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2018年1月21日日曜日

[Review] Canon PowerShot G1X Mark3 の高画質と機動性は上級ミラーレスに肉薄


最近のコンデジは以前より大型の1インチ CMOS (撮像素子)を装備しているものが増えてきた。一方で、デジタル一眼レフ並の更に大きな APS-C サイズの CMOS (ちなみに、1インチ CMOS と面積比較をすると、APS-C は約3倍弱にもなる)を内蔵した機種というのは、RICOH GXR のレンズユニットあたりから始まり、FUJIFILM X100 シリーズや RICOH GR シリーズで受け継がれたものの、ズーム・レンズを備えた APS-C 小型機は、なかなか登場せずにいた。

APS-C サイズに対応するレンズ・ユニットの開発やコストの問題だと思われるが、むしろ、各カメラ・メーカーが注力する領域が交換レンズの売上も期待できる、レンズ交換式小型ミラーレス・カメラが中心となった事もあって、固定レンズの APS-C コンデジというのは、忘れ去られたかに見えていた。

しかし、Canon PowerShot G1X MarkIII が、APS-C 小型機分野のホープとして、昨年11月末、不死鳥の様に現れた。固定レンズの焦点距離 24-72mm 相当で f2.8-5.6 というレンズ・スペックは、ハイエンド・コンデジとしてはもう少し明るさを期待したいところもあるが、ボディ内に収まる沈胴式の小型レンズとするには、とりあえずこの辺りが無理の無い設計が出来る範囲だったのではないだろうか。


APS-C サイズの CMOS を積んで、電池・SD カードまで含めた装備重量はわずかに 399g。当方が普段利用しているフルサイズ・デジタル一眼レフの EOS 6D (装備重量 755g) + SIGMA 24-70mm f2.8 ART レンズ (1,020g) の合計が 1,775g にもなるので、レンズ込み 1/4 以下の総重量だ。Canon 製の二つのカメラを並べてみると、親カメ・子カメ、といった雰囲気。G1X MarkIII はこの大きさで、EOS 7D MarkII の 2,020 万画素を上回る 2,420 万画素の CMOS を内蔵している、というのだから、技術の進歩には目を見張るものがある。ボディやレンズの塗装も手を抜かず、しっかり仕上がっているところはさすが Canon。流麗なデザインも今風。握りやすいグリップの効果もあって、手にした時の安心感は、小型機ながらかなりのものだ。

実際に各所で撮影してみると流石に、f2.8 通しの素晴らしいフルサイズ対応のレンズ描写力には及ばない(ちなみに EOS6D と SIGMA 24-70mm f2.8 DG Art レンズの作例写真はこちらの当方 flickr アルバムでご確認を)ものの、コンデジでここまで写るのか!!、という撮影結果は、昼夜の撮影でも十分確認できた。G1X MarkIII の作例写真は、ぜひ当方の flickr アルバムでご覧頂きたい。

困った事に、この大きさ・重さで手軽に撮影出来てしまうと、これまで使って来た m4/3 や APS-C CMOS のレンズ交換式ミラーレス・デジカメの出番が今年は随分減ってしまうかもしれない。24-600mm まで撮影可能な 1インチ・デジカメの Sony CyberShot RX10 MarkIV あたりには「小型で超望遠」という他に無い武器があるので何とか厳しいデジタルベアーズ・デジカメチームのポジション争いを生き延びそうだが、突然 G1X MarkIII の様な軽量で機動性の高いルーキーが参加すると、そのポジションを奪われるカメラも今年は続出するかもしれない。まずは G1X MarkIII をしっかり活用してみるとしよう。今年最初の1台、とりあえずそのパフォーマンスの高さに満足です。

2017年11月18日土曜日

[Review] スマートスピーカー Google Home Mini をまずは設定してみる

ライバルの Amazon Echo の招待がいつまで待っても来ないので、とりあえずは Google Home Mini から利用開始する事に。冷たい雨が降る日はこういう新ガジェット設定には好適。初期設定は iPhone で Google Home アプリをダウンロードして、Google アカウント設定や利用場所の指定をするだけで簡単。音楽サービスはとりあえず繋が無い。

Mini は小型だが可愛い丸型で声に反応する感度も良く、隣の部屋からでも音声コマンドを聞き分けてくれる。日本だと「OK Google」より「ねぇ Google」が自然なので、ついついそれで話しかける事になる。Web 検索で、現在 Google Mini が対応可能なサービス種類をいくつか確認して、音声認識と動作テストを繰り返す。

今のところ実用的なものは、目覚まし時間設定・音声でオフ、ベッドから暗闇でも時間確認(「ねぇ Google、 今何時?」)、天気予報(「ねぇ Gogle 、明日の千代田区の天気は?」)、Google Calendar 連携によるスケジュールチェック(「ねぇ Google、月曜日の予定は?」、経路(「ねぇ Google、〇〇駅までの経路は?」、で最寄駅の電車出発時間も教えてくれる)、株価チェック(「ねぇ Google、〇〇の株価は?」)、自動翻訳(簡単な単語なら、複数言語に翻訳し発声。「ねぇ Google、美味しいを中国語で」)、ニュース(「ねぇ Google NHK ニュース?」で NHK 最新ラジオニュースを Stream)などなど。

食べログなど外部アプリも、アプリ名を指定してから駅名と食べ物ジャンルを伝えると人気の店を数店教えてくれるが、テキストの逐次読み出しに時間がかかるので、これはディスプレイが欲しいところ。買い物リストへの商品追加はかなり正確だが、音声では削除などリスト編集出来ない欠点も。

もう少し対応範囲が広がると面白いのだろうけど、対応できるサービス種類は日本語版ではまだ限定的。一方、日本語音声認識の精度の高さには今更ながら驚かされる。Alexa 日本語版と早く比較してみたい。ただ、この engadget 記事によるとまだ amazon echo 日本語版も漢字読み上げに難がある様で、このあたりはスマホや PC 向けエージェントサービス提供により、日本語音声認識・かな漢字テキスト読み上げの歴史が長い Google や Apple の方が得意なのかもしれない。

他方、当方メイン利用の音楽サービスは Apple 系、なので、来年に発売が伸びたとの報道があった Apple HomePod も気になるところ...気づくと3社分の Smart Speaker が揃ってしまいそうで、今から使い分けをどうするか悩ましい次第。



2017年11月15日水曜日

[Review] ネオ一眼 Sony CyberShot RX10 Mark IV は iPhoneX を補完する万能デジタルカメラ


広角から超望遠迄の幅広い焦点域をカバーする高倍率ズーム・レンズを備え(銀塩フィルム換算 24-600mm)、しかもそのレンズは全域で明るく (f2.4-4) 、複数の重いレンズを持ち運ぶ必要が無い「ネオ一眼」と呼ばれるジャンルのカメラ。

最近品数が増え始めていて、欧米ではブームになりつつあると聞いていた。当方は複数機種を試しては購入の決断にまでは至らず、という状況が続いていたのだが、思い入れを持てない理由はレンズの品質と AF の不完全さにあった。

AF スピードと確実性に確信が持てず、そして CMOS サイズや映像エンジン性能による画質の不十分さもまだまだあった。それはあくまで、上級モデルのデジタル一眼レフや最新のミラーレスカメラとの比較によるものだったのだが。

しかし最近になって、Panasonic Lumix FZH1 が登場したあたりから、風向きが変わって来た。既存の中・上級デジタル一眼レフ・ユーザーでも満足が行く程の光学・デジタル仕様を兼ね備えた本気の上級モデルのネオ一眼が、市場に出始めたのである。価格的にも、上級モデル相当ではあるのだが。当方も店頭でテストを重ね、ついに手に入れてしまったが最新機種の Sony CyberShot RX10 Mark IV。早速ブログ・レビューを行ってみたい。

電子ビューファインダー(EVF)を覗いた時の、ミラーレス・カメラ上級モデルに近い視野の広さ(0.7倍)と高精細な236万画素の OLED 液晶は表示の遅さも感じられない。

Zeiss Vario Sonnar T* レンズは6枚の非球面レンズを装備。そして何と言っても最新モデルの Mark IV に奢られた AF スピードとその性能に感銘を受けた。コントラスト AF と像面位相差 AF を組み合わせた「ファストハイブリッド AF」は、なんと 0.03秒で AF 合焦できる世界最速を誇る。

315点と多数の AF センサーで、高速に動く被写体も逃さない。Sony のショウルーム説明では、「AF は当社の α9や α6500 に負けない性能です(きっぱり)」。実際店頭で EVF を覗いてテストしてみると、確かに凄まじく高速であることを実感。これなら良かろうとついに「あなたの街のカメラ店、フジヤカメラ」で購入を決断。

早速撮影テストの為、本機を連れ出した先は葛西臨海公園・鳥類園。京葉線の駅から徒歩すぐの場所で、水辺の鳥を気軽に撮影出来るディズニーランド手前の埋立地の公園だ。

荷物を詰め始めて、ネオ一眼の利点にはすぐに気付く。これまで野鳥撮影には EOS 6D に 70-300mm レンズと SIGMA の 24-70mm f2.8 ズーム、或いは FUJIFILM X-E3 に 18-55, 55-200mm ズームレンズの二本、といった重量感のある組み合わせで出かける事が多かったのだが、これが1台で済んでしまう。しかも 24-600mm と、超望遠域までこのコンパクトさでカバー出来てしまうのである。

長時間、ぶらぶら撮影や旅行に行く時には、この身軽さが武器になる。電源オフ時にレンズが沈胴し、本体側に重さのバランスが来るので、肩や首にかけても持ち運びが苦にならない。長くて重い通常の望遠ズーム・レンズとはここが大きな違い。長いレンズは、持ち運びで嵩張るし、重心バランスの取り方が難しい。

もちろん、デジイチやミラーレス専用のレンズはそれぞれ素晴らしく作り込まれているし、仕上がり画質は申し分無い。だが、良いシャッターチャンスというものは突然、広角側に来たり、望遠側に来たり。その都度レンズを交換するのは非常に面倒。交換時に埃が入る可能性にも慎重にならざるを得ない。それに比べると、ネオ一眼は、本当に気軽なのである。

コンパクトで、しかも高性能を兼ね備えてしまえば、ネオ一眼を使わない手は無い。超望遠端の 600mm は、遠くに居る野鳥撮影には少し足りない部分もあるが、1インチ CMOS と大きめの CMOS 装備なので、トリミングをしてもそれなりに画像を楽しめてしまう。ここに載せた鳥や飛行機の写真は、オリジナルから切り出して居る。




左手に見えるディズニーランドを 24mm の広角レンズで葛西臨海公園の浜辺からまず撮影し、それを 600mm 超望遠で引き寄せると、豆粒ほどだったシンデレラ城の様子が詳細にわかる。


さてその後は、午後3時発の水上バスで、葛西臨海公園からお台場経由、隅田川を遡って両国まで、1時間半のゆったり船旅。ここでも、CyberShot RX10 Mark IV はいかんなくその実力を発揮してくれた。このあたりを船で走ると、なぜかカモメがついてくることが多いのだが、揺れる甲板の上から飛翔するカモメに 600mm 超望遠レンズでピントをしっかり合わせるのは、通常のカメラではなかなか大変。しかし RX10M4 のAF は、特に気合いを入れる必要も無く、Continuous AF モードで動体に追随、難なく撮影をこなしてくれる。偶然交差した飛行機との一瞬の構図も、バッチリ決まるのである。これには恐れ入った。運動会他の動く被写体撮影機会でも、これならそれほど肩に力を入れず、リラックスして撮影をこなせるはずだ。

iPhone8 や iPhoneX の登場で、日常の広角から標準画角の撮影はもっぱら高性能なスマホに任せる事が出来る様になった昨今、スマホとは圧倒的に違う画角、迫力のある写真を、しかしスマホを扱う様なライトな気持ちで超望遠域まで拡大して撮影出来るカメラとして、ネオ一眼はスマホだけに飽き足らないユーザーに受け入れられて行く様に思う。最後に超望遠の圧縮効果の写真をサンプルに置くが、船の科学館、レインボーブリッジ、東京タワー、六本木ヒルズを1画面に寄せるというのはスマホ画角ではなかなか難しいのである。

ここ一番の、失敗出来ない記念撮影をしたい時にはデジタル一眼レフを引っ張り出すことになるが、当方もそれ以外はスマホとネオ一眼で。腰にも優しい、良い時代になったものだ。

(追記)夜景作例写真など、Sony CyberShot RX10 Mark IV で撮影した写真は、こちらの flickr album に貯めていくので、興味ある方は時々見てみてくださいね。

2017年11月13日月曜日

[Review] iPhoneX 内蔵カメラで撮影する秋景色(作例写真多数)

新しい iPhoneX を手に入れると、利用時間の恐らく半分はカメラとして使っている気がする昨今。iPhoneX はこれまで使って居た iPhone7 Plus と比較して多くの機能向上がある、という事だったので、大変期待を持って本日は屋外撮影に。紅葉する中野駅北口の四季の森公園の風景や、いつもの中野北口の裏道街角を撮影したので、作例写真はいつも通り、こちらの flickr アルバムをご覧頂き度い。


iPhone8 Plus 以降で導入された、ポートレート・モードでスタジオやステージ照明の効果が使える機能は色々試してみると、まだ完全では無いがなかなか面白い。ステージでは、背景がブラックアウトして、主題となる被写体がカラーや白黒でグッと強調される形になる。当方の様に髪にグレーが混じって背景が明るいと、境界が不鮮明になるので輪郭を判断しづらい様だが、黒髪の場合は、ほぼうまく切り取りが出来ていた。

背景ボケの効果も、iPhone7 Plus に導入された初期から、かなり改善されつつある様だ。この連続する提灯のボケ方も、なかなかに味わい深い。背景をぼかした写真と、普通に撮影された写真と両方が保存されるので、比較してみるとその効果を更に実感できる。iPhoneX からは、フロント・カメラでも標準画角のままでボケの効果を楽しめる様になった。二眼を備えた背面カメラで行うポートレート・モードとは違って、Face ID でも利用する赤外線カメラやドットプロジェクター等の TrueDepth のセンサーやカメラ群を活用して、主題と背景を切り分けてボケを作り出している様だ。いずれは背面カメラもこの方式に切り替わるのだろうか。

手のサイズが大きい当方には、iPhone7 Plus の大きさが、しっかりホールド出来て安心感が持てる部分もあったが、iPhoneX の一回り小型サイズも、慣れれば安定して持つ事が出来る様になる。二眼レンズ部分が縦デザインに変わったので、本体を横に持った時にはレンズは横並びとなり、左手の指でレンズ下方を誤って隠してしまう様な失敗も、減ると思われる。

そして多くの iPhoneX ユーザーが指摘している通り、鮮やかな有機 EL ディスプレイ導入による再生時の画像再現性は感動レベル。レンズの開放 f 値は iPhone8 などと比較し望遠端 52mm が f2.8 から f2.4 になった程度だが、明るく美しい画像が表示されるので撮影枚数がついつい増えてしまう。

最後に、夜景撮影機会も多い当方に嬉しかったのは、iPhone7 Plus と比較しての、暗いシーンでのノイズの少なさ。作例の夜の写真で確認を頂きたいが、暗い部分もきりりとしまった絵作りになっている。暗所に強い Sony の裏面照射型 CMOS センサーを使い、そして映像処理ロジックを変えた合わせ技との事だが、これまで気にかかる事が多かった暗い場面での iPhone 写真特有のノイズの多さ、が大きく軽減されている。コンパクトカメラをスマホがあっても手放せない理由のひとつが暗所ノイズだったのだが、iPhone8 や iPhoneX の新世代スマホ・カメラからは、それを気にする事も無くなりそうだ。

Sony CyberShot RX0 という 24mm 単焦点レンズ、1インチ CMOS を備えた超小型カメラの導入も、iPhoneX がしばらく手に入らないなら、と、かなり真剣に考えていたのだが、iPhoneX 作例写真の仕上がりを見ると、iPhoneX だけでも当面は良いかな、とも。しかし1インチ CMOS で仕上がる写真の高精細さはまだ気になる....。

カメラ機能に惹かれて iPhoneX 新規導入検討中の方、こちらの flickr アルバム作例写真は逐次追加して行きますので、よろしければ参考にしてくださいね。現在は TrueDepth 部分に使う部品などが足りなくて、生産が遅れている様ですが。


2017年11月12日日曜日

[Review] iPhoneX ケース選び、背面に四枚カードが入る simplism Nuno BackPack

偶然の出会いで iPhoneX を無事入手出来たので、さて次はケース選び。表裏ともガラス面積が大きい iPhoneX は落とすと割れやすいとの記事も多いので、万が一に備えてのケースは必須。Suica でなく Pasmo 通勤の当方は、残念ながらまだ iPhone に定期を電子的に統合できないので、物理的にカードが入るケースを色々物色。

定期券サイズのカードを携行可能なケースは、1−2枚だけ入るスペースが背面に隠れた薄型ケース、カバーの裏に複数カードを入れられる手帳型ケース等の品数が多いが、以前 iPhone7 Plus でも様々なスタイルのカード携行可能ケースを試した結果、薄型では必要なカード全てを入れる事が出来ない(最近は名刺入れとしても使う事が多い)、手帳型は写真を撮影する時に表蓋が邪魔になる、といった欠点があった。

こうした欠点を補ってくれたのが、RAKUNI 製の背面に複数カードを収められるケースだった。こればかり毎日利用していたので、写真の通りもうボロボロになってしまったが、背面に複数カードを収められる便利さは一度知ってしまうと他のスタイルに変えられない。定期券や名刺、カードキー等を入れると、パスケースや名刺入れが不要になり、これに全て統合出来、カメラとしてスマホを利用する時にも面倒が無く、画面も蓋を開けることなく即利用可能になる。

iPhoneX でも同様のケースを、と量販店を探したところ、見つけたのが simplism の NUNO BackPack ケース。RAKUNI のものより、カードを納める部分がやや薄めで iPhoneX 用の為もあってか幅もそれほど余裕が無いので、カードを入れる時に少しきつめである点はあるが、使っているうちに馴染んでくる様だ。

このタイプのケース、各社から揃いつつあるので、今後とも Watch して行きたい。本家 RAKUNI から、早く iPhoneX 用を発売してくれると良いのだが、まだ検索しても見つからない。本家からの気合いが入った製品の登場も待ちたい。




2017年8月6日日曜日

[レビュー] Canon EOS 6D MarkII と EF 40mm f2.8 STM レンズの組み合わせで HDR 撮影

EOS 6D Mark II のファースト・レビューを一通り終えた(詳細はこの前のエントリーご参照)ところで、HDR 撮影をまだ試していない事に気づいた。初代 6D よりもエフェクトの種類が増えた HDR、これは実写してみるしかない。しばらく高品位ながら重い (1kg 超)の SIGMA レンズを装着して移動していたので、今回は超軽量・薄型の Canon 純正のパンケーキレンズ、EF 40mm f2.8 STM レンズを装着し、スナップ・スタイルに変身させてみる。レンズを付け替えるだけで、カメラ全体の印象は大きく変わる。なにしろ、レンズの厚みは 2cm 余りの薄さ。重さも 130g しかない。カメラ本体だけを持っているのかと錯覚してしまう小型軽量さだ。

初代 6D の頃からこの組み合わせを愛用していたが、デジイチをハンディに持ち出せるこの組み合わせは、鞄への収まりも良く、どうしても高精細な表現が可能なフルサイズ・デジイチを持って出かけたいが荷物の嵩張りは避けたい、という時には大変便利なコンビだ。

純正レンズ故、レンズ光学補正機能もデフォルトで働いている事を確認出来る。追って作例写真も紹介するが、写りはこの大きさとは信じられない程しっかりとシャープだ。円形絞りの効果で、背景の点光源も美しくボケる。

本レンズで一つ惜しいのは、標準レンズに近い焦点距離 40mm で、広角の画角がちょっと足りない事。少し大きくなっても良いので、28mm or 35mm 位の画角があると、常時装着スナップ・レンズとして完璧だ。パンケーキレンズのラインナップ強化は、是非 Canon にも検討して頂きたい。ちなみに、形が似ている EF-S 24mm f2.8 STM レンズは、 EOS 7D や 80D 等 APS-C CMOS のカメラに対応するレンズでフルサイズ用では無いので、注意が必要だ。

さて本題の HDR。撮影メニューの3番目から下にスクロールすると、「HDR モード」メニューが。こちらを展開し、D レンジ調整を HDR 自動か +/- 1〜3(プラス・マイナスする露出段数)に設定すると、HDR モードがオンになる。

一度撮影すると自動で HDR をオフにすることも、撮影を継続することも、メニューから設定可能だ。露出アンダー/標準/オーバーの3枚連続で撮影後、画像の微妙なズレを自動で位置調整してくれる機能もあるので、手持ちでの撮影も可能になっている。仕上がり効果は、5種類のエフェクトから選べる様になっている。ビンテージ調というのは、Olympus のアートフィルターで言うと「ドラマチックトーン」の様な仕上がりを期待出来る。一方で、油彩調では Pentax のデジタルエフェクトの「水彩画」の様に手書きの絵ソックリにはならないので、その点は実機で確かめて頂き度い。

いくつか HDR で撮影したが、その効果を最も実感出来るのは、相当な暗がりとあかりが混在するシーン。こちらの作例写真の flickr アルバム中、裏路地で提灯を撮影した写真を比較すると、標準で撮影した場合と、HDR (ナチュラル・自動)で撮影した場合の違いを、明確に実感頂けると思う。

こちらの作例写真アルバムでは、動画撮影も試してみているので、是非そちら(電車の動画)も視聴頂きたい。重いファイルになる 4K 動画機能は、普通に PC/Mac で再生する分には必要無いかも、という気持ちになりつつある。






[レビュー] 新登場フルサイズ・デジイチ Canon EOS 6D MarkII は 6D 初代ユーザーにもメリットの大きい新機種と実感

5年ほど前に発売された Canon EOS 6D 初代は、アクシデントで壊れる事があっても再び導入した位、気に入って使っていたフルサイズ・デジタル一眼レフだった。レンズ交換可能なデジタルカメラは、殆ど全てのカメラ・メーカーのものを利用してみたのだが、結局仕事でも使える、本体重量が軽くて使いやすい機種は 6D だった。多くのデジカメが、その機能検証を終えて手元を去って行く中で、いぶし銀の単独トップとして、デジタル・ベアーズ・デジカメプロチームの核として、活躍を続けてくれていた。

しかしその一方で、他社の最新フラッグシップ機種が撮影に便利な最新機能を物理的にも、ソフトウェア的にも数ヶ月単位で追加し、バージョン・アップを重ねる中で、6D 初代を仕事上で使い続けるには、いくつか問題も出て来ていた。最も困っていたのは、背面液晶を利用したライブビュー撮影時のピント合わせ。6D 初代発売当時は、光学デジイチでライブビュー撮影が可能なだけで凄い、という評判だったが、今となっては致命的に遅い合焦スピードが、撮影時に苦になっていた。昔のデジカメ AF の様に、フォーカスを前後にゆっくり行ったり来たりさせて、ピント合わせに数秒(!)を要するというのは、さすがに撮影現場では厳しい。殆どの撮影は光学ファインダーで行うにしても、ハイアングル撮影など、どうしても背面液晶で撮影せざるを得ないシーンというのは、生じてしまうのである。

そして先日発売開始された Canon EOS 6D MarkII は、漸くその遅さを改善してくれた。最近の Canon デジイチに導入が進む、撮像面位相差AF技術デュアルピクセルCMOS AF が採用された事で、高速かつスマートなピント合わせが可能になった。スマート、というのは、デフォルト設定の顔+追尾優先 AF で撮影すると、写したい対象をタッチ液晶(これも嬉しい変更の一つだ)上で指先でクリックするだけで、すぐに自動追尾撮影を始めてくれるのである。Canon のコンパクト・デジカメでは当たり前だった機能が、可動液晶画面とともに上級機である 6D MarkII にも移植された事で、本機が狙う広いユーザー層を理解する事ができる。

物理ボタンの配置も、一見初代と同じに見えるが、実は変更がいくつか行われている。当方が気に入ったのは、シャッターボタン左横に小さく、測距エリア選択ボタン、が移されたこと。これまで親指で押す背面にあったボタンが、一部機能は背面に残しつつ、人差し指で操作出来るこの場所に移されたことで、AF エリア変更が非常にやり易くなった。他社製デジイチは背面にジョイスティックを装備する事で AF エリア変更を可能としていて、これはこれで便利ではあるが、実はシャッター横で人差し指で操作できるとそれはまた軽快に扱えるのだ。6D MarkII の場合、45点のピント範囲が中央に寄っている事もあり、このボタンとその横のダイヤル操作で、光学ファインダー上に赤い液晶表示でオーバーレイさせる AF ポイントやピント範囲を、自由に移動させる事が可能になる。これはぜひ手に取って試して頂きたい部分だ。

手が大きめの当方としてもうひとつ嬉しいのはグリップの大型化。初代より深いグリップになって、片手で持ち易くなった。それでも SIGMA の明るい 24-70mm f2.8 DG ART レンズ(当該レンズのブログ・レビューは以前のエントリーをご参照)装着では重さも感じるが、軽いレンズを装着すると、デジイチオペレーションが気軽にシングル・ハンドで行える様な、握りの良さなのである。(手が小さめの方には、やや大きすぎると感じられる事もあるかもしれないが。)

外見では気がつきにくいが嬉しい変更は、何といっても映像エンジンが最新 DIGIC7 になったこと。これで常用感度 ISO 40,000 までの対応が可能になった。連写速度もフルサイズで秒6.5 コマに。高速なレースカーでも撮影しないのであれば、連写機能はこれで十分。内蔵マイクも初代のモノがステレオ対応になって、動画は 4K 対応はタイムラプス動画しかないものの、HD 60コマ・秒には対応し、十分実用的。個人的に驚いたのは、レンズ光学補正機能を試してみると、SIGMA が最近発売した 24-70mm f2.8 DG ART の補正にも対応していた事。

ジェットダイスケさん指摘で、実は初代もその機能があるはず、と初代にも装着してみると、これまた同レンズへの対応が初代 6D の背面液晶画面でも表示された。ふむ、と思って 今度は同じ SIGMA 社製の単焦点 24mm f1.4 ART を装着してみると、これは焦点距離は認識されるものの、各種光学補正には非対応の表示。それは初代 6D でも MarkII でも同じだった。ということは、レンズ側で対応・非対応の設定が変わるのだろうか。24mm もファームアップすれば認識されるのだろうか。メーカーからの正式発表はまだ無い様だが、ここはもうちょっと調べてみたい。いずれにせよ、他社製交換レンズの光学補正にも対応してくれるなら、それはそれで嬉しい事なのだが。

GPS は日本のみちびき、そして米・ロシア3種類の衛星に対応して精度をアップ、カメラ本体時計の時刻合わせも行える様になった。電源オフ時でも一定間隔で作動させる事が可能な GPS ロガー機能は、実は初代にも装備されていた様なのだが、GPS 機能は電池を食うだろう、ということで初代では殆どオフにしていた。3種の衛星対応で位置精度も上がったとの事なので、次の旅では活用してみたい。電池は初期キャンペーンではストラップ、SD カードとともに無料で頂ける様なので、予備電池の心配もしなくて済みそうだ。

その他、細かい変更では左肩のモードダイヤルのモード表示が単なる印刷でなく凹凸のあるものになったり、前面の EOS ロゴ表示は逆に白い印刷文字に変わったり。背面のマルチ電子ロックスイッチも、初代の横スライドスイッチから、レバー型に変更されている。HDR 機能は初代では強さを調整するだけだったが、MarkII ではグラフィック、油彩、ビンテージといった画像効果も加えられる様になった。これも今後実利用で試して行く事にしたい。

とりあえずはいつもの中野の裏路地夜景撮影と、昼間は「阿佐ヶ谷七夕まつり2017」の様子を撮影してみたので、EOS 6D MarkII と SIGMA 24-70mm f2.8 DG ART の作例写真として、こちらの flickr アルバムを参照頂きたい。まだ2日間の利用だが、初代 6D を使っていたユーザーには、そのままの操作感+高速な AF で、存分に活用できる新型、という事を実感出来た。







2017年7月9日日曜日

[レビュー] 七夕の日発売の SIGMA 謹製「彦星」レンズ、24-70mm f2.8 DG Art

七夕の日に、SIGMA が発売した最高性能 Art ラインのレンズ2本。当方は勝手に彦星レンズ (24-70mm f2.8 DG OS HSM Art) と織姫レンズ(14mm f1.8 DG HSM Art) と名付けたのだが、店頭で Canon EOS 6D に装着して試写するとそれぞれ特徴があって、なかなかに迷う。

これまで EOS 6D は仕事での利用を主体に大口径の SIGMA 24mm f1.4 DG HSM Art を利用してきて、その描写性能には大変満足している(作例写真はこちらの flickr リンクからどうぞ)のだが、そろそろ高品質な SIGMA レンズがもう1本欲しい、という気持ちになっている所にこの二本。






彦星レンズは、82mm 口径の文字通りの大口径常用域(広角 24mm から中望遠 70mm まで)のフルサイズ対応レンズ。ズームレンズだが、全域明るい f2.8 で、どの焦点距離でも綺麗な背景ボケが期待できる。一方の織姫レンズは、SIGMA 山木社長も自信作という、巨大な球面レンズを前面に配した 14mm  超広角ながら明るい f1.8 のレンズ。超広角レンズなのに開放絞り f1.8 ではしっかり背景ボケも楽しめるという凄い実力。



5年ぶりの待望のモデルチェンジとなった Canon EOS 6D Mark II 登場を8月末に控え、その高性能・高画質に見合うフルサイズ対応レンズ選びは、真剣にならざるを得ない。彦星も織姫も、それぞれに魅力あふれる力作レンズ。かなり逡巡したが....

結局、24mm f1.4 レンズを持っている事も踏まえ、ここは万能型レンズをまず装備しよう、ということで、彦星こと 24-70mm f2.8 レンズに決定。早速フジヤカメラの近所やブロードウエイ内で試写してみたところ....その性能は非常に満足行くものであった。

ピントがあった被写体はあくまでシャープに。そして被写体を綺麗に浮かび上がらせる、やわらかい背景ボケ味は、期待以上。広角端から望遠端まで、最短撮影距離は全て 37cm なので、接写からポートレートまで、円形絞り効果もあって、美しいボケ味を十分楽しめる。こちらの、左から3番目の裸電球にピントを合わせた 70mm 望遠端の作例画像で、そのボケ味はご理解頂けると思う。



その他、本日撮影した写真は、こちらのリンクの flickr アルバムでご覧頂き度い。彦星レンズの実力を、きっとご理解頂けると思う。EOS 6D に装着すると、太く短く、まるでバズーカ砲の様な迫力だが、1,020g の質量は大きな高品質ガラスを利用しているからこそ。本気の撮影の時には、やはりフルサイズ・デジタル一眼が頼りになるので、しっかり仕事をしてくれる万能レンズとして、彦星には今後も期待できそうだ。




2017年5月21日日曜日

[Review] アナデジ・インスタントカメラ、FUJIFILM instax SQ10 デジカメ機能のレビューをまずは

アナログ・デジタル両用のインスタントカメラ、FUJIFILM instax SQ10、まずはデジタル撮影品質がどうなるかということで、渋谷あたりでフォト・ウォーク。シャッター速度、絞りはお任せなのでスナップをパシャパシャと。

インスタント写真プリント機構が重いせいか、重量は結構あって 450g。露出補正を背面のボタンとダイヤルで細かく変えながら撮影するのがポイントか。左側面のボタンを Manual でなく Auto に設定すると、撮影後すぐに自動プリントされてしまうので注意が必要。

写真加工してから写真を選んで印刷するなら Manual モードにて。(通常のカメラ的感覚だと、Auto 露出と勘違いし、まず Auto に設定してしまいがちで、私もそれで1枚印刷を無駄にしました。操作マニュアルを読め、という事でしょうけど。)

最後まで慣れなかった操作は、1枚撮影して、次のコマの撮影を行う際にフロントのシャッター or モードボタンを押さないと背面液晶の撮影済み画像表示が消えない事。

即プリントすることが多いインスタントカメラとしての基本機能かもしれないが、本機では複数枚数撮影後に印刷する画像を選ぶオペレーションが多くなると思うので、ここは通常のデジカメと同様に数秒だけデジタル画像表示したら次の撮影に自動で移れる設定が欲しい気がした。おそらく ファームウェア・アップで対応するのでしょうけど。

まだプリントはあまり行っていないので、プリント品質評価は追って。

まずは、デジタルでの作例写真をいくつか、こちらの flickr アルバムにあげておきます。ご参考いただければと。


2017年1月22日日曜日

[Review] OLYMPUS mZuiko 30mm f3.5 は小型で使い易いマクロレンズ

結局、マイクロフォーサーズのメイン・カメラは OLYMPUS E-M1 Mark II ではなくPanasonic G8 に落ち着いたのだが、なぜかレンズは OLYMPUS 製を多用している。広角から望遠まで1本で済む 12-100mm f4 は手放せない便利さ(以前の当方のブログをご参照)だが、それ以外にも、17mm f1.8 など、数本を使い続けている。



最近当方ラインナップに追加となった新レンズが、30mm f3.5 マクロレンズ。マイクロフォーサーズらしい超小型レンズで、重さもわずかに 128g。11月に発売されて、OLYMPUS の新宿・オリンパスプラザショウルームで E-M1 Mark II の展示を見に行った際に発見したのだが、小型軽量で値段も手頃なのに、その実力は確かなものだった。




Panasonic G8 と組み合わせても、その実力は十分発揮される。最近、古いガジェットやら時計やらをアーカイブの為撮影したので、こちらの flickr アルバムをご覧頂きたい。作例写真をご覧頂くと、このレンズの良さをおわかりいただけるはず。



マイクロフォーサーズ・カメラのユーザーは、導入しておいて損の無い1本だと思います。