
広角から超望遠迄の幅広い焦点域をカバーする高倍率ズーム・レンズを備え(銀塩フィルム換算 24-600mm)、しかもそのレンズは全域で明るく (f2.4-4) 、複数の重いレンズを持ち運ぶ必要が無い「ネオ一眼」と呼ばれるジャンルのカメラ。
最近品数が増え始めていて、欧米ではブームになりつつあると聞いていた。当方は複数機種を試しては購入の決断にまでは至らず、という状況が続いていたのだが、思い入れを持てない理由はレンズの品質と AF の不完全さにあった。

しかし最近になって、Panasonic Lumix FZH1 が登場したあたりから、風向きが変わって来た。既存の中・上級デジタル一眼レフ・ユーザーでも満足が行く程の光学・デジタル仕様を兼ね備えた本気の上級モデルのネオ一眼が、市場に出始めたのである。価格的にも、上級モデル相当ではあるのだが。当方も店頭でテストを重ね、ついに手に入れてしまったが最新機種の Sony CyberShot RX10 Mark IV。早速ブログ・レビューを行ってみたい。

Zeiss Vario Sonnar T* レンズは6枚の非球面レンズを装備。そして何と言っても最新モデルの Mark IV に奢られた AF スピードとその性能に感銘を受けた。コントラスト AF と像面位相差 AF を組み合わせた「ファストハイブリッド AF」は、なんと 0.03秒で AF 合焦できる世界最速を誇る。
315点と多数の AF センサーで、高速に動く被写体も逃さない。Sony のショウルーム説明では、「AF は当社の α9や α6500 に負けない性能です(きっぱり)」。実際店頭で EVF を覗いてテストしてみると、確かに凄まじく高速であることを実感。これなら良かろうとついに「あなたの街のカメラ店、フジヤカメラ」で購入を決断。

荷物を詰め始めて、ネオ一眼の利点にはすぐに気付く。これまで野鳥撮影には EOS 6D に 70-300mm レンズと SIGMA の 24-70mm f2.8 ズーム、或いは FUJIFILM X-E3 に 18-55, 55-200mm ズームレンズの二本、といった重量感のある組み合わせで出かける事が多かったのだが、これが1台で済んでしまう。しかも 24-600mm と、超望遠域までこのコンパクトさでカバー出来てしまうのである。

もちろん、デジイチやミラーレス専用のレンズはそれぞれ素晴らしく作り込まれているし、仕上がり画質は申し分無い。だが、良いシャッターチャンスというものは突然、広角側に来たり、望遠側に来たり。その都度レンズを交換するのは非常に面倒。交換時に埃が入る可能性にも慎重にならざるを得ない。それに比べると、ネオ一眼は、本当に気軽なのである。




左手に見えるディズニーランドを 24mm の広角レンズで葛西臨海公園の浜辺からまず撮影し、それを 600mm 超望遠で引き寄せると、豆粒ほどだったシンデレラ城の様子が詳細にわかる。
さてその後は、午後3時発の水上バスで、葛西臨海公園からお台場経由、隅田川を遡って両国まで、1時間半のゆったり船旅。ここでも、CyberShot RX10 Mark IV はいかんなくその実力を発揮してくれた。このあたりを船で走ると、なぜかカモメがついてくることが多いのだが、揺れる甲板の上から飛翔するカモメに 600mm 超望遠レンズでピントをしっかり合わせるのは、通常のカメラではなかなか大変。しかし RX10M4 のAF は、特に気合いを入れる必要も無く、Continuous AF モードで動体に追随、難なく撮影をこなしてくれる。偶然交差した飛行機との一瞬の構図も、バッチリ決まるのである。これには恐れ入った。運動会他の動く被写体撮影機会でも、これならそれほど肩に力を入れず、リラックスして撮影をこなせるはずだ。

ここ一番の、失敗出来ない記念撮影をしたい時にはデジタル一眼レフを引っ張り出すことになるが、当方もそれ以外はスマホとネオ一眼で。腰にも優しい、良い時代になったものだ。
(追記)夜景作例写真など、Sony CyberShot RX10 Mark IV で撮影した写真は、こちらの flickr album に貯めていくので、興味ある方は時々見てみてくださいね。
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