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2017年3月5日日曜日

[Review] 高感度対応 PENTAX KP で、更に深い夜へ


アウトドアでの利用に適した防塵防滴で、ダイヤル操作も充実、下位機種でも機能を簡単に削ったりしないユーザー思いのRICOH - PENTAX が突然発表した PENTAX KP は、最高 ISO 感度 819200 (!!) 。数字だけ並べるとわかりにくいが、ISO 81万超、と暗所撮影性能が異常に高い。

気になりすぎるので、これまた CP+ 2017 開幕前に新宿の RICOH Imaging のショウルームに出かけて製品を触ってみている(こちらの過去エントリー、御参照)のだが、明るいショウルームや CP+ 会場に行ってもなかなか暗所撮影テストが出来ず、これでは購入に踏みきれぬ、と悩んでいたところ、先日近所のカメラ店店頭で、「PENTAX KP 夜の体験会」セミナーで登壇されているプロ写真家の岡本尚也氏に偶然遭遇。
ご本人からその暗所撮影性能の高さを直接レクチャー頂き、背中押しを強く受けた上で、特別許可を頂いて、中野駅付近の暗がりで暗所撮影テストを実践。レンズは敢えて、明るく無い f3.2 の DA 21mm レンズを採用。


うお、これは凄い。作例写真は殆ど ISO 12800 ですよ、旦那。普通に ISO 12800 が使える。これは...やばい...。中野駅北口の黒い NTT docomo のビルも、暗闇にちゃんと浮かび上がった次第。ISO を更に上げると、さすがに 51200 を超えるあたりでノイズが増えるものの、52100 までは十分使える感じ。ISO 12800 は常用で行ける。DA 21mm f3.2 レンズ装着の PENTAX KP 作例写真はこちらの flickr でどうぞ。露出補正を +1, +2, +3 と上げていくと、夜がもう昼間の様になってしまう。開放 f 値があまり明るく無い f3.2 レンズをあえて利用してもこの結果で、素直に驚き、購入を決断出来た次第。

更にレンズを変えて、広角から望遠まで1本でカバーしながら防塵防滴で比較的安価な DA 18-135mm f3.5-5.6 WR レンズでもチェック。今度は昼間の撮影も。こちらのレンズも f 値は決して明るい方では無いので、他の K シリーズカメラで利用していた時には夜間撮影ではブレない様に気を使っていたレンズなのだが、Auto ISO で12800 を上限に設定し、ブレないシャッター速度を設定すると、あとは普通にパシャパシャ撮影が可能になってしまう。東京駅近辺の暗がりでの PENTAX KP と DA 18-135mm f3.5-5.6 WR レンズによる撮影の作例写真は、こちらの flickr アルバムを参照願いたい。

高感度対応のおかげで、比較的速いシャッター速度を選ぶ事が出来、夜でもブレをあまり気にせずに済む安心感、それがこのカメラの身上、と、夜の撮影を複数回行って十分感じる事が出来た。

最近はカメラ本体の5軸手ブレ補正+レンズ側の対応で、長時間シャッターでも手持ちで撮影できるカメラが増えて来たが、被写体そのものが動いていると夜間はブレる事を避けられない。しかし高感度対応が強まると、ISO を上げてシャッター速度そのものも高速化する事で、動く被写体そのものを止める事が出来る。

高感度撮影を実現するにはこれまで相当高価な、30万円台後半以上クラスのデジイチ・ボディを購入する必要があった。Sony α7S II や、Canon EOS 5D Mark IV 等がそれに該当する。或いは、開放f値 0.95, 1.0 クラスの高価なレンズを購入する手もあるだろうが、それもまたレンズが高価である。10万円台前半のボディ価格で、幅広いレンズによる高感度撮影を可能にした PENTAX KP の新しい立ち位置は、歓迎すべきものであろう。


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