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2017年8月6日日曜日

[レビュー] Canon EOS 6D MarkII と EF 40mm f2.8 STM レンズの組み合わせで HDR 撮影

EOS 6D Mark II のファースト・レビューを一通り終えた(詳細はこの前のエントリーご参照)ところで、HDR 撮影をまだ試していない事に気づいた。初代 6D よりもエフェクトの種類が増えた HDR、これは実写してみるしかない。しばらく高品位ながら重い (1kg 超)の SIGMA レンズを装着して移動していたので、今回は超軽量・薄型の Canon 純正のパンケーキレンズ、EF 40mm f2.8 STM レンズを装着し、スナップ・スタイルに変身させてみる。レンズを付け替えるだけで、カメラ全体の印象は大きく変わる。なにしろ、レンズの厚みは 2cm 余りの薄さ。重さも 130g しかない。カメラ本体だけを持っているのかと錯覚してしまう小型軽量さだ。

初代 6D の頃からこの組み合わせを愛用していたが、デジイチをハンディに持ち出せるこの組み合わせは、鞄への収まりも良く、どうしても高精細な表現が可能なフルサイズ・デジイチを持って出かけたいが荷物の嵩張りは避けたい、という時には大変便利なコンビだ。

純正レンズ故、レンズ光学補正機能もデフォルトで働いている事を確認出来る。追って作例写真も紹介するが、写りはこの大きさとは信じられない程しっかりとシャープだ。円形絞りの効果で、背景の点光源も美しくボケる。

本レンズで一つ惜しいのは、標準レンズに近い焦点距離 40mm で、広角の画角がちょっと足りない事。少し大きくなっても良いので、28mm or 35mm 位の画角があると、常時装着スナップ・レンズとして完璧だ。パンケーキレンズのラインナップ強化は、是非 Canon にも検討して頂きたい。ちなみに、形が似ている EF-S 24mm f2.8 STM レンズは、 EOS 7D や 80D 等 APS-C CMOS のカメラに対応するレンズでフルサイズ用では無いので、注意が必要だ。

さて本題の HDR。撮影メニューの3番目から下にスクロールすると、「HDR モード」メニューが。こちらを展開し、D レンジ調整を HDR 自動か +/- 1〜3(プラス・マイナスする露出段数)に設定すると、HDR モードがオンになる。

一度撮影すると自動で HDR をオフにすることも、撮影を継続することも、メニューから設定可能だ。露出アンダー/標準/オーバーの3枚連続で撮影後、画像の微妙なズレを自動で位置調整してくれる機能もあるので、手持ちでの撮影も可能になっている。仕上がり効果は、5種類のエフェクトから選べる様になっている。ビンテージ調というのは、Olympus のアートフィルターで言うと「ドラマチックトーン」の様な仕上がりを期待出来る。一方で、油彩調では Pentax のデジタルエフェクトの「水彩画」の様に手書きの絵ソックリにはならないので、その点は実機で確かめて頂き度い。

いくつか HDR で撮影したが、その効果を最も実感出来るのは、相当な暗がりとあかりが混在するシーン。こちらの作例写真の flickr アルバム中、裏路地で提灯を撮影した写真を比較すると、標準で撮影した場合と、HDR (ナチュラル・自動)で撮影した場合の違いを、明確に実感頂けると思う。

こちらの作例写真アルバムでは、動画撮影も試してみているので、是非そちら(電車の動画)も視聴頂きたい。重いファイルになる 4K 動画機能は、普通に PC/Mac で再生する分には必要無いかも、という気持ちになりつつある。






[レビュー] 新登場フルサイズ・デジイチ Canon EOS 6D MarkII は 6D 初代ユーザーにもメリットの大きい新機種と実感

5年ほど前に発売された Canon EOS 6D 初代は、アクシデントで壊れる事があっても再び導入した位、気に入って使っていたフルサイズ・デジタル一眼レフだった。レンズ交換可能なデジタルカメラは、殆ど全てのカメラ・メーカーのものを利用してみたのだが、結局仕事でも使える、本体重量が軽くて使いやすい機種は 6D だった。多くのデジカメが、その機能検証を終えて手元を去って行く中で、いぶし銀の単独トップとして、デジタル・ベアーズ・デジカメプロチームの核として、活躍を続けてくれていた。

しかしその一方で、他社の最新フラッグシップ機種が撮影に便利な最新機能を物理的にも、ソフトウェア的にも数ヶ月単位で追加し、バージョン・アップを重ねる中で、6D 初代を仕事上で使い続けるには、いくつか問題も出て来ていた。最も困っていたのは、背面液晶を利用したライブビュー撮影時のピント合わせ。6D 初代発売当時は、光学デジイチでライブビュー撮影が可能なだけで凄い、という評判だったが、今となっては致命的に遅い合焦スピードが、撮影時に苦になっていた。昔のデジカメ AF の様に、フォーカスを前後にゆっくり行ったり来たりさせて、ピント合わせに数秒(!)を要するというのは、さすがに撮影現場では厳しい。殆どの撮影は光学ファインダーで行うにしても、ハイアングル撮影など、どうしても背面液晶で撮影せざるを得ないシーンというのは、生じてしまうのである。

そして先日発売開始された Canon EOS 6D MarkII は、漸くその遅さを改善してくれた。最近の Canon デジイチに導入が進む、撮像面位相差AF技術デュアルピクセルCMOS AF が採用された事で、高速かつスマートなピント合わせが可能になった。スマート、というのは、デフォルト設定の顔+追尾優先 AF で撮影すると、写したい対象をタッチ液晶(これも嬉しい変更の一つだ)上で指先でクリックするだけで、すぐに自動追尾撮影を始めてくれるのである。Canon のコンパクト・デジカメでは当たり前だった機能が、可動液晶画面とともに上級機である 6D MarkII にも移植された事で、本機が狙う広いユーザー層を理解する事ができる。

物理ボタンの配置も、一見初代と同じに見えるが、実は変更がいくつか行われている。当方が気に入ったのは、シャッターボタン左横に小さく、測距エリア選択ボタン、が移されたこと。これまで親指で押す背面にあったボタンが、一部機能は背面に残しつつ、人差し指で操作出来るこの場所に移されたことで、AF エリア変更が非常にやり易くなった。他社製デジイチは背面にジョイスティックを装備する事で AF エリア変更を可能としていて、これはこれで便利ではあるが、実はシャッター横で人差し指で操作できるとそれはまた軽快に扱えるのだ。6D MarkII の場合、45点のピント範囲が中央に寄っている事もあり、このボタンとその横のダイヤル操作で、光学ファインダー上に赤い液晶表示でオーバーレイさせる AF ポイントやピント範囲を、自由に移動させる事が可能になる。これはぜひ手に取って試して頂きたい部分だ。

手が大きめの当方としてもうひとつ嬉しいのはグリップの大型化。初代より深いグリップになって、片手で持ち易くなった。それでも SIGMA の明るい 24-70mm f2.8 DG ART レンズ(当該レンズのブログ・レビューは以前のエントリーをご参照)装着では重さも感じるが、軽いレンズを装着すると、デジイチオペレーションが気軽にシングル・ハンドで行える様な、握りの良さなのである。(手が小さめの方には、やや大きすぎると感じられる事もあるかもしれないが。)

外見では気がつきにくいが嬉しい変更は、何といっても映像エンジンが最新 DIGIC7 になったこと。これで常用感度 ISO 40,000 までの対応が可能になった。連写速度もフルサイズで秒6.5 コマに。高速なレースカーでも撮影しないのであれば、連写機能はこれで十分。内蔵マイクも初代のモノがステレオ対応になって、動画は 4K 対応はタイムラプス動画しかないものの、HD 60コマ・秒には対応し、十分実用的。個人的に驚いたのは、レンズ光学補正機能を試してみると、SIGMA が最近発売した 24-70mm f2.8 DG ART の補正にも対応していた事。

ジェットダイスケさん指摘で、実は初代もその機能があるはず、と初代にも装着してみると、これまた同レンズへの対応が初代 6D の背面液晶画面でも表示された。ふむ、と思って 今度は同じ SIGMA 社製の単焦点 24mm f1.4 ART を装着してみると、これは焦点距離は認識されるものの、各種光学補正には非対応の表示。それは初代 6D でも MarkII でも同じだった。ということは、レンズ側で対応・非対応の設定が変わるのだろうか。24mm もファームアップすれば認識されるのだろうか。メーカーからの正式発表はまだ無い様だが、ここはもうちょっと調べてみたい。いずれにせよ、他社製交換レンズの光学補正にも対応してくれるなら、それはそれで嬉しい事なのだが。

GPS は日本のみちびき、そして米・ロシア3種類の衛星に対応して精度をアップ、カメラ本体時計の時刻合わせも行える様になった。電源オフ時でも一定間隔で作動させる事が可能な GPS ロガー機能は、実は初代にも装備されていた様なのだが、GPS 機能は電池を食うだろう、ということで初代では殆どオフにしていた。3種の衛星対応で位置精度も上がったとの事なので、次の旅では活用してみたい。電池は初期キャンペーンではストラップ、SD カードとともに無料で頂ける様なので、予備電池の心配もしなくて済みそうだ。

その他、細かい変更では左肩のモードダイヤルのモード表示が単なる印刷でなく凹凸のあるものになったり、前面の EOS ロゴ表示は逆に白い印刷文字に変わったり。背面のマルチ電子ロックスイッチも、初代の横スライドスイッチから、レバー型に変更されている。HDR 機能は初代では強さを調整するだけだったが、MarkII ではグラフィック、油彩、ビンテージといった画像効果も加えられる様になった。これも今後実利用で試して行く事にしたい。

とりあえずはいつもの中野の裏路地夜景撮影と、昼間は「阿佐ヶ谷七夕まつり2017」の様子を撮影してみたので、EOS 6D MarkII と SIGMA 24-70mm f2.8 DG ART の作例写真として、こちらの flickr アルバムを参照頂きたい。まだ2日間の利用だが、初代 6D を使っていたユーザーには、そのままの操作感+高速な AF で、存分に活用できる新型、という事を実感出来た。







2016年4月30日土曜日

[Review] Pentax K-1 研究1日目、APS-C の K-01、フルサイズの Canon EOS 6D と比較してみる

世の中どうも、風の噂ではタダで製品を配って口コミに載せるマーケティング手法もいまだに横行している様ではあるが、苦しみつつもあくまで「自腹レビュー」にこだわるデジタルベアー・デジカメ研究所、ゴールデンウィークお休み期間中の研究材料として新たに Pentax K-1 を導入した。 

充電作業をしながら、まずは既に持っている複数のデジカメと比較してみる。装着レンズは当方手持ちレンズでは数少ない Pentax K マウント対応の DA 40mm f2.8 XS。極薄パンケーキレンズだが、実はフルサイズでも使えるとのこと。(デジカメ info に、DA 単焦点の中でフルサイズ対応可能なレンズリスト有り。DA ズームレンズはクロップ対応なのでご注意を。)

まずは、本パンケーキレンズがデフォルトで装着されていた、Pentax K-01 との比較。Marc Newson 氏デザインの未来志向デジカメは、カメラ業界でも珍しい APS-C CMOS を備えたミラーレス機。型番に 0 がひとつ入るだけで、トラディショナルな一眼レフデザインの K-1 とは全く違った趣の外観になっている。K-01 やその後発売した K-S1 で従来とは全く違う未来的なデザインを試した結果、再びフラッグシップのフルサイズ機 K-1 ではアナログ機に連なるオーセンティックなデザインに回帰。利用するユーザーの方が、これぞデジイチ、という概念を捨てきれていないから、なのかもしれない。

個人的には、Apple Watch もデザインした Marc Newson が手がけた、ボックス型でポップな K-01 デザインも大好きなのだが、K-1 のどっしりとしたフラッグシップ的威厳が漂うデザインも良いと思う。ペンタ部の大きさが上から見ても際立っている。一方で握りやすいグリップデザインも秀逸だ。今回、K-1 の特徴的操作 UI として加わったのが、二つのダイヤル操作を基本とする、スマートファンクション。これまで必ず背面メニューで設定していた項目のうち、頻度高く設定を変える項目は、ほぼ中央ペンタ部右側のダイヤルと、右端の親指で操作し易い位置にあるダイヤルの組み合わせで操作が可能になっている。直感的に分かりやすく、練られた操作体系となっている。

そして、フルサイズ・デジタル一眼(デジイチ)同士の比較。当方はこれまで、Canon EOS 6D が電池・メモリー込み重量 755g とフルサイズの中では軽いのでずっと愛用して来た。これからも EOS 6D は SIGMA レンズ資産もあるので使い続ける事になるだろう。

Pentax K-1 は EOS 6D と比較し、重量的には装備重量が 1,010g と若干 1kg を上回る。ずっしりと、塊感のあるボディに仕上がっている。ペンタ部のホットシュー位置などのデザインもあるのかもしれないが、同じ光学ファインダーを備えた機種でも、上から見るとかなり異なるデザインに仕上がっているのがわかる。レンズは双方とも、フルサイズ対応可能な 40mm f2.8 レンズを装着してみた。Canon 製 EF レンズも相当小型だが、DA XS レンズの薄さはありえないレベルに到達している。パンケーキレンズ好きとしては、それぞれ捨てがたい。

高さを比べてみると、総質量では 250g 強重いはずの K-1 の方が低めになっている。そのかわり、厚みはスリムな EOS 6D よりかなりある印象だ。背面のフレキシブルチルト式液晶モニター構造も厚みに貢献しているだろうが、低重心のせいか、持ち上げてみると、「本当に 1kg あるのか?」という実感ではある。しかし、1日持ち歩くと、6D との重量差はじわじわと効いてくるはずだ。これについてはフィールドテストで確かめてみるとしよう。通称「ビスケットレンズ」とも称される、薄型で 52g しかない DA 40mm f2.8 XS 単焦点レンズは、重いボディの総重量を軽減させる効果もあって、フルサイズにも対応する、意外に面白い組み合わせである。

星の撮影を本格的に行える GPS / コンパス / アストロトレーサー機能の内蔵、ISO 204,800 の超高感度対応、なんと5段分の補正効果を持つ5軸手ぶれ補正、などなど、Nikon や Canon のフラッグシップ機と比較するとずっと安価な Pentax の旗艦デジイチは、想像を絶する機能の全部入り、である。研究材料として、これ以上のものは無いだろう。連休を利用して少しずつ、その実力検証を続けてみる事にしたい。






2015年4月11日土曜日

[レビュー] SIGMA 24mm f1.4 DG ART レンズは広角レンズだが抜群のボケ味

 そう、24mm 広角レンズは、これまでの当方の常識では、あまりピントに神経質にはならず、シャッターを押せばそれなりに街角風景を美しく撮影出来るスナップ・レンズだった。しかし、SIGMA 24mm f1.4 DG ART は、その当方の思い込みを完全に変えた。f1.4 で被写界深度が薄い(=ピントが合う範囲が狭い)為、24mm 画角で広く映る画面のどこにフォーカスを置くべきか、常に真剣勝負。使い始めは難しいレンズでとっつきが悪いかな、と思っていたのだが、使い込む程にその面白さが分かって来た。

SIGMA の単焦点で明るい ART レンズシリーズは、35mm f1.4 DG (当方撮影の作例写真はこちらをご参照)、50mm f1.4 DG (当方撮影の作例写真はこちらの flickr album を ご参照)をそれぞれ EOS 6D で使って来て、これが3本目。設計には類似点を持たせている様だが、その性格付けはレンズ毎に異なる。

今にして思えば、この3本中で最も汎用性が高いレンズだったのは 35mm f1.4 だったかもしれない。この3本の中では比較的気軽に撮影出来るレンズであった。50mm f1.4 になると、背景ボケが強くなるので、フレーミングに気を使う。24mm f1.4 は 35mm f1.4 より広角なので、気軽に撮影出来るだろう、と甘く考えて使い始めると結構ピントを外すケースが。

AF を複数点にしていた為、一番近景にある被写体にピントが合ってしまいがちだった様だ。画面中央の1点 AF に切り替えて、フォーカスをすべき被写体を AF ロックしてから撮影する方が良い使い方が出来る。

とりあえずは、散り始めてしまった中野通りの桜並木と、新井薬師公園での桜まつりの様子を撮影。夜景撮影は、いつもの中野裏路地で。当方撮影の flickr album 作例写真をご覧頂ければ、24mm ながらしっかりピントが薄いこのレンズの面白さを理解頂けるはず。

これまでとは違う 24mm の表現が可能なレンズだ。

シグマの高品位で明るい単焦点レンズ群、面白いですね、全て。ちなみに余談ですが、中野フジヤカメラでカメラと液晶保護フィルムを買うと、無料で空気が入らない様に貼ってくれます。地味に便利なサービスなので、皆様も是非。w




2014年5月6日火曜日

Digitalbear デジカメ研究所ツートップ EOS 6D と SIGMA 50mm f1.4 そして Olympus E-M1 と M.ZUIKO 12-40mm f2.8、その選出理由とは。

GW 期間中は混雑を避け都内を徘徊していたのだが、実はその間に相当数の最新デジタルカメラ、レンズの組み合わせをカメラ店店頭で調査していた。その結果いくつかのボディとレンズを手に入れたのだが、現場での撮影という実戦経験を通じて、いつしかそれは本当に必要な筐体とガラス玉のみに収斂する。「2014年5月現在の」(注:この但し書きが当研究所では極めて重要)デジクマ研究所のツートップは、結果、2選手に定まった。

一人目は Canon EOS 6D と SIGMA 50mm f1.4 DG HSM ART の組み合わせ。重量級トップだが、ナイトゲームや屋内スタジアムでも安定した活躍が期待出来る。もう一人は OLYMPUS OM-D E-M1 と M.ZUIKO ED 12-40mm f2.8 PRO の組み合わせ。小柄だが機動性が高く、クリエイティブなワザを備え、中・長距離遠征や雨天時のゲームにも強い選手である。さて、その詳しい選出理由は以下。


最近各メーカーのデジカメ、レンズはそれぞれに個性が強く打ち出されて居り、長所も分かれるので選択には相当な迷いと時間を要したが、連休で久しぶりにじっくりと各メーカーの最新機材を触った上で、今後使い続けるべき一軍選手たちの結論を導き出す事が出来た。


まずは EOS 6D ボディと SIGMA の最新 50mm f1.4 レンズの重量級フォワード。その大きさ・重さ故に試合登板回数も限られるが、ここぞという時には心強い、完璧主義を絵に描いた様な選手である。重さ故に室内撮影では多用され、また夕刻〜夜の撮影ではその明るさから力を発揮する。近距離撮影で開放絞りにすれば紙一枚ほどの合焦範囲となり、シュートには正確さを要するが、少し距離を置いたミドル、ロングシュートではカリッとした美しいゴールをたたき出す。この選手を使いこなすと他のレンズに手を出しにくくなるほど、強い魅力を持った選手である。6D は重いレンズとのバランスで出来るだけ軽量なボディを、という選択肢となるが、その使い勝手は光学ファインダーを利用している限りは悪く無い。背面液晶を使った撮影では、AF が前世代技術で致命的に遅い為、あまり使い物にはならないが、このレンズはじっくり作画しシュートする為のものなので、まあ良しとする。重量的には、ボディ装備重量が 755g、レンズは 815g と完全にフロント・ヘビーな配分になるが、撮影時に気になる程ではない。長めのレンズなので、左手保持で安定する。開放 f1.4 絞りでの描写がボケ・カリの両方なので、殆どモードダイヤルは Av (絞り優先)での撮影になる組み合わせだ。より詳細なレビューと作例は、当方のブログエントリーを参照頂きたい。


そして、新規加入の OLYMPUS E-M1 と 12-40mm f2.8 通しレンズの軽量ストライカー。重量フォワードがカヴァーしきれない守備位置を軽やかに埋める万能選手として活躍する。ボディ装備重量は 497g、レンズ重量は 382g。両方合わせても 879g。ミラーレスカメラの組み合わせとしては軽い方では無いが、フルサイズボディでこれに近いスペックのズームレンズを組み合わせるとなると相当な重量になる(例えば Canon 24-70mm f2.8 II USM はレンズのみで 805g)事を考え併せると、本選手の機動性の高さが理解出来る。

更に、レンズ・ボディともに防塵防滴構造。突然の雨に見舞われるアウトドア・シューティングでも心強い。フルサイズ換算 24-80mm と、街中スナップに適したかなりの広角ニアポストシュートから、ポートレイト〜風景切り取りのミドル〜ロングレンジ迄、日常の撮影シーンには必要十分な焦点距離をカバーする。

どちらかと言うと明るく高品質な単焦点レンズが好きで、ここ数年ズームレンズ系にはあまり投資せずに来たのだが、このレンズを活用してみて、最近は小型ズームも侮れないと見直した。あらゆるシーンで及第点のシュートを決める実力を備えている。フォトウォークでの遠征にも気軽に連れ出せるサイズなので、夏に向けて更に活躍してくれそうである。ファーストレビューのエントリは、こちらを御参照。


今回惜しくもツートップ入りしなかったものの、メキメキと力をつけているのは Nikon1 V3 と 1NIKKOR 32mm f1.2 の組み合わせ。超小型ながら EVF も利用出来、オプションのグリップを取り付けると安定したスナップ・シューターになる。ナノクリ採用で、ゴーストやフレアにも強く、描写はレンズの大きさからはびっくりする程緻密で、背景ボケも美しくとろける。今回この組み合わせがトップ入りしなかった理由は、撮影時のいくつかの小さな問題の集積にあった気がする。たとえばシャッター・フィーリング。高速デジタル・シャッターで 1/16,000 秒迄切れる点は素晴らしいのだが、OM-D シリーズの様な、押すタイミングに忠実で、かつ軽快なシャッターフィール、それが V3 では得られない。デジタルで前後の映像を記録している為か、シャッターを押し下げても若干のタイムラグを感じる時もある。

EVF は小型ながら見易いのだが、EVF を覗きながら写すと、シャッター時の色味と記録された再生画像の色味が微妙に異なる時がある。White バランスが変化してしまうのだろうか。このあたりが積み重なって、今回惜しくもツートップ入りを逃したが、ボディ・レンズともに小型に収まるこのシステムには未来を感じる。本組み合わせのレビュー詳細は、こちらのエントリー御参照。

ということで、「2014年5月時点では」、上記2選手が当研究所の看板プレイヤーとして毎試合にどちらかが登場する事になる。初夏迄にはおそらく SIGMA dp2 Quattro という異能なルーキーも加入すると思われるが、それまでは不動のツートップとしての活躍が期待される、今日このごろである。



2014年4月29日火曜日

SIGMA 50mm f1.4 DG HSM (ART) レンズと Canon EOS 6D フルサイズデジタル一眼の組み合わせ、ファーストレビュー

「何、あの40万円を越える超高性能だが高価な Carl Zeiss OTUS 55mm f1.4 と同等性能で実売10万円を切るだと!?」海外のレンズレビュー記事に目を見張り、そして価格設定に目を見張った SIGMA 50mm f1.4 DG HSM (ART) レンズが漸く手に入った。


もう少し画角が広い SIGMA 35mm f1.4 DG HSM で体験した、美しいボケ味とカリカリ画質の両立が、50mm 標準レンズではどこまで高められているのか。その確認こそがこのレンズを入手するもう一つの大きな理由であった。(35mm f1.4 レンズの作例はこちらの flickr アルバムをご参照下さい。)


黒川プロジェクトは、勿論その期待を裏切らない。背景ボケのとろ味は、完全に 35mm のそれを越えている。焦点距離を考えれば当然なのかもしれないが、うっとりする溶け具合である。ともかくも、以下の作例写真をご覧頂きたい。いずれも Canon EOS 6D JPEG 撮って出し、加工無しである。


背景ボケはあくまで上品に。


そして主題を浮き上がらせる様に。


数センチ焦点が下がった場所から、ゆるふわなボケは始まる。f1.4 開放絞りの威力。


背景ボケも、


前景ボケも美しくとろけて。


夜景もカリッと仕上げる高性能。


真っ暗な日比谷公園に、花屋の明かりが浮かび上がる。


肉眼より明るく撮影可能となってしまう、お堀端の景色。


和田倉噴水公園の夜間の噴水ライトアップ。噴水以外の明かりがほとんど無いこの場所で、背景のビルを含めてここまでの描写が可能なレンズなのである。





同社の 35mm f1.4 DG HSM レンズ同様、その描写を得るにはある程度のレンズ重量 (815g) は覚悟せねばならない。しかし、EOS 6D 等軽量なフルサイズ・カメラボディを組み合わせる事で、このレンズの機動性は上がる。本レンズの暗所性能を最大限引き出す上でも、DIGIC 5+ を備えた EOS 6D との組み合わせは秀逸と言える。

最新カメラのボディ、レンズの究極の高性能を現場の実写を通して探る、というのが本ブログの最大目的故に、手持ちボディもレンズもめまぐるしく変化するのが常なのだが、このレンズは永久保存したくなる、そんな強い魅力を秘めている。これをこの価格で世に出した SIGMA 黒川本社チーム、会津の製造チームに、最大限の敬意を払いたい、そういう気持ちにさせる、日本を代表するデジタル時代の高品質標準レンズなのだろう。

早速デジタルカメラグランプリ、2014 Summer のデジタル一眼交換レンズ部門で、総合金賞を受賞した。実際に利用してみて、当然の受賞、と思える快心の出来である。

このレンズの登場により、今後の他社製レンズ・レビューのハードルがかなり上がってしまった。いやはや、嬉しい悲鳴。w

その他の作例写真は、こちらの flickr アルバムにまとめましたので、よろしければご覧下さい。