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2016年1月17日日曜日

CP+ 2016 の開幕を2月25日に控え、デジクマ的に気になって仕方が無いデジカメ3点

今年はパシフィコ横浜 + 大桟橋2会場で開催される日本最大のカメラ展示会、CP+ 2016 があと1ヶ月ちょっと、と迫っている。まだ時間があるので、直前に発表される新製品も多いと思われるが、CES (Consumer Electronics Show) の関係もあって、1月半ば時点でいくつか面白い新カメラの発売が発表された。

Nikon 党の皆様は Nikon D5Nikon D500 が気になって仕方がないだろうし、情報が少な目の Canon 党はそろそろ EOS 6D Mark II が出るのでは、と疑心暗鬼になっているかもしれない。しかし当方的には、最近デジカメでは Panasonic シフト、FUJIFILM シフトが強まっていて、この2社から発表された2月発売予定のカメラが気になる。

まずは Panasonic。満を持して発表されたのが、1インチ CMOS + EVF + 10倍ズームの Lumix TZ100 (dpreview の英語レビューはこちら)。まだ海外でしか発表されていないのだが、4K Photo / Video にも対応する、旅行にピタリの TZ70 からの進化版。CMOS が大きくなって高精細画像が期待出来る。EVF のサイズが 0.2 インチと小さいが、コンパクトなサイズに貢献している。Sony のライバル機種と比較し、EVF の引き出し動作が必要無いというのは、スナップカメラとして使い勝手が良いはず。

そして FUJIFILM からは、RICOH GR II のライバルとなる、スペックもかなり近い FUJIFILM X70 (dpreview の英語レビューはこちら)。EVF は残念ながら採用されていないが、大きくチルトが可能なタッチ液晶画面は魅力的。GR II の最大の欠点となっている WiFi 時のスマホへの画像ファイル転送の使い勝手・速度も、FUJIFILM の方にまだ分がありそうだ。最近 GR II を見限って手放したばかりだったので、X70 の登場は嬉しい誤算。早速これは予約した。

FUJIFILM からもうひとつ、フラッグシップ機として3年ぶりに新機種が登場した光学ファインダーと EVF ハイブリッドの FUJIFILM X-Pro2 も、最初はそれほど注目していなかったのだが、ACROS モードという、フィルムの Neopan ACROS に近い微粒子的な白黒フィルムシミュレーション機能があると知って俄然注目。LEICA M モノクロームと比較し(まああちらはフルサイズなので直接は比較出来ないが)、1/5 の価格で、繊細な階調の白黒撮影が出来るかもしれないと期待している。海外サイトでは、こちらこちらで、ACROS モードの作例写真が上がっているので参考にして頂きたい。

以上3機種が一番の注目機種だが、早耳カメラサイトのデジカメ Info によると、EVF 内蔵の Olympus PEN F や、LEICA の Summilux 23mm ベースの防水カメラ LEICA X-U type113 も控えているとの事で、こちらの発表も待たれるところ。

高級コンデジ中心に興味を高めている当方ではありますが、CP+ 前に、予想もしない様な更なるメーカー発表が楽しみです。黒川方面からも、もしかすると何か出てくるのでしょうか!?。どきどき。2月下旬開催の CP+ が待ちきれない今日この頃、であります。


2016年1月16日土曜日

復活を遂げた福島浜通り幻の日本酒「磐城壽」と出会う新年

新橋の小料理屋で、友人と新年会。旬な素材の和食一品毎に、一番マッチする美味くて希少な日本酒がマリアージュ(組み合わ)される至福の店。

友人の実家がある浪江町は、2011年のフクイチ原発事故で福島で被災し、すぐには戻れない場所になってしまっていたのだが、マスターにその話をすると奥から出して来てくれたのが、日本酒「磐城壽 山廃純米大吟醸」。友人が一瞬驚きで言葉を失った。

磐城壽を製造していた酒蔵は浜通りあった為、津波の被害を受け、もう2度と飲めない日本酒になってしまった、と彼は思い込んでいたのである。マスターによるとその酒蔵が、場所を山形に移して復活を果たしたという。磐城壽の酵母が、津波を免れた日本酒の試験場の試験管に僅かに残っていて、そこからの再生だった、とマスター。

早速調べてみると、その酒蔵「鈴木酒造店」は、確かに山形で復活を果たしていた。こちらの HP で、現在の様子を知る事が出来る

東日本大震災を経験し、故郷と暮らしを失った私たちとってこれは、復興、そして文化継承に向けた命題です。「磐城壽」と「一生幸福」という二つの祝い酒ブランドが、「真の祝い酒」と「歓び分かち合いの酒」となるよう、人が集い、想いを伝える場づくりは勿論のこと、長井と浪江の二つの故郷の次代への繋ぎ役として全うすることが、私たちが造る「酒」という力水に寄せる想いです。」
鈴木酒造店の店主鈴木氏の、復興への志の強さを感じるメッセージ。

思いがけず、友人が失った故郷で愛した日本酒に再会し、今夜は二人で、祝いの酒「磐城壽」を浴びるほどに呑む。

柔らかいカブの煮物、カラスミのサラダ、新鮮な刺身、あん肝、筍の唐揚げと、日本酒がよく合うメニューの数々。仕上げは、土鍋で作った熱々の鯛飯で、めでタイ新年会を打ち上げる。

2016年の始まりに、新たな希望が灯る様な、素晴らしい日本酒に出会った。滅多に泣かない友人の目に、光るものを見たのは気のせいだろうか。



夢のフラッグシップ・アナログ一眼レフ Canon New F-1、30数年の月日を経て我が手に

遡ること30数年前。中学生の頃、近所から鰻の蒲焼の香りが漂うカメラ店、中野フジヤカメラでアナログ一眼レフのベストセラー、「連写一眼」Canon AE-1 を父に買ってもらった。嬉しくて、どこにでも連れて行った。数年後、貯金で 上級機の「カメラロボット」Canon A-1 へと進むが、その頃からの憧れがフラッグシップ・プロモデルの Canon F-1




高校生の頃、1981年に登場した New F-1 は電子化も進み、プロ用らしい堅牢性を備えた極めてタフなカメラだった。しかしカメラ本体だけで 149,000 円。高校生には文字どおりの高嶺の花で、フジヤのショーウインドウ越しに羨望の眼差しを送る日々だった。

圧倒的にクールで、プロのみがその利用を許される、手が届かない至高の存在。中高生時代に脳内で固められたそのイメージは、デジカメ全盛となった21世紀になっても自分を支配し続けた。

中古の F-1 良品を見かける度に、手に入れようかと考え込むが、「このカメラはお前が使うにはまだ早い。更に修行を積むべし。」そんな心の声がいつも聞こえて来てためらってしまうのだった。

不覚にも気づかなかったが、昨年からアナログ一眼レフの販売コーナーはフジヤ二階に移転。1階にあったはずの F-1 中古品を見かけず寂しく思っていたら、本日になって二階で F-1 に再会。何故かいつもの心の声も聞こえない。

勇気を振り絞ってまずは新品同様と珍しい保存状態のアイレベル・ファインダーを見せてもらう。神カメラ F-1 とともに。なんというファインダーの明るさであろう。更に専用ワインダーを3つの丸い回転キャップを外して底部に装着。

カシュン、カシュン!単三電池4本で、軽快に作動する。フィルムを巻き上げるそれだけのシンプルなオプションだが、そのアナログな無駄さ加減が、機械の懐かしい動作音がたまらない。

フジヤカメラ・スタッフの皆様がその音を聞いて集まり、中古カメラ店らしいプロ知識を全開にして、やや複雑な F-1 のボタン操作を手取り足取り伝授してくれる。この英知の中ではマニュアルは不要だ。


散々いじって F-1 の思い出話を一通り終えると、憧れだったはずのカメラが、すっかり愛おしい様に手に馴染んでいる。これは連れて帰らざるを得なかろう。



新品時価格の 1/6 ほどで程度の良い中古を手に入れ、店を出る。「夢を有難う」そんな言葉が恥ずかしげもなく、笑みとともに自然にこぼれ出た。30数年、通い続けたフジヤのショウウインドウ越しにあった夢がまた一つ、紙袋に収まった。

夢はいつか叶う。そしてアナログカメラの夢に終わりは無い。

[2016.3.13 追記] 映画「エヴェレスト 神々の山嶺」の主人公、岡田准一が演じたカメラマンの深町が手にしていたのも、Canon F-1 でした。




2016年1月11日月曜日

真田丸のふるさと上田を尋ねる、美味しいレストランを備えた豪華観光列車、しなの鉄道「ろくもん」の旅

昨晩の NHK「真田丸」第1話、面白かったですねぇ。Twitter でも話題になっていたので、早速今朝、録画で見ました。しばらく大河ドラマは観ていなかったのですが、真田丸は脚本と役者の魅力で、最終話迄日曜夜は釘付けになってしまいそうです。真田家と縁が深い長野県上田市が今後も舞台となりますが、皆様に是非今年、体験頂きたいのが、軽井沢から小諸、上田を通って長野迄の、しなの鉄道観光列車「ろくもん」。(金・土・日・祝日のみ運行、予約は2ヶ月前から)

九州の観光列車「ななつ星」と同じデザイナー水戸岡氏の手による、真田家の戦時・平時の家紋、六文銭紋・結び雁金紋・州浜紋の外装。3両編成の内装は、カラマツやヒノキなど長野県産の木材を利用した、ソファもある落ち着いたデザインの個室。

当方は昨夏乗車して来たのですが、下りの軽井沢発は売り切れで、上りの長野発を予約。軽井沢からまずはしなの鉄道でのんびり長野へ。善光寺をひとめぐりすると、ちょうどろくもん2号の出発時間に。

走り出してすぐ、小布施・鈴花(上り)、軽井沢・こどう(下り)等長野の著名レストランのお弁当を頂き、ワインやビールを飲みつつ、窓の外に雄大な浅間山や上田城を眺めてゆったりと旅を楽しめます。懐古園がある小諸では、外に出て駅前ガーデン散策も。豪華なお食事の前には、二本選べる無料ドリンク。当方は真田にゆかりの赤備(あかそなえ)の地ビールをチョイス。小布施・鈴花のお弁当は懐石で、しっかり熱々のお椀もついて来ます。毎日小布施から長野駅の出発地点までお店の方が届けて居られる様子。

一品ずつ丹念に作り込まれた、お弁当の枠を超える豪華さで、有名レストランの食事が人気というのが良くわかるすばらしい仕上がりです。デザートは、本格お抹茶とともに頂ける完璧さ。

長野の自然と歴史で目と心を喜ばせつつ美味しい食事を楽しめる、手が届く贅沢の極みとも言える「ろくもん」ですが、最も感動するのは、(実際に体験して頂きたいので詳細は書きませんが)各駅で発揮されるしなの鉄道の皆様のホスピタリティ。ぜひ皆様、真田丸ゆかりの沿線に、「ろくもん」でお出かけ下さい。