Translate to your language.

2016年2月28日日曜日

[Review] OLYMPUS PEN-F ファーストレビュー、3本のレンズでまずは作例写真をアップ


CP+ 二日目の2月26日金曜日が OLYMPUS PEN-F の発売日山下公園近くで水上バスとナポリタンを満喫 帰路に中華街で肉まんを買っている時にその事実にはっと気づいた。フジヤカメラ店が閉店する午後8時半迄に、中野に到着せねば、と。中華街から副都心線新宿三丁目経由 JR 新宿の乗り換えも猛ダッシュし、汗だくで閉店30秒前に滑り込み、何とか間に合って発売日にシルバーの PEN-F を入手。翌日三日目の CP+ で、m.Zuiko 12-40mm f2.8 レンズと同 17mm f1.8 レンズ、そして本日 Panasonic Lumix G 14mm f2.5 のパンケーキレンズも装着して、まずはテスト撮影を敢行。

3本のレンズそれぞれでの作例写真は、以下の flickr アルバムに纏めたので、まずはそれを以下のリンクから御覧頂きたい。どれも JPEG 撮って出し、である。
OLYMPUS PEN-F + m.Zuiko 12-40mm f2.8 レンズ作例写真
(CP+ 2016会場・三日目の写真)
OLYMPUS PEN-F + m.Zuiko 17mm f1.8 レンズ作例写真
(横浜夕景・中野夜景)
OLYMPUS PEN-F + Panasonic Lumix G 14mm f2.5 レンズ作例写真
(中野昼間街撮り)
以前 Olympus E-M5 Mark II を利用していた当方として一番気になっていたのは、スイッチオンからの EVF の立ち上がりの速さ。5軸手ぶれ補正機能の起動もあるので、もちろん瞬時、では無いが、スイッチオンから2秒たたず EVF が起動する。満点とは言えないが、スナップ・シューターとしてはこれなら使える範囲である。静かな場所で聞こえる5軸が動作している「サー」という音も、一定時間が過ぎると消える様に出来ている。気になっていた点が改善されているところは素直に嬉しい。

LEICA の 1950年代のバルナック型カメラ、IIIg 辺りを彷彿とさせるそのデザインで、CP+ 会場で PEN-F を下げていると、カメラ愛好家に何度か声をかけられた。Old PEN-F というよりは、バルナックに似ている、と言われる事が多かった。実際、デザイナーはそれをきっと意識しているのであろう。左手の、バルナック型ではフィルム巻き上げノブに設定されている丸い金属ダイヤルは、PEN-F ではロータリー型電源スイッチとなり(ちなみにこの電源スイッチは、慣れると使い勝手は悪く無い。場所もわかり易いので本体触っただけでオンオフ可能になる。)、シャッターを作動させる為の右手上面ダイヤルは、露出補正ダイヤルとなっている。バルナック型の OVF の位置も、こうして見るとほぼ PEN-F の EVF の設定場所と一致する。

特徴的なフロント部分の丸いダイヤル配置も似通っている。バルナックではこの部分がスローシャッター設定として動作するが、PEN-F ではここが独自機能の肝となる「クリエイティブダイヤル」だ。PEN-F の良い点は色々あるが、特に重要なのがこのフロントの丸ダイヤル。これを操作すると、EVF や背面液晶でリアルタイムにその画像変化を見ながら、モノクロ、そしてカラーのプロファイル変更、オリンパスお家芸の各種 ART Filter 変更等が行える様になっている。

PEN-F で新しい表現を生み出したいアート志向のユーザーには、たまらないダイヤルである。プロファイル・コントロールは、オリンパスの作例ギャラリーの UI が秀逸で、こちらでモノクロ、カラーそれぞれの効果を試す事が出来るので、クリックして是非見て頂きたい。昨今 FUJIFILM あたりも力を入れている、デジタルカメラにアナログフィルムの様な手触りを与える機能が、ここに凝縮されている。当方はまだ使いながら覚えている段階だが、このダイヤルを使いこなすと、PEN-F は一層、面白くなるはずだ。

とりあえず1日半使ってみただけなので、まだレビューを全て語れないが、とりあえず気づいたところを以下に列記する。

・シャッター音は機械式シャッターでも滑らかで静か。更に4方向ボタンから下向きボタンでシャッター「静音」を選べば、デジタル・シャッターとなり全くの無音になる。美術館などでは、5軸手ぶれが効く「サー」音はするものの、静かに撮影することが可能となる。

・EVF - 背面液晶の切り替えは、センサーで自動切り替えにしておくと、背面液晶を裏返して使わず畳み込んでも、なぜか液晶裏面が熱を帯びることがあった。カスタム・メニューから内蔵EVF自動切り替え設定を「OFF」にした方が、背面液晶パネルを裏返すと EVF が点灯、液晶を見える様にすると EVF が消灯する。背面液晶はほぼ裏返して EVF を多用するユーザーは、センサーによる自動切り替えにしない方が良いかもしれない。ここはもう少し使って調べてみる。

・EVF の機能でもうひとつ面白いのは、やはりカスタム・メニューから選べる「OVF シミュレーション」。まるで光学ファインダーを見ている様に、加工されないスルー画像の様な表示になる。ただ、当方は撮影結果が事前に反映された方が良いので、この機能は使っていない。EVF はまあまあ見易いが、X-T10 などと比較すると、視野が狭い感じはある。

・背面液晶を引き出す爪は、ボディのフラット化を意識したのかミニマムで、少しひっかかりが弱い。同様に、切り詰めたせいか、SD カードを取り出す際にも、やや SD を爪でひっかけて出すのが困難。当方は、SD を思い切り押してバネで出す様にしたら何とかなったが。

・電池は、304枚撮影したところで、特に連写機能や画像加工も頻繁にせず、WiFi によるスマホへの画像転送を3度ほど行ったが、それで完全に消費された。1日しっかり撮影する場合には、予備電池があった方が良い。また、残りの電池容量表示も、液晶画面への反映は起動時数秒で、常時表示では無いので、無くなる前に電池容量減少警告が表示される。設定でその警告を早めに出す事も出来るので、心配ならその設定をした方が良いだろう。

・底面は、可動液晶などもありやや特異な形状なので、ボトムケースは純正を利用。ただ、富士フィルムなど、装着していても底面の電池・SD カードの蓋を開けられるタイプと比較し、都度三脚穴をコインで回してケース脱着が必要となるので、面倒さはある。

・フラッシュは外付けで、バウンス機能付きの小型高性能なものが採用されている。電源は本体から取るので別途電池はいらないが、本当は小さくても良いので本体内蔵型にしてもらえると嬉しかった。まあ、明るいレンズを利用すれば、5軸手ぶれ補正もありフラッシュを利用する機会は多くは無いが、逆光での撮影やキャッチライトに使いたい時、内蔵は楽である。

とりあえずの利用数日の初期レビューはそんなところだが、このカメラが好きか嫌いか、と問われると、かなり好きになってしまいそうだ。クリエイティブ機能が充実していて、ボディデザインも個性があり、その上軽くて高性能。

CP+ 訪問初日はフルサイズのデジイチを持ち歩いたので、比較して PEN-F の軽量さはやはり武器だと感じられた。重いボディだと、レンズを持ち歩く本数も制限されてしまう。軽量な m4/3 ボデイなら、レンズを数本持って歩いても苦にならない。更に使い込んで、作例写真を増やすとともに、再度レビューしてみたい。PEN-F には、パーソナルな愛情が湧いてしまいそうだ。そんな個性が詰まった秀逸な新型ミラーレス機である。























0 件のコメント: