邸のそれは期待以上の規模だった。

白鷺や鴨が飛来し、錦鯉がゆったり泳ぐ池があり、和装の方々による琴と尺八の演奏も楽しめる。夜は紅葉のライトアップもあって、今年は12月3日まで、平日は午後8時、土日は午後9時の閉園時間まで、美しく光に照らされた紅葉の庭を堪能することが出来る。これで入園無料というのだから、杉並区はなかなか太っ腹である。

ライトアップが始まると、園内の雰囲気は厳かなものに変わる。池面に浮かび上がる、赤・黄・橙の紅葉の木々が織り成すグラデーションは、吸い込まれる様に美しい。夜景撮影にも強みを持つ X-E3 のおかげで、三脚が無くとも手ブレを感じる事なく撮影を続ける事が出来た。

本日撮影した紅葉の写真は、こちらの flickr アルバムに作例写真として掲載したので、FUJIFILM X-E3 と 18-55mm レンズの実力はそちらでも確かめて頂きたい。大田黒公園の昼・夜それぞれの紅葉を、80枚ほどの静止画と一部動画に収めている。

荻窪というと、どうしても北口のラーメン屋を訪れる機会が多く、なかなか南口開拓が進んでいなかったのだが、丸長のつけ麺と大田黒公園の紅葉の組み合わせは、写真散歩には最強(当方比)であった。また是非訪れたい。

2017年10月9日月曜日

FUJIFILM X-E3 を楽しむ駒場・代官山の自転「写」散歩


3連休最終日は東京都内でも快適な気温で、雨も降らず、半袖が気持ち良い最高のサイクリング日和。

歩道の道幅が広げられて自転車も走り易くなった山手通り沿いを南下、途中から住宅街を抜けて駒場東大キャンパス、駒場公園の前田伯爵邸(洋館は工事中だが、和館は見学可能)、代官山迄。


FUJIFILM のデジタルカメラ、X-E3 を手にすると、微妙な光が織りなす陰影を追いたくなる。シャドウ部も黒つぶれせず、ハイライト部にも趣が。アナログ・フィルム的なフジらしい光の受容度の広さが嬉しい。






そういう景色を集める自転「写」散歩。高台にある西郷山公園で日が暮れると、夕焼けの向こうに富士山が見えた。

その他の作例写真はこちらからどうぞ。
(Photo by digitalbear) 


2017年10月8日日曜日

[REVIEW] FUJIFILM X-E3 は現行機種最高レベルの小型ミラーレス・デジカメだった

ここしばらく、FUJIFILM の Xシリーズは、X100F があれば良い、と考えて、レンズ交換式カメラはフルサイズの Canon 6D Mark II に集中し、交換レンズの補強はそちらで行って来た。しかし、揺り戻しはやはり起こるもの。FUJIFILM の画質を、様々な交換レンズで、かつ小型ボディで存分に楽しみたい、そういう気持ちが少しずつ膨らみつつある頃に登場したのが、FUJIFILM X-E3

スペック的には X-Pro2 が凄く良いと思って何度も近所のカメラ店の店頭で触って背面フォーカスレバーの感触を試していたのだが、ややボディサイズが大きくて遂に手が出なかった。一方で、大きさ的に丁度良い X-T20 は、操作性を良くするフォーカスレバー設定が無く、スタイルも旧来のペンタプリズム型。しっくりこないままに悶々としていたら、ピタリと当てはまるスペック、スタイルを備えた X-E3 が登場したのである。ひとまわり大きい前モデル X-E2 の後継がしばらく登場せず、このスタイルの小型機はもう出ないのでは、とあきらめかけていただけに、嬉しさひとしお、で万難を排して手に入れた次第。ボディの大きさは X100 シリーズにかなり近い。

ペンタプリズムを必要としないミラーレスカメラが、旧来の真ん中が盛り上がったカメラ・スタイルを踏襲する理由は、これまでのアナログ一眼カメラユーザーを違和感無く取り込む意味合いが強く、そしてその場所は内蔵フラッシュの収納場所に使われる事が多かった。X-E3 では、内蔵フラッシュを外付けに割り切り、頭部が「シュッとした」LEICA のレンジファインダー・カメラの様なスタイルになっている。もうそろそろ、ミラーレスカメラはこのスタイルで良いのではないかと思う。そして右目で EVF を見るスタイルの場合、左端に EVF が寄せられているこの形状は、鼻がファインダーにぶつかる事もなく、気持ちよく撮影出来る。

このカメラで当方が気に入ったポイントはいくつかあるのだが、まずは何度も指摘の通り、X100F に続いて、小型ボディにフォーカスレバー(ファインダーを覗いたままで、右親指でジョイスティックの様に操作して AF ポイントを自由に変更出来る)が組み合わされた、という部分。そして、もうひとつは、撮影画質が上級機種と遜色無いものになっている点も見逃せない。大きさ・重さ故に上級機の X-T2 / X-Pro2 を諦めていたユーザーには、大変フィットするカメラとなるはずである。ミラーレスは、やはり小型軽量であればあるほど、持ち出し機会も増えるというものだ。

早速近距離ドライブで持ち出して、忍野八海の透き通った湧き水の里や、丸の内界隈の夜景の写真を、こちらの flickr アルバムに作例写真として載せているので、FUJIFILM らしいフィルムライクな色具合と、夜景でもしっかり撮影出来ている様子はじっくりご覧頂きたい。アドバンストフィルターでのダイナミックトーンを利用したコントラストの強い写真や、ACROS フィルムシミュレーションで階調が豊かな白黒写真も撮影しているので、作例をぜひ眺めて頂き度い。

FUJIFILM X-E3 + XF 18-55mm f2.8-4 R LM OIS 作例写真 (flickr)

フォーカスレバーの設定により、前機種では存在した背面の4方向ボタンが無くなったが、その代わりにタッチ式の背面液晶を上下左右にスワイプすることで、4方向ボタンに普通は設定される機能がスワイプ方向に応じて現れる様になった。

しかし、これが、若干使いづらい。背面液晶はふと触れてしまう事が多いので、意図せずそれぞれの機能が表示されてしまうのだ。何度かそれが続いたので、結局この機能はオフにすることにした。MENU - セットアップ - 操作ボタン・ダイヤル設定 - ファンクション(Fn)設定、それにより設定画面を出して、T-Fn1~4 をオフ設定にすると、後は問題になることは無い。必要な機能は他のファンクションボタンに割り振る事で、より使い易くなる。この設定で、不要に画面が変化することは無くなった。

おそらく将来のアップデートで機能追加される事を期待したいが、ファンクションボタンに動画の録画開始機能を割り振る事が出来ると、更に動画撮影の使い勝手は良くなる様に思う。現状では背面の Drive ボタンを押してからでないと、動画モードに移行出来ない。その移行もややスムーズではないので、ついつい動画撮影をする気持ちが薄れてしまうのだ。せっかく 4K や HD での 60FPS にも対応して動画機能がアップしているので、操作面は改善してもらえると有難い。メニュー階層が深いのは、アドバンストフィルターも同様に、ドライブボタンの奥にある。こちらもファンクション・ボタンへの割り振りが出来ると便利になる。

とまあ、多少の改善要望もあるが、全般には非常に良く出来た、使い易いカメラに仕上がっている。動画やフィルターの操作も、通常の静止画中心に撮影する分には問題とはならない。何より、仕上がる写真がしっかりと撮影時の空気感を伝えてくれる、フジの発色が嬉しいカメラである。各社から多くのミラーレスカメラが発売されている昨今、当方がオススメする No.1 の小型ミラーレスは現状 X-E3 が最高得点、である。













2017年5月21日日曜日

[Review] アナデジ・インスタントカメラ、FUJIFILM instax SQ10 デジカメ機能のレビューをまずは

アナログ・デジタル両用のインスタントカメラ、FUJIFILM instax SQ10、まずはデジタル撮影品質がどうなるかということで、渋谷あたりでフォト・ウォーク。シャッター速度、絞りはお任せなのでスナップをパシャパシャと。

インスタント写真プリント機構が重いせいか、重量は結構あって 450g。露出補正を背面のボタンとダイヤルで細かく変えながら撮影するのがポイントか。左側面のボタンを Manual でなく Auto に設定すると、撮影後すぐに自動プリントされてしまうので注意が必要。

写真加工してから写真を選んで印刷するなら Manual モードにて。(通常のカメラ的感覚だと、Auto 露出と勘違いし、まず Auto に設定してしまいがちで、私もそれで1枚印刷を無駄にしました。操作マニュアルを読め、という事でしょうけど。)

最後まで慣れなかった操作は、1枚撮影して、次のコマの撮影を行う際にフロントのシャッター or モードボタンを押さないと背面液晶の撮影済み画像表示が消えない事。

即プリントすることが多いインスタントカメラとしての基本機能かもしれないが、本機では複数枚数撮影後に印刷する画像を選ぶオペレーションが多くなると思うので、ここは通常のデジカメと同様に数秒だけデジタル画像表示したら次の撮影に自動で移れる設定が欲しい気がした。おそらく ファームウェア・アップで対応するのでしょうけど。

まだプリントはあまり行っていないので、プリント品質評価は追って。

まずは、デジタルでの作例写真をいくつか、こちらの flickr アルバムにあげておきます。ご参考いただければと。


2017年3月5日日曜日

[Review] FUJIFILM X100F の高精細モノクロフィルムシミュレーション ACROS で夜の中野を浮遊

CP+ 2017 の前から気になり続け、CP+ 開幕前から六本木の FUJIFILM ショウルームに出かけて(詳細はこちらのブログをご参照ください)触り倒し、CP+ 初日の会場ではやはり気になっているいしたにさんと FUJIFILM ブースでばったり遭遇、お互いに「やっぱり X100F いいよね」と確認し合い、その後中野に戻って近所のカメラ店で CP+ 初日発売開始の FUJIFILM X100F を無事手に入れた。色は迷ったがやはりブラックで。

レンズ交換式上級機の X-Pro2 限定グラファイト・エディションも相当クールな色で迷ったが、結局 23mm f2 レンズ、CMOS、映像エンジンも同じ、光学・電子式ハイブリッドのファインダー、そしてこのカメラを購入する重要ポイントとなる8方向に AF 合焦点を右手親指で操作可能な背面フォーカスレバーも装備となると、より小型でどこにでも持ち出し易いフラット・レンズを備えた X100F の方が当方ニーズには合っている、ということで最終決定した次第。

その後、純正黒革ケースの LC-X100F-BT も買い足し。かなり丁寧に作られていて、装着したままでも電池や SD カードの出し入れが可能。最近はカメラの下取りサイクルが短縮化傾向にあって専用ケースは(下取り価格があまり付かない事もあって)極力避けているのだが、このケースは買う価値がある。

磁石による脱着でフロントカバーがすっと外れるので、普段はレンズキャップをせずにこのカバーに入れておくと、急なシャッターチャンスを逃さない。また、撮影が続く場合はフロントカバーをホックで外して、ボトムケースとして利用可能である。

以前初代の X100、そして X100T を利用していた事もある(レビューはこちらの過去エントリー御参照)ので、操作に迷うことは無い。AF の高速化や、OVF / EVF 切り替えがスムーズになった点は素直に嬉しい。フォーカス・レバーによる合焦点の移動の容易さも、事前チェックの通り。

露出補正やシャッタースピード、絞り値の変更に加えて、X100F からは ISO 値もシャッターダイヤルを引き上げて回す事で自由に変更できる様になった。アナログ・カメラに親しんできた当方世代は、迷い無く利用可能で有難い。

小型のカメラ形状は、撮影している時にも自然で威圧感が無い。シャッター音も控えめにパチリという感じで、街角撮影にはもってこい。早速、中野の夜の街に出て撮影。最近の FUJIFILM のカメラに採用され始めた、高精細のモノクロ・フィルムシミュレーションモードの「ACROS (アクロス)」と、カラー撮影を比較してみる。中野の路地裏の灯が浮かびあがる様で、夜の闇に浮遊しながら撮影している様な、不思議な感覚に捉われる。情緒的なシーンを撮影できるこのカメラは、世代を経て熟成されて、アナログな視点や操作をデジタルに小気味よく変換してくれる。最近は鞄を持たず手ぶらで外出する機会が増えたが、このカメラだけは持って行く事が多い。

以下、いくつか ACROS によるモノクロとカラーの対比作例写真を。その他多くの作例写真は、いつもどおりこちらの flickr album でご覧いただければ、と。














2017年2月19日日曜日

CP+ 2017 で注目の Pentax KP、FUJIFILM X100F、Canon PowerShot G9X MarkII を一挙に下見

さて、今年も国内最大のカメラ製品展示会 CP+ 2017 がパシフィコ横浜で来週から開幕。事前の情報を見ていて、新登場デジカメの中で気になった3機種は全て CP+ 開幕日の2月23日に発売。CP+ 会場内では新製品展示の前では相当長い列が出来るという経験則もあり、これは事前に都内のカメラメーカーショウルームを巡って各機種を触って置いた方が良かろう、と、まずは新宿西口センタービルの RICOH (Pentax) Imaging Square へ。

最初に触ってみたデジカメは、暗所性能を高めたデジイチ、Pentax KP 。残念ながらショウルームに暗い場所が無くその高感度特性を調べる事は出来なかったが、コンパクトボディながらマグネシウム合金でカチッとした耐久性は十分実感出来た。カメラ本体で 703g (電池・SD込み)とそれなりに重みはあるのだが、Pentax お得意のパンケーキ型レンズを装着すれば総合重量は軽々。十分街角スナップでも取り回しが効くという印象。ボディを小さくしても、ダイヤル類は大きく操作し易いデザインとなっていて、撮影時のパラメーター変更も楽々。

嬉しいのは、とんがり頭の兄貴分 Pentax K-1 (K-1 のレビューはこちらの当方ブログご参照)ライクなペンタ部には、フラッシュがきちんと内蔵されている事。高く跳ね上がるので、大きめのレンズでも蹴られが生じる事は無さそうだ。フラッシュは多用する訳ではないが、瞳のキャッチライトや日陰で主題を際立たせる為に使う事が時々ある。中上級機ではフラッシュ非内蔵も増えているが、別になっていると持ち歩かなくなるので、きちんと内蔵されているのは有難い。


背面液晶は、上下・前後にだけ動くチルト式。横に開くバリアングル式よりこちらの方がシンプルで好み。下部に装着するバッテリーグリップ D-BG7 は、前ダイヤルや露出補正ボタンもあって、使いやすい印象。これを組み合わせるには、取り替え可能なグリップのうち、グリップ L が必要になる(KP に標準装備されるのはグリップ S)。防塵防滴耐寒、タフなアウトドア・モデルとして、長期に利用を続けられそうなミドルクラス・デジイチとの印象で、息長く売れるのでは無いか、との予感。Pentax らしいカメラ作りが、随所に光っている。

そして次は、六本木の FUJIFILM Square へ。ミッドタウンにあるフジのショウルームは、写真展スペースも広く、明るく、説明員の方も新型カメラに詳しく、他社の同様施設と比較し天井も高く居心地が良い。ちょうど GFX や X100F などで撮影した写真展、X Photography が開催中。新型カメラの大型作例写真も多数なので、カメラを見るついでに是非お寄り頂きたい。写真展での撮影・SNS 投稿も約束を守れば自由となっていて、さすがフジは世の中の動きをしっかり理解している、と感心もする。

目指すカメラは FUJIFILM X100F。前機種の X100T は以前利用していたのだが(レビューはこちらの当方ブログご参照)、描写は情緒的で素晴らしいものの、AF 速度が少し遅く感じられて手放していた。新機種のファインダーを覗くと、最近の X シリーズ同様に AF 速度はきびきびとしていて、十分な印象。EVF/OVF の転換もスムーズかつ安定していて、さすが熟成されたモデル。そして一番の注目は、背面の、最近の X シリーズ上級機に採用されているジョイスティック。これでフォーカス位置を変更出来るのは、Panasonic Lumix で EVF を覗いたまま液晶画面を指でなぞって変更する方法よりもスマートで、指先のわずかな移動でフォーカスポイントを動かせるので大変効果的。これを使うと他の方法には戻れない程、便利。

同じ展示コーナーに X-Pro2 グラファイト・エディションと同色の 23mm f2 レンズの展示もあって、カラー的には惚れ惚れする美しさ。X100F にもきっと数ヶ月待てば同様の限定カラーモデルが出るのだろうが、現行 X100F も X-Pro2 + 23mm レンズの組み合わせと比較し、CMOSサイズ、映像エンジン、レンズ焦点距離・明るさは全く同じ。そして価格はほぼ半分近い。フルサイズ換算 35mm 画角のこのレンズをつけっぱなしで使うとしたら、より小型軽量の X100F は日常スナップの為に持ち歩くには、より便利、という事になる。

せっかくフジのショウルームに来たから、ということで、中判デジカメの GFX 50S も実機を試写。EVF を覗いたとたん、その高精細な画像と、GF 63mm f2.8 レンズのボケ味の美しさに、ほおっとため息が漏れる。普段利用しているデジイチと比較すると多少大きめではあるが、十分携行出来るサイズ。上下左右にチルト可能な EVF は、ぜひ通常のデジイチにも採用して欲しい便利さ。右肩の小さな液晶ディスプレイの表示も読みやすく、操作系統は X シリーズになれたユーザーなら迷いは無いはず。プロ用で本体・レンズ込みで百万円もするので手は出ないが、触ると APS-C や フルサイズ CMOS のデジイチとの違いが良くわかる...と、色々見たが、X100F は今後の街角スナップメイン機として非常に良い、という感触を強く持つ事が出来た。

さて最後は、銀座・三越裏のキヤノンデジタルハウスへ。こちらで見るべきものは、最近発表になった新機種ラインナップのうち、206g と軽量ながら1インチ CMOS を搭載した小型コンデジの Canon PowerShot G9X MarkII。兄貴分の PowerShot G7X MarkII も使い勝手が良く登板が多いコンデジだった(詳細は、こちらの当方ブログレビューご参照)が、少し重くかさばる、という事で、同じ DIGIC7 映像エンジンが導入されたことをきっかけに、より薄くて軽い G9X MarkII への乗り換えを図る事にした次第。

まずは本体カラー比較。茶色の革張りの様なグリップ部のデザインで、シルバー色もかなり魅力的。Pentax KP や X100F はブラックを選びたいが、小型の本機種はかなり色で迷う。だが、以前ぶらぶらカメラ師匠から「プロカメラマンは、窓ガラスなどへ写り込んでしまうリスクのある色を避けて黒ボディーを選ぶのである」と教わった事を思い出し、やはり G9X MarkII も黒で行こう、と決心する。ぶらぶらカメラ師匠、三井公一カメラマンによる G9X MarkII レビューは、こちらの日経トレンディのサイトをご参照頂きたい。

三井さんのレビューで殆ど良い点も語られているので付け加える事も無いのだが、前モデルのG9X (実はそれも使っていた事がある)では暗い場所でフラッシュ撮影をした際、フォーカスがずれる事もあったので、それが治っている事を願っている。当方はこのカメラは広角端で使うことが多くなると思われるので、FUJIFILM X100F の 35mm 相当 でf2 のレンズとあわせ、28mm f2 のレンズが 209g で手に入るというのは交換レンズを揃えるより手軽で良かろう、という判断。

今回の CP+ 2017 前の新機種見学都内フォトウォーク(その他の写真は、こちらの flickr album でどうぞ)では、一部機種のみを見に行ったが、来週の本番ではより多くのデジカメ新機種と周辺機器掘り出し物を見聞できるはず。SIGMA も新しいレンズ発表を準備しているとの観測記事もあり、楽しみ楽しみ。来週は、横浜でお会いしましょう。






2016年2月21日日曜日

[Review] FUJIFILM X70、RICOH GR シリーズを凌ぐ、28mm スナップカメラの完成度

予約して待っていた FUJIFILM X70 がようやく、正式発売となった。28mm レンズと APS-C サイズでデジイチ並の大きさの CMOS を備えた高級コンデジとしては、(かつての NIKON COOLPIX A もなりを潜めて) RICOH GR シリーズ一択の時代が続いていたが、やっとそのライバルが出現した訳だ。発売されるまでは、 FUJIFILM X30 の延長にあるのだろうと思っていたのだが、実物を触ってみるとその質感や UI から、FUJIFILM X100 シリーズやミラーレスカメラの X-T10 から EVF を取り除いて小型化し、さらにブラッシュアップした万能スナップシューターとしての位置付けが強いと実感された。

X100、X-T10 そして X-T1 で好評を博している、独立したシャッタースピード、絞りダイヤルを持ち、伝統的なアナログ操作感と先端デジタル技術に基づく高い機能性を融合させたそのスタイルは、クラシックカメラ・ユーザー、そしてスマホからステップアップしてくるデジタル・ネイティブ世代双方に受け入れられ得る資質を備えている。

X70 を手にしてまず気づくのは、ボディのしっかり感。背面の可動液晶やダイヤル、ボタン類のひとつひとつ迄きちんと作り込まれて居り、電池込み 340g の質量より、最初はズッシリと感じられる。そしてこのしっかり・ずっしり感はそのまま、日々利用する上での安心感につながる。シルバーモデルのシャッターボタンの色合い、作り込みがまた素晴らしい。黒でなくこちらを選択した理由はここにある。


当方は普段、FUJIFILM 製のミラーレス機、X-T10 を利用していたのだが、軍艦部右肩の辺りのボタン配置は、X70 とほぼ重なるので、その点からも利用し易い。シャッターボタン周囲に電源 ON/OFF スイッチが配置されているのも、咄嗟のスナップチャンスに備える X70 の素性に見合うものだ。X70 では、X-T10 では左肩にダイヤルとして設置されていた「DRIVE」ボタンが右肩に置かれていて、連写やブラケティング、パノラマ撮影はこのボタンを押す事で瞬時に切り替え可能となっている。

再生ボタン、削除ボタンが可動液晶上部に配置されている点はユニークだ。可動液晶を好みの角度に固定したままで、再生・削除操作が手軽に出来る。そして X シリーズでは初となる(意外!)タッチ液晶の搭載も、GR と比較したアドバンテージ。液晶画面右手のソフトボタンを押す事で、OFF/SHOT/FOCUS が切り替わる。SHOT モードは一押しすると押した場所にピントを合わせて撮影迄完了してくれる。FOCUS モードでは、合焦位置を指先で指定出来る。もうすぐ発売される最上級機、X-Pro2 ではジョイスティックでフォーカス位置を自由に変えられるのだが、液晶上を指先で触れて合焦点を変えられる本機も中々便利だ。

そしてもう一つ。レンズ周囲の刻みが入ったコントロールリングを回すと、設定次第で多くの機能を呼び出せる。デフォルトでは、銀塩フィルム換算 28 - 35 - 50mm とクロップ範囲が瞬時にフル画面に表示されて切り替わるので、まるで超高速に動作するズーム機能を使っているかの様なフィーリングだ。APS-C サイズと大きな CMOS を使っているので、クロップ後の画像も Web 等で見る上では全く問題無い品質に仕上がっている。広角レンズから標準レンズ相当の画角まで、この一台で十分使いこなす事が出来る。勿論、マニュアルフォーカスモードに左前面のボタンで切り替えると、このリングがフォーカスリングになる。背面右上のダイヤルを押すと、フォーカス部分が拡大され、ピント合わせを行い易くしてくれる。

本日土曜日はあいにくの雨模様であまり撮影枚数を稼げなかったが、室内・屋外で、いくつか作例写真も撮影したので参考までご覧頂き度い。(flickr Album の作例写真はこちらからどうぞ。)

これまで利用して来た X-T10 + FUJINON 18mm f2 パンケーキ・レンズの組み合わせ(その組み合わせの flickr Album もこちらに。)と比較して、ずっと小型で薄型になりながら、撮影画質はほぼ同等だ。CMOS、映像エンジンが同じなので、当然といえば当然なのだが、普段散歩中に写真を撮影する事が多い当方にとっては、この小型・軽量化は非常に嬉しい。

RICOH GR シリーズと比較した X70 のアドバンテージとしては、まとめると、

・背面液晶が、180度反転の自分撮りも可能な可動タイプ
・アナログダイヤルが豊富(絞り・シャッタースピードも専用・独立ダイヤル操作)
・1/4,000 秒迄のメカニカルシャッターに加えて、1/32,000 秒までの電子シャッターの装備
・スマホと繋いで使う WiFi 画像転送アプリ FUJIFILM CAMERA REMOTE が使い易い
・デジタル・テレコンの操作が容易
・重厚なボディの造り
・充電用の USB が特殊ではなく通常のマイクロ USB ケーブルで OK
・富士フィルムならではの、アナログフィルムを模したフィルム・シミュレーション

などが挙げられる。一時代を築いて来た RICOH GR にも良い点はたくさんあるものの、X70 の挑戦を受けて、次期 RICOH GR3 はさらに操作性・機能を磨いて来るに違いない。その競争の行方を見守りつつ、今は FUJIFILM X70 を使って行こうと思う。

困るのは、X70 が良すぎて、今後購入予定だったより大きな上級カメラがもう必要無いかな、と迄思えてしまう事。まずは2月末に迫ったパシフィコ横浜での CP+ で、各モデルをチェックせねば。SIGMA からも新製品は出るのだろうか。




2016年1月17日日曜日

CP+ 2016 の開幕を2月25日に控え、デジクマ的に気になって仕方が無いデジカメ3点

今年はパシフィコ横浜 + 大桟橋2会場で開催される日本最大のカメラ展示会、CP+ 2016 があと1ヶ月ちょっと、と迫っている。まだ時間があるので、直前に発表される新製品も多いと思われるが、CES (Consumer Electronics Show) の関係もあって、1月半ば時点でいくつか面白い新カメラの発売が発表された。

Nikon 党の皆様は Nikon D5Nikon D500 が気になって仕方がないだろうし、情報が少な目の Canon 党はそろそろ EOS 6D Mark II が出るのでは、と疑心暗鬼になっているかもしれない。しかし当方的には、最近デジカメでは Panasonic シフト、FUJIFILM シフトが強まっていて、この2社から発表された2月発売予定のカメラが気になる。

まずは Panasonic。満を持して発表されたのが、1インチ CMOS + EVF + 10倍ズームの Lumix TZ100 (dpreview の英語レビューはこちら)。まだ海外でしか発表されていないのだが、4K Photo / Video にも対応する、旅行にピタリの TZ70 からの進化版。CMOS が大きくなって高精細画像が期待出来る。EVF のサイズが 0.2 インチと小さいが、コンパクトなサイズに貢献している。Sony のライバル機種と比較し、EVF の引き出し動作が必要無いというのは、スナップカメラとして使い勝手が良いはず。

そして FUJIFILM からは、RICOH GR II のライバルとなる、スペックもかなり近い FUJIFILM X70 (dpreview の英語レビューはこちら)。EVF は残念ながら採用されていないが、大きくチルトが可能なタッチ液晶画面は魅力的。GR II の最大の欠点となっている WiFi 時のスマホへの画像ファイル転送の使い勝手・速度も、FUJIFILM の方にまだ分がありそうだ。最近 GR II を見限って手放したばかりだったので、X70 の登場は嬉しい誤算。早速これは予約した。

FUJIFILM からもうひとつ、フラッグシップ機として3年ぶりに新機種が登場した光学ファインダーと EVF ハイブリッドの FUJIFILM X-Pro2 も、最初はそれほど注目していなかったのだが、ACROS モードという、フィルムの Neopan ACROS に近い微粒子的な白黒フィルムシミュレーション機能があると知って俄然注目。LEICA M モノクロームと比較し(まああちらはフルサイズなので直接は比較出来ないが)、1/5 の価格で、繊細な階調の白黒撮影が出来るかもしれないと期待している。海外サイトでは、こちらこちらで、ACROS モードの作例写真が上がっているので参考にして頂きたい。

以上3機種が一番の注目機種だが、早耳カメラサイトのデジカメ Info によると、EVF 内蔵の Olympus PEN F や、LEICA の Summilux 23mm ベースの防水カメラ LEICA X-U type113 も控えているとの事で、こちらの発表も待たれるところ。

高級コンデジ中心に興味を高めている当方ではありますが、CP+ 前に、予想もしない様な更なるメーカー発表が楽しみです。黒川方面からも、もしかすると何か出てくるのでしょうか!?。どきどき。2月下旬開催の CP+ が待ちきれない今日この頃、であります。


2015年7月18日土曜日

オーシャンブリッジの高山さん、ネタフルのコグレさんと、綱島の会

大根男こと高山さんが最近手に入れた Fujifilm X-T10 (+23mm) と、当方の SIGMA dp0 Quattro を対決させるべく、ネタフル・コグレさんとともに綱島へ。高山さんブログ頻出で今や綱島の「聖地」感さえ漂う純喫茶カフェ・カルディ、そして川沿いの隠れ家的 BAR Namak Cafe へとお連れ頂きました。

高山さんをしっかり支える素敵な奥様と、好き嫌い無く大根もお刺身も大好きで成長著しい娘さんとも、美味しい和食店で久しぶりに 合流、楽しい時間を過ごさせて頂きました。



高山さんは、御自身の闘病体験をブログで積極的にシェアされて、その体験談が多くの同
じ病気で悩む方々を救っていて、人間として尊敬する、本当に素晴らしい方です。

そして今は半年続いた風邪が治って体調も良くなられた、ということで、いつもながらの止まらない高山節を拝聴しつつ、綱島の夜はググっと更けて行くのでありました。駅前には元祖ニュータンタンメン本舗もあり、完璧な綱島、ぜひまた伺い たいものです。

(Photo by SIGMA dp0 - flickr アルバムの写真はこちらからどうぞ)